紙の本
一流のはぐれ旅
2005/01/04 23:50
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投稿者:小泉 雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経験豊富だからか、あるいは年のせいか著者の3人は、もう恐い物など世の中には存在しないのだろう。著者達は、これでもかと言う位に好き勝手を言っている。最初はその毒気に当てられっぱなしなのと、執筆している人の文章レベルが均一で無いので、多少ざらつきがあり、当初は流し読みで済ませてしまったのだが、休みの間にじっくりと読んでみると、クスクス笑いが出てしまった程おもしろい。
『東京するめクラブ』と称するメンバー3人が、ちょっと変で間抜けな所に出掛けてゆき、ちょっとばかし、何かに取り残されたような変な物を見て回るという、変わった旅行記?だ。
隊長の村上春樹さんはお馴染みだけど、後の2人は、吉本由美さん(昔オリーブという少女雑誌で、インテリアスタイリストをされてて、オリーブを読んでいた読者には憧れのお姉さん的存在でした)彼女は女性的好奇心の目からレポートし、都築響一さんという写真家は、この本の中では雄々しいというか、写実的な部門担当という感じでしょうか。
旅は名古屋からはじまり熱海、ハワイ、江の島、サハリン、清里と6ケ所のはぐれ旅としかいいようの無い、普通ならあえて、そこには行かないだろう、今さら見る事無いだろうと言う場所で占められてます。しかし、はぐれてるなんて言ってても、それぞれが各分野で成功し、個性や価値観が違う著者たちです。今までもあらゆる物を、景色を見てきた人達です。
一流の人達による一流のはぐれ旅なのです。
ハワイに関してはリピーターも多く、一家言ある方も多いとは思います。この本では、のん気でゆるい感じのハワイだけじゃ無く(のん気な面は多いのですが)どうしてホノルルマラソンをあんなに沢山の日本人が走るのかという、少々ダークな疑問にも答えてくれます。
サハリンに関しては、あまりにも何も知らなかった私。お恥ずかしいのですが、サハリン=樺太とすぐに思い浮かぶのも困難な程。
でもサハリンこそ、はぐれ旅の真骨頂。私としては知識が無かっただけに、これほどまでに人間のギラギラした物欲と、雄大で手付かずの大自然が、おおらかにからみ合っている場所も地球上では稀なのでは無いでしょうか。どっちにも圧倒されてしまいます。
行き着く事が難しいせいなのか、出掛けて見たいと強く思った事は言うまでもありません。
名古屋があんなに地下街が広大なのも納得できたし(私は数年前に行った時、ちょっとばかし驚いた)うなバーガーという、他には絶対存在し得ないオリジナリティーを持った物が、沢山なぜあるのかが良く分かりました。
熱海や江の島なんて、情報もあり、割と近くにあるにもかかわらずに近寄らない箇所のひとつではないでしょうか。(私の場合も江の島を渋滞の中、対岸から眺める事は多々あれど、上陸はした事無いし、箱根や伊豆には泊まりに行くけど、熱海には一度も行った事なしです。)
「なんかおもしろいことないかなあ」と、日常何の気なしに過ごしている街でも、おもしろく過ごそうと楽しむ為に、動き回る努力(これがパワーのいることなのだけど)をすれば、旅と言う非日常の形を取らなくても、新たなる発見が出来るし、日々を充分楽しく過ごす事ができると言う事に気付かせてくれた。何か楽しい事は、待っているだけでは決してやって来ないのだ。
著者のひとりである都築さんの
『幸せの敷き居を低くするのが、人生をハッピーに生きるコツなのかも』
という言葉が本書を体現し、読者へのメッセージになっているのではないでしょうか。
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テイストとしては水丸さんとの共著「日出る国の工場」に近いが、もっと猥雑でいろんなものがギューっとつまっている。
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あちこち探し回ってやっと手に入れました。ハードカバーなんだけど、ある書店(六本木だ)では雑誌のカテゴリーだったりして正体不明でありました。成田の蔦谷で「1冊だけ在庫があります」といわれた日は嬉しかった!
簡単にいうと旅行記。名古屋だとか熱海だとかハワイだとかの、ちょっとアヤシイところをレポートしたもの。
名古屋の「マウンテン」抹茶小倉スパは圧巻ですね。名古屋は萌ちゃんと犀川先生の居住地。あんまりローカルなイメージなかったんですけど…。
後日、江ノ島には行きました。
ねこにゃんは確かにいるね。
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本自体のコンセプトは好きだ。ただ、村上春樹フリークだからかもしれないが、村上氏以外の文章は面白くないと思った。特に吉本由美氏の文章からにじみ出てくるスノッブさが嫌。本当は村上氏も同系統の人だけど、文章の上手さでそれを感じさせていないだけなのだろうか?余り自分の好きじゃないタイプの文筆業の方と仲良くしている村上氏を感じてしまうという、一ハルキファンとしては複雑な思いを抱かせてくれる一冊。
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結構ボリュームある。村上春樹以外の文章は、ひいき目だからかも知れないけどちょっと読むのがしんどくなる。でも、読んだあとはいろんな場所を旅したような気になれてなかなか良いです。
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村上春樹と吉本由美と「TOKYO STYLE」の写真家さんですよ!!
買いましょう。そして名古屋の謎を楽しみましょう。
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かばんの中から。
たまたま持ち歩いていたら、一緒にいた子のかばんからおんなじ本がでてきた。それほどいい本ではないが。都築響一ってしょーもない目の付け所が好きだ。名古屋の回は旅の参考にしました。
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小説家の村上春樹、エッセイスト・スタイリストの吉本由美、アート・デザイン編集者の都築響一による「旅行記」
村上氏によると「ちょっと変なところに行って、ちょっと変なものを見てまわろうじゃないか」というのがこの本のコンセプト(だと僕は認識している)
ここで収録されているのが、「魔都」名古屋、「62万ドルの夜景」の熱海、「ゆるゆる」のハワイ、「誰も(たぶん)知らない」江の島、「ワールド・ウエスト」サハリン、そして「メルヘンの果て」清里。
強烈な個性を放つ、しかしあまり世間の目を集めない場所が、恐ろしくマニアックな視点で切り取られている。
読了後、これらの場所に足を運ぼうと思ったことが何度あったことか…しかしその度に、この強烈なキャラクターに果たしてどこまでついていくことができるかと訳の分からない葛藤にさいなまれる。
ちなみに、(これはあくまで僕の個人的な主張なのだが)この本が名古屋をここまでメジャーにし、「愛・地球博」の原動力になったのだと僕は信じて疑わない(笑)
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旅行の場所としては今更感のある場所または「行かねーよ」と言ってしまう場所を選んで、東京するめクラブの村上春樹、吉本由美、都築響一が訪れて、あーだこーだ書いた本。
けっして、この本を読んで紹介されている場所に行きたいとは思わないが、
ちょっと興味をそそれらたのは確か。
でも、村上春樹ってこんなひとなのね。。。
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賛否両論あるみたいだけど、わたしはけっこうおもしろかったと思います。
江ノ島にひさしぶりにいきたくなった。
研究室の先生がなぜか貸してくれた、思い出深い一冊。
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都築響一だけでも買ってしまうのに、村上春樹まで入ってしまうするめクラブ、買わないわけには行かない。何度か読み返していたのだけど、今回江ノ島に行くので江ノ島編を読み返す。ちなみに他には名古屋編、熱海編、ハワイ編にウラジオストク編などがある。名古屋旅行前にもずいぶんお世話になりました。
江ノ電に乗って江ノ島へ、そこはおもいっきりいいテレビでいつも目にする海岸。そこは坂道だらけで、十四億使った趣味の悪い洞窟やエスカーという有料エスカレーターや恋人岬の嘘っこや、おかしな水族館や・・・有象無象というわり無象無象というかんじ。今から旅行が楽しみでならない。ふふふ。これ読んでハワイも行きたくなった。
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するめクラブ。
第一回が名古屋で名古屋育ちの私は嬉しくなる。
でも、マウンテンに、美宝堂に、しゃちほこ丼ってどうなんだろう?
ちなみに私、名古屋に住んでいながらどちらにも行ったこと、食べたことないレアスポットです。
ずんずん進んでいくするめクラブ。
魅力的です。
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微妙な旅行先、マイナーな旅行先、ツアーなんて確実に組まれない旅行先。まさしくするめのような旅行先ばかり(下手したら味出ないかもぐらいな)。
わざわざ行こうとは思わないけど、何となく行ってみたいような気になってくる。
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村上春樹隊長以外に吉本由美(エッセイスト、スイタリスト)、都築響一(アーデザイン編集者)が東京するめクラブなのものを結成し、名古屋・熱海・ホノルル・江ノ島・サハリン・清里を訪ねて現状に鋭くせまっていく。
村上隊長の視線の鋭さは承知だが知らない二人の文章も負けない視点と文体を持っていて楽しめる。村上隊長のほうがベタな感じがするくらいだ。三人がかりでしゃぶり尽くすって感じがいい。
あとがきに書いているが「世間から軽蔑されこそすれ、尊敬されることはまずなさそうな土地ばかりを、わざわざ選んで出かけた」
「つまらなく見える町を、なんとかおもしろがろうとする努力。つまらなく見える人生を、なんとかおもしろがろうとする努力。このふたつには、たぶんほとんどちがいがない。幸せの敷居を低くするのが、人生をハッピーに生きるコツなのかもと提案してみたかっただけだ。」というコンセプトですね。
熱海の廃墟を楽しむとか基本的にハズレの部分を喜ぶとかひたすらこきおろすってことになって紀行文よりは鋭い視点、ものの見方を楽しむってほうが強い。
とはいえアトランティス・サブマリンやトップ・オブ・ワイキキに行ったことがある身にとって、他の魚卓とかかわりもの回転寿司とかチキ・バーには行ってみたいものだ。名古屋の店にしても行ってみたくなる。紀行文として読むことも可能ですね。
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ゆるゆるで読みやすく、面白かった。特に村上春樹の文章が面白かった。小説は何度かチャレンジしたけど、いつも早々に体調悪くなって読み切れない(選ぶ本が悪いのか…)のでびっくり。ガイドブックというよりは旅日記として読むと、いいかも。さすが皆さん作家さんだなぁと思う観察眼です。