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宇宙に関する素朴な疑問は、難問だった。
昔からある素朴な疑問は、宇宙の構造を巡る大変な難問でした。
ケプラーやハレー、ハーシェルなどの有名な天文学者が自身の計算や観測結果を基に多くの仮説を提唱しましたが、いずれもこの疑問を解決するものではなかったようです。
この本では、オルバースのパラドックスと多くの学者達が唱えた宇宙論の変遷について判り易く解説しています。
参考:Wikipedia
オルバースのパラドックス(Olbers' Paradox)は「宇宙の恒星の分布が一様で、光度も平均的に場所によらないと仮定すると、空は全体が太陽面のように明るく光輝くはず」というパラドックス(背理)である。このパラドクスの帰結は、星からの光は星までの距離の2乗に反比例して暗くなるが、距離が遠い星の数は距離の2乗で増えるので、これらはちょうど打ち消しあい、どの方向を見てもいずれかの星の表面がみえるはずだという推論に基づく。このパラドクスの名は、これを記述した19世紀の天文学者ハインリヒ・ヴィルヘルム・オルバースから採られているが、この問題自体はそれより古くから議論されてきたものである。このパラドックスが成立するためには、空が星で覆い尽くされるほどに宇宙が空間的に非常に広くなければならない。また光速が有限であるため、そのような広大な空間を光が伝わってくるような非常に長い時間の昔から星が輝いていたとすることも必要となる。現在では、このために必要な距離や時間は、宇宙の大きさや年齢よりはるかに大きなものとなることが明らかとなったため、オルバースのパラドックスの前提は成立しないことがわかっている。