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東南アジアを取材してきた報道写真家による、カンボジアの遺跡が盗掘・密売についてのルポ。
カンボジアの歴史や現状を踏まえた内容で、日本が関わる遺跡修復についても触れている。
遺跡の保護について、まずは知ることが大切であるが、盗掘・密売については解決の糸口が見えていないのが現状。また、その一端を日本が担っているという残念な現実がある。
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アンコールワットに行っている間と帰国後にかけて読んだ。
この本は、アンコールワットと題名に書いてあるが、アンコールワットのことだけではなく、各地の遺跡にも通じる歴史と現状が書いてある。
今まで、美術館で展示されている遺跡の一部を見ても、それがどういった経緯でそこに展示されているのか、何も不思議に思わなかった。
その経緯の一部がここに記されている。確かな取材の元に書かれたこの本は、信頼性も高いと思う。
アンコールワットに行った人はもちろんだが、各地の遺跡が好きな人には読んで欲しい本。
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クメール遺跡の盗掘の状況等をはじめて知ることができた。アンコールワットは世界から注目され管理、保護され始めているためある程度落ち着いたが、その他の遺跡も含め人間の所有欲から遺跡を守るため努力は相当厳しいと感じた。またタイとカンボジアの危うい関係も伺い知ることができた。
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私が初めてカンボジアに正式入国したのは、1991年のことだ。(冒頭の一文)
アンコールワットを始め、カンボジアの文化財がいかに危険な状態にあるのか、ジャーナリストによるルポ。
カンボジアの内戦も取材した経験のある筆者の話は、心にズドンと響くものがある。盗掘がいかに文化を無視し、金儲けの為に、上流階層が汚い手を使っているのか、問題のほんの一部を紹介しているだけなのに、そして私自身はクメール文化を何も知らないのに、本当に悲しくなる現状を突きつけられる。
アジアの問題を考えさせられた。
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今年念願のアンコールワットを訪れたが、事前に読んでいれば、また見方が変わったかもしれない。
現地でも、首のない仏像について、盗掘のためだとうことは聞いていたが、それに軍や国家がこんな関わり方をしているとは思いもよらなかった。
内容については非常に興味深かったが、現状の報告にとどまるように感じたため、この評価。
(2011.7)
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昨年アンコール・ワットに行ったので興味を持って。遺跡の盗掘と密売について追った本。うーん…思ったよりサラッとしていたかな。もう少し緊迫感があるものを読みたかったかも…。アンコール・ワットには感動しました。人間の、物を作る力や創造力は素晴らしいと思いました。
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報道写真家の足で得た生情報に基づく、アンコールワット遺跡を対象とした盗掘の悲劇を伝える。お金やコレクションのために盗掘する盗掘団と、その盗掘団から必死に遺跡を守り・修復を続ける政府や民間。この悲劇は遺跡の価値がなくなるまで永遠と続くのだろうか。価値の高い一部の遺跡には極めて精巧な模造品が埋め込まれているらしく、本物と模造品の区別がつかない一般人としては、このような事実を知ってしまうと何を信じれば良いのか疑ってしまう。遺跡はそこにあるから価値があるのだ、という遺跡を愛する作者の言葉は心に重く残る。遺跡の事実を知るのに良書といえる。
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アンコールワット遺跡を巡る実情を歴史(主にヴェトナム戦争時の話とタイとの関係)の話も踏まえながら、現地・そして日本での著者の体験を語られていく。
描写は事実を忠実に述べていく感じで、イメージしやすい。
ガイドブックを買う目的でふらっと寄ったところで気になって、つい購入したのだけれど、現地訪れる前に読んで知っておけてよかったかも、という感じ。多分読んでいくのと読まずに行くのとで感じ方が違いそう。やっぱり予習って大事だね・・・と実感(するであろう)
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アンコールワットの盗掘の状況が書かれている。ややあっさりしている。もう少し緊迫感があるのを期待していた。
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アンコール遺跡の彫刻や石像が闇ルートで高値で世界中に密輸されてきたというショッキングな内容。カンボジアに行く前に読んでおけばアンコール遺跡への見方が違ったかもしれない。やはりアンコールのものはアンコールにあってほしいと思うのは自分だけではないだろう。
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10年前の著書ゆえ、現状が気になりました。アンコールワットにあってこそ石像等の美しさが引き立つのは言うまでもないですが、今日の保護状況を考えると少し心配です。遺跡の上に観光客が座ってますから。。
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[ 内容 ]
ロダン、マルロー、三島由紀夫といった大物芸術家たちに愛されたアンコール遺跡群は、組織的盗掘と国境を越えた密売ルートによって日常的に切り崩されている。
カンボジアでは、クメール文化の切り売りは、いまや一つの「産業」となっているのだ!長年、カンボジア取材を続けてきた報道写真家の著者は、十年以上にわたってアンコール遺跡の盗掘と密売を独自に取材してきた、日本で唯一のジャーナリストだ。
本書は、世界遺産が直面する惨状を、豊富な現地写真とともに生々しくレポートした問題作である。
[ 目次 ]
第1章 悲しきアンコール・ワット
第2章 王国の盛衰と植民地の時代(上野の森のアンコール展;アンコール遺跡の再発見者アンリ・ムオ;アンコールを訪れ、惹かれた外国人たち;マルローの『王道』に見る盗掘の実態;奪われた青銅像の行方)
第3章 国境を越える窃盗団(石像一キロ、金一グラムの世界;国境の町の骨董店;密輸街道を行く;手を失った石像;バンテアイ・チュマールをめざす;郡長の悩み)
第4章 密輸ルートを追う(返還された千手観音像;マジック・ドアに隠されたクメールの彫像;「売ってはいけないもの」が公然と売買させる日本)
第5章 荒廃・盗掘と戦う(アンコールは誰のもの;遺跡を守る考古学者タイ下院骨董品の密輸の研究・監視委員会の活動;石工を育てる;国際協力で進められる保存・修復)
資料編
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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手に取らで やはり野に置け レンゲ草
美しい 野の草 で あっても
貴重な 文化遺産で あっても
そこに ある からこそ
意味があることは すべからく同じだ
さすがに
アジア、アフリカの厳しい現実を撮ってこられた
ジャーナリスト三留さんだな
と 思わされた
アンコールワット盗掘 と クメール・ルージュが
こんなにも密接な関係があることは
始めて知りました
戦争には始まりだけがあって
その終わりがないことを
改めて実感させられました