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大学の受験対策(小論文)で買った。
考古学って土器とかばっかりじゃなくて、
地面の成分を見たり、骨を見ることもするんだぜ、
的なことが書いてある。
こてこてな専門書ではなく、コラム的に気軽に読める。
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遺跡から発掘されたモノから、当時の生活がどのようなもので
あったのか推理していく、いわゆる考古学のお話。
知識を得る本というよりかは、純粋に知的好奇心を満たす本である。
動物の骨のかけらから当時の生活がどのようなものであったのか、
どのような交易があったのかを論理的に推理していく過程は、
知的好奇心を刺激され非常に興味深く、そんなことまでわかるのか
ということまで、導き出している(真偽のほどは不明だが)。
しかし、このようなことがわかるようになるには、気の遠くなるような
分析が必要であるわけで、本のページにすると高々 200 ページの
内容だが、その裏ではすさまじいほどの努力があったのだろう。
地道に情熱を持って研究を続けられた筆者に尊敬の念を抱かずにはいられない。
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[ 内容 ]
貝塚で発掘された骨のかけらから縄文人の食生活を推理し、遺跡の土の分析から古代のトイレをつきとめる―文献史学、動物学、植物学、生化学、寄生虫学などの研究成果を生かして、埋もれた過去の暮らしを明らかにする環境考古学の、豊富な成果を紹介しよう。
日本各地と欧米のフィールドで知的なスリルに満ちた探索が繰り広げられていく。
[ 目次 ]
第1章 食卓の考古学
第2章 土と水から見える古代
第3章 人、豚と犬に出会う
第4章 牛馬の考古学
第5章 人間の骨から何がわかるか
第6章 遺跡保存と環境
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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発掘調査で何を調べどう分析するのかというところはなかなかわからないところでしたが、本書を読んで環境考古学という学問の存在を知り、遺跡からわかるさまざまなことに驚きました。特に記憶に残っているのは、縄文人だとかにはほぼ100%寄生虫がいたということですね。いやんなりますね、昔の時代はやはり大変なんです。
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考古学と聞いて始め思い浮かべるのは、巨大な都市遺跡と墳墓、その豪華な調度品や副葬品であったりする。そして自分たちは、ほとんどロマンチックな感慨でもって、在りし日の栄華に思いを馳せる。しかし、そこに人々の生活のリアルな匂いは無い。目にとまる人口遺物の傍らに放られている、わずかな動物の骨や木片、植物の種子や花粉、そんな雑多な自然遺物にこそ、実はそこに住んだ人々の生活の匂いが染み付いているのだ。文献史学、動物学、植物学、昆虫学、寄生虫学、生化学等々、遍く学問を動員した試行錯誤の積み重ねが、在りし日の生活の匂いを甦らせる。例えば、光合成の仕組みの違いから生じる炭素同位体の割合のわずかな差から、栽培されていた植物を探り、またその植物を食べて育ったであろう動物の骨に含まれる同位体の偏在で、それが野生のイノシシなのか、家畜化された豚なのかを判別しようとする(遺伝子では決定的な判別ができない)くだりなど、存分に興奮させられる。そう、それこそ本当にロマンチックではあるまいか。
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古き良き新書の趣を残した真面目な本。
ちょっとずつつまみ読みするにも適しているように思う。
本筋ではないけど、研究者が恩師を偲ぶ文章ってなんか好きだなあ。本書もそんな部分があって、ちょっと、グッと来たりする。
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環境考古学への招待 松井章 岩波新書
考古学といえば宝探しの延長であり
遥か有史以前からの貝塚や墓などの遺跡を発掘して
当時の人間がどんな暮らし方をしていたかと
掘り出した証拠となる人工遺物を分析しながら
推測することだったけれど
最近では環境全体と絡めた状態を含め
あらゆる分野の学問を巻き込んだ総合的な研究となり
そこには土壌に紛れ込んでいる種子や花粉や寄生虫などの
自然異物からイメージを広げて見通すことも
大事な情報だとしてより視野の広い学問へと成長してきた
棲み分けと食物連鎖による集いや社会形態
あるいは
縄張りによる所有意識や弱肉強食と言う対立関係による
差別やイジメや戦争
はては専門畑に分化する縦の学問体系と共に
選民意識を生み出す宗教観などへと広がる総合性によって
横につながる形を生み出して生きた