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「回天」という名の人間魚雷。
登場人物等はフィクションだが、特攻が題材のこの本はかなり考えさせられた。生きたいと強く思いながらも、どうにもならない力で死が決定されている。今の日本はこういう歴史の上にあるんだと。他の特攻関連の本を読みたくなった、そんな1冊。日本人なら読むべし。
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文体はとても読みやすくて、さくさくいける。
物語の時代背景は太平洋戦争のころ。
私は戦争を知らない子どもだけれど。
けれどメディアを通して、リアルタイムに戦争を見ている大人。
微妙な位置に立つ自分でも、この本の内容はわかりやく、共感できるところも沢山ある。
人間魚雷(回転)の話しは、少し前にテレビの特集で観ていて知っていた。
自爆。
っていうか。
目的に達することもできずに逝ってしまった若者が多いと聞けば、世界のあちらこちらで起こっている「自爆テロ」より悲惨だったのかも……。
や、でも。
どんな状況下においても、戦争は悲惨なのだろうけれど……。
深刻で悲惨な状況を、さらりと書かれてあるので、そんなに眉を潜めずに読める内容は、作者として意図したところなのか、それとも私の読み込みが浅いのか……。
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大学で野球に燃える若者たちにも否応なく戦争の火の粉がかかりはじめ、それぞれに戦地へと送られてゆく時代。
鳴り物入りで入部した並木は 肩を痛めて周囲の期待を裏切るという立場に悶々としながら 魔球を編み出す夢を捨てずにいた。そんな彼が就いた任務とは・・・。
戦争――しかも 公言せずとも負けることを誰もが感じている――という極限状態で尚、向かう夢を持てることのしあわせと それが実現できないことを悟ってしまうことの不幸せをしみじみと感じさせられて切なく哀しい。
俺はとうとう死ぬことを目的に生きることができなかった。
人が生きてゆくには夢が必要だ。
俺は死ぬことを夢に生きることができなかった。
という 並木が沖田に宛てた手紙のことばが いつまでも頭の中で渦巻いている。
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野球と戦争を合わせたテーマは自分的に痛かった。これは終わり方がいまいち。全体的に内容が薄かったように思えた。魔球という伏線をどう持っていくか、途中から予想できちゃったのがいまいちだった理由かな(´・ω・`)
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感動!の一言に尽きます。横山さんだから当然泣かすように書いてるんでしょうが、それでもっ!主人公の人生、青春を考えると号泣せざるをえません。
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警察物ではない横山氏の小説、どうしてもローレライと内容が被ってしまう部分がある気もするが、警察物に比べると内容も重たいのだが、人間魚雷の人を殺さない終わり方など巧みに書かれていたと思う。
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戦争の悲惨さを訴えながら、戦時下の恋愛が良い味を出しています。戦争について考える良いキッカケになる本だと思いますよ。
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初の戦争小説。
っつーかさ、あぁもうダメなんだよ、こういうのは。
平和な世の中で生まれ育ったから、こういう別れは知らないんだけどさ。
でもさ、今生の別れというのはいつの世でもダメなんだよ。
笑いながら別れないで。
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電車の広告で何気なく見つめていた本だったのですが、発売でもどこにも売ってなくて苦労しました…。甲子園球児達がグラウンドから戦場へと駆り出されていく。その中で、主人公は苦悩したり絶望したり。明日がないかもしれない、そんな毎日の中で最後の最後に自分の答えを見つけた彼。戦争に縛られながらも夢を失わなかったお話です。だいすきです…。
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「戦争を風化させてはならない」・・・そんな話そのものが私は、嫌いだ。NHK朝のテレビ小説の時代設定が昭和初期から始まると、うんざりしてしまう。本作品は、終戦間際の特攻型魚雷「回天」に乗り込むことになった一人の青年の物語である。私は、この物語から教訓を得ようとは思わない。ただ単純にこの時代を生きた一人の青年の物語として感銘を受けるのみ。山田洋二脚本で映画化されるそうだ。ヒロインが上野樹里、そこだけは気に入った。
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この春に回天基地を見てきましたが、その回天と言う海の特攻隊・人間魚雷に乗り込む若い人たち。戦争末期の生と死のはざまの揺れ動く気持ちが描かれています。
感想の書きにくい作品ですが、横山秀夫さんの作品とは言え、あまり横山臭さがない感じです。その点は、作品自体はデビュー前の作品が母体になっていると言うことも影響しているのかもしれません。しかし、いつにないさらりとした人物像や淡々とした物語の進行に、逆にのめり込みました。
国のために死ぬんじゃなくって、愛する人を守るために特攻すると言う搭乗者の心情は、回天の記念館でよく分かったのですが、本作品でも書かれているように、誰と戦争しているのだろうと言う不思議な感覚が漂います。敵も見た事がないのに戦っているのは??それは己との戦争と言う境地に行き着くのです。
この本では、「自分が死んでどうして守れるか?」「自分が特攻すれば必ず守れるという約束できるのか?」逆に「死んでしまったら守ろうと思っても守れないのではないか?」って言うような疑問から、軍隊における「死んで行く夢をもって生きる」ことの困難さが描かれています。
この作品は映画化されるそうで、原作と監督のコンビは「半落ち」以来の同じコンビ。あの「半落ち」は原作以上の映画化に感心したものです。この作品も期待したいものです。あとは、ボレロの曲もそのまま原作どおりに採用して欲しいものです。
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神風特攻隊は世に知られているけど、こんな特攻もあったとは。
南十字星(ミュージカル)を観た時も感じましが、過去のこういう人達が礎となって今の日本があるんだなぁと。
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結末が分かっているからこそ読んでみたんだけど。。ドキュメンタリーをいろいろ読んだことがあるせいか、経験したこともないのに、「書き尽くせていない」と思ってしまう。。
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甲子園優勝投手、並木(なみき)。彼は何故、回天に搭乗することになったのか。野球部員の多くが戦争を礼賛する中、それに疑問を感じている学生もいた。太平洋戦争が始まったころは、日本の快進撃が報じられ、大学の中では、非国民とののしられようがその疑問を口にすることがまだできた。しかし戦況が泥沼化し始め、ついに学生の徴兵猶予が解除。彼らも軍人とならざるをえなくなった。海軍へ配属された並木が日々厳しい訓練を受けていたあるとき、「特別兵器」の搭乗員が募られた。詳しいことは一切知らされなかったが、多くの若者が搭乗員に志願した。つい志願してしまった並木は、その兵器が「必死」の特攻兵器であることを知り、愕然とする。操作に熟練すればするほど近づいてくる死。司令官や整備士たち「送る側」と、回天に搭乗する「送られる側」の息苦しい温度差。回天の故障で出撃できず、生きて帰った者たちに向けられる視線。青春を謳歌し生に執着していた並木を、いつしか人間魚雷にしてしまう。戦争がいかに異様な状況を作り出すのかを見ることができる。