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音楽未来形 デジタル時代の音楽文化のゆくえ みんなのレビュー
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紙の本
音源なんて、ららららら
2007/05/13 07:53
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る
今から今40年ほど昔、フォークの若きカリスマだったボブ・ディランがエレキギターを抱えてあの「ライク・ア・ローリング・ストーン」を歌った時、観客は猛烈なブーイングで答えた。それはその時の彼らの求めている音楽ではなかった。そして今僕はitunesで「中津川ジャンボリー」での吉田拓郎の「ライブ音源」を流しながら、これを書いている。「時代は変わる」。
本書で音楽の歴史は①楽譜の成立以前の時代、②楽譜が成立し作曲家が音楽の「作者」とみなされるようになった時代、③レコードが誕生し、それによって逆に生演奏が「ライブ」として価値を持つようになった時代、④電子技術の発達でレコードがスタジオで単純に録音されるのではなく、生では演奏不可能なもの(例えばビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」やビートルズ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」)を作り出すようになった時代、⑤さらにDJが既存の音源を細かく編集して新たな「作品」を生み出し、それがインターネットで流れる現代、のように描かれているようだ。レコード、ラジオ、CD、MIDIなど我々の身近にある音楽の技術的な基盤を丁寧に解説しつつ、音楽がその姿をどのように変えてきたか、今変えているのか描き出される。
専門的な通史ではなく未来志向の、読みやすい一冊で、メインテーマは「音楽のさ、ナマとか、オリジナルって本当はどういうことなの?作者ってほんとうは誰なの?」という問いかけだ。
通読して色々面白い事実も知ることができた。例えば、「TOP40」は当時のジュークボックスの枚数が40枚だったからということとか、40年代ごろ、アメリカでレコード会社、そしてラジオ放送に権益を奪われることを恐れて既存の音楽家団体などが、「録音禁止令」などを出している間に、しがらみがなかった黒人音楽がその隙間をぬってどっとラジオにながれこみ、DJ番組がそこで生まれたということとか、色々。
「エア・チェック」という言葉を聞いて遠い目をした方にも、きょとんとされた方にもおすすめの一冊です。
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