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教科書的な知識から、著者の臨床経験で培った対処法、人間味溢れる観察、また小説を素材とした考察まで、新書というコンパクトな分量の中でも色々な角度から認知症のことを知ることが出来る。知識の方はわかりにくいという人は、そこを多少飛ばし読みしても、それなりの読みごたえがあるのでは。
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認知症を外側ではなく、内側からみるという考え方に共感しました。
キュアでなく、ケアを考えてくれるDrを素敵と思わずにはいられません:-)
クリスティーン・ブライデンさんの著書もぜひ読んで見たいと思いました。
自分自身、知識として知っている認知症と、その実際のギャップを実感として体験していないので、わからない部分も多い。
でも、全部を体験することはできないから、書物から吸収できることは、考える材料としてたくさん読んでいきたいですね*
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他にも数冊認知症の本を読んだが、この本は他の老化現象や精神疾患との違いも書かれている。図解の本よりわかりやすかった。
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[ 内容 ]
「痴呆」という用語が「認知症」に変更された。
これはどのような病、障害なのか。
また患者はどんな気持ちで不自由な日常を生きているのか。
『痴呆を生きるということ』で、この病をかかえる人の精神病理に光をあてた著者が、最新の医学的知見を示すとともに、患者の手記、自身の治療・ケア体験などから、誤解されがちな病の真実に迫る。
[ 目次 ]
はじめに―痴呆から認知症へ
第1部 認知症の医学(認知症とは;認知症の原因疾患;認知症の症状;認知症の経過 ほか)
第2部 認知症を生きる心の世界(ある私小説から;ある認知症者の手記;認知症をかかえる不自由;つくられる認知症の行動)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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一昨年母が認知症になった。
今は故郷のグループホームに入っています。
認知症とは?
新聞やテレビでも取り上げられる話題です。
やがて私もと思うとその概要だけでも知っておくべきだろう。
最近は脳に刺激を当てるハードな治療法もあるということです。
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医学的な説明はもとより、当事者の内側からの眼差し、そしてケアという関わりからみた認知症。ここでもやはり主題となるのは、コミュニケーションの簡素化と主体を引き出すための「待ち」という姿勢。現代社会の病とは、コミュニケーション不全が根っこにある。
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(2015.03.14読了)(2015.03.04借入)
題名通りの認知症についての本です。
最近の記憶が保てなくて、同じことを何度も聞いたり、同じ話題を何度も話したりします。食事をしたことを忘れたり、財布をどこに置いたのか忘れて、世話を焼いている人のことをどろぼう呼ばわりしたり、方向感覚がなくなって、迷子になったり、徘徊したり、いろんな困った行動を取ったりします。身内の人を認識できなかったりもします。
このような症状が出るもととなる原因は、一つではなく、いろんなケースがあるということです。治せるケースもあるし、治せないケースもある。
原因が何かによって、対応の仕方も変えた方が、扱いやすくなるというか、困った症状が治まることもあるということです。
原因疾患の主なものは、アルツハイマー病と脳の血管が詰まったり破れたりした結果、脳の部位が損傷を受けたためのものです。
認知症になった結果として、患者がとる対応は、不具合をつじつまの合うようにしようとするので、個人ごとに誤魔化し方というか、表現のしかたが違うので、心理面の理解が必要ということになります。
第二部では、認知症の方の心理面を紹介しています。
認知症の周囲の方も戸惑っているのですが、本人も戸惑っているのです。信じられないことが起るので、それをどう解釈したらいいのか、つじつまが合うようにするにはどう説明すればいいのか、戸惑っているのです。
【目次】
はじめに-痴呆から認知症へ
第一部 認知症の医学
第一章 認知症とは
第二章 認知症の原因疾患
第三章 認知症の症状
第四章 認知症の経過
第五章 アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症
第六章 告知をめぐって
第二部 認知症を生きる心の世界
第一章 ある私小説から
第二章 ある認知症者の手記
第三章 認知症をかかえる不自由
第四章 つくられる認知症の行動
おわりに
あとがき
●認知症(17頁)
認知症は症状レベルの概念である。正確にいえば、記憶障害、見当識障害、思考障害など、いくつかの症状の集まりに対する命名だから症状群と言うべきなのだが。
同じ症状の裏には異なる疾患があり、また同じ病名がついても、原因が異なる場合がある。
認知症の原因疾患は詳しくあげていくと100近くになる。
●中核症状(22頁)
記憶障害、見当識障害、思考障害、言葉や数のような抽象的能力の障害などをあげることができる。
●見当識障害(35頁)
見当識はオリエンテーションの邦訳で、今がいつか(時間)、ここはどこか(場所)、この人はだれか(人物)に関する認知を意味する。認知症ではこの順に侵襲が及ぶ。
●症状(55頁)
認知症という病は、生きるエネルギーを奪うところにじつは最大の問題があって、そこに援助の手を差し伸べねばならない
●自分が自分でなくなる恐怖(105頁)
認知症が深まり、死が近づくにつれて、周囲の人たちの見分けがつかなくなり、自分が誰であるかさえ分からなくなって、それでも私は私と言えるだろうか
●使わなければ(117頁)
すべて肩代わりしてやってもらえば、ずっと楽なのだが、そうすれば私たちはすぐ無力感のうちに引きこもることになる。使わなければ失われる
●感覚のスクリーニング機能(123頁)
眠っていてさえ、自分に意味ある感覚と無視してよい感覚とをスクリーニングして、反応する、しないを判断しているのである。
●失禁(138頁)
認知症が深まると、尿意はあるのだが、それを排尿行為に結びつけることが難しく、あるいは尿意を訴えて、人の手を借りて排尿することもできなくなり、失禁するに至る。
●「盗られた」(170頁)
大切なものを置いたところを忘れ、自分の責任として対処できないとすれば、「盗られた」になるだろう。自分の責任と認知するには、そのような判断能力と同時に、大切なものさえ置き忘れてしまう自分を受け入れねばならない。
☆関連図書(既読)
「痴呆を生きるということ」小澤勲著、岩波新書、2003.07.18
「老人と犬」秋元良平著、あすなろ書房、1995.07.20
「老人介護 じいさん・ばあさんの愛しかた」三好春樹著、新潮文庫、2007.12.01
(2015年3月17日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
「痴呆」という用語が「認知症」に変更された。これはどのような病、障害なのか。また患者はどんな気持ちで不自由な日常を生きているのか。『痴呆を生きるということ』で、この病をかかえる人の精神病理に光をあてた著者が、最新の医学的知見を示すとともに、患者の手記、自身の治療・ケア体験などから、誤解されがちな病の真実に迫る。
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自分の親がそういう年代になり、その道のプロに勧められて読みました。
漠然とした不安が消え、現実的に考えられるようになり、気分がとても楽になりました。
前半は医学的な話が多く読みにくいですが、がんばって読み進めると、後半は実践的な話が多くて読みやすくなり、とても勉強になりました。
最初に読む一冊として、お勧めです。