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紙の本
アマゾンの森に遊ぶ楽しさ
2006/05/30 12:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
“女同士はややこしい”。その言葉は嘘ではないけれど本当でもない。女だけの世界は意外と居心地のいいものだ。しかしそこに“男”がからむと途端にややこしくなるから面倒なのである。
時は16世紀、黄金を夢見て無謀にもアマゾンの森に迷い込んだイスパニア人の男が二人。
男子禁制のはずのアマゾネスの部族に二人の西洋人(しかも男)が迎えられたことから彼らの世界は大きく変わっていく。ただでさえ生まれるはずのない男の子をめぐって部族内が紛糾していた矢先、さらなる厄介事の発生はそれまで平穏に保たれていた秩序を崩壊させ、ひとつの不和が次の不和を呼び次々と災いがやってくる…とまぁこんな感じで物語は進行していくのですが、とにかく面白い!
強いて分類すればファンタジー?精霊は出てくるし、戦いはあるし、世界は破滅しそうになるけれど、今までに読んだどんなファンタジー小説ともその趣は異なっていて(大体アマゾンのジャングルが舞台の小説自体とても珍しいだろう)大人が読んでも楽しめる物語に仕上がっています。初恋くらいでジタバタする尻の青いお子様が世界の救世主になるような、間違ってもそんな物語ではありません。
例えば物語の幕開けは、長年の宿敵である“オンサの部族”を壊滅へと追いやった戦勝気分も抜けきらぬ“結びの宴”からスタートするのですが、この“結びの宴”とはぶっちゃけ戦に勝ったお祝いにご褒美として“泉の部族”の女達の体を他部族の男達に与えるというもの。こういう儀式がさらりと描かれる辺りが大人向け、冒頭から読者を驚かせてくれます。
“結びの宴”に“お宿りの儀式”などいかにも神話的な儀式の数々が繰り広げられる上に登場人物達の名前が、赤弓に夢見鳥に“影の三つ子“岩影・草影・沼影!なんと素敵な名付け方なのでしょう。この辺りでまず今後の展開を思ってわくわくしました。
そして泉の部族の女達はもとより彼女達を取り巻く男達、カイマン—鰐—の頭被りをした鰐の部族(この部族長がまたかっこいいのだ!)や亀の部族、猿の部族の面々の何と個性豊かで魅力的なことか!いいぞ、かっこいいぞ、強いぞ!読み進むほどにこの後はどうなるの???と頁をめくる手を止められない、そんな快感を久しぶりに味わいました。
奔放な想像力で紡ぎ出された物語を心ゆくまで堪能することのなんと幸せで楽しいことか。
“現実とは全くかけ離れた世界に想像の翼をはばたかせる楽しみ”をお求めの方は是非お試し下さい。読後感もすっきり爽快。あぁ楽しかった。
紙の本
著者コメント
2004/10/18 17:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:粕谷知世 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アマゾン河のアマゾネス(=女戦士)の話。この「アマゾニア」を一言で表すなら、こうなります。そして、この物語の主人公・赤弓は女戦士の部隊長。ただし、彼女は事情あって自分の女性性に目覚めていないので、その言動は救いがたいほど色気に欠けています。周りの女性がやきもきするのを尻目に「部族を守る戦士が、母になる儀式なんか受けられるか」と放言する始末です。
この赤弓に、恋人を待って何千年も生き続ける精霊や、大人になりたくない思春期の少女、他部族の男たち、あるいはスペイン人征服者が絡んで引き起こす悲喜劇を、楽しんでいただければ幸いです。
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