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小谷野さんの本のおもしろさは、古今東西の書物の知識を披露しながら、俺はなぜもてないのかというきわめて通俗的な願望を辱めもなく告白する点であろう。今回はなんとサイトから結婚相談所まで手をのばすも理想とする才色兼備の女性にはめぐりあえない。「もてない男」が読者にもてるのは、きっと俺の方が小谷野よりましだ、もてるという優越感をそのときだけでももてるからではないだろうか。
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この本では「もてない男」が存在することを白日のもとにしているってとこが重要です。で、「もてない」ってのは彼女いない暦が何ヶ月とかそういうのじゃなくて、ほとんどそういうことが不可能である層を対象にしている。こういう層は確実に存在しているのだ、表には出ないけど。
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結婚−離婚を経て、42歳を迎えた筆者は焦りと不安を抱きつつ、それでも出会い系サイトや結婚相談所を利用しようとしている。そんなに相手が欲しいのねぇ。ここまであからさまに私生活を晒すことで希望の女性に相手にされないことの鬱憤晴らしをしてるのかしらん。
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著者によれば「サルサ」は今時のモテ男の武器なんだと。あまりに部屋にこもって書物にばかり親しむとこうなっちゃう。サルサ場に来ても「俺にはできない」ってすぐギブアップするタイプだな。
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イヤな男(笑)。1章と3章は、わりと面白く読めたけれど、読み終わっても、結局、狐につままれたよーな気分。
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前作の『もてない男』は言いたいことも不明で(多分著者も考えがまとまってなかったのだと思う)、「モテない男が自分について書いた文章という形の小説」としてしか読めなかった。
ところが、去年出たこの本は趣旨も非常に分かりやすくて、とても面白かったです。立場が似ているのか、僕の言いたいこともほとんど同じです。
「女性にどんなに酷い目に遭っても、俺は女が好きだ」という結論は素晴らしいなと思いました。上野千鶴子批判は、よくぞ書いてくれたという感じ。
「もてない男のために社会を改革しろなどと、私は言ったことがないし言うつもりもない。だが、そういう男女がいるということを、人びとに忘れさせないようにしたい」というスタンスも素晴らしいなぁと思う。
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恋愛は才能である、だから才能の無いヤツは諦めろ。コレはかなり極端な物言いではあるし、外見もダメ、スポーツもダメ、だから学歴に最後の望みを賭けたのにそれもダメで…。(著者は東大卒)と、私憤が多分に含まれているが、それはそれでイイじゃないの。まぁ、もてる男女には不要の書かもしれないですね。もてない男のルサンチマンという切り口で、つまらない男女論に一石を投じたという意味では読むに値すると思いました。それにしても、四民平等などの階層社会の撤廃や男女差別の撤廃によって進められてきた平等主義や、自由恋愛の浸透によって誰でも等しく恋愛できる世の中になってきた事が却って恋愛や結婚において不平等を生み出す結果となったという考察というか分析は面白かったなぁ。正しいか正しくないかは別として、この考え方は新鮮でした。詳しくは読んでみると分かりますが。共感できるか否かが評価の分かれ目でしょうね。
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12/23 一つの固有物を選ぶとき、人は自ずから、他のものを排除している。
もし人をモノ化するのが罪ならば、恋愛や結婚といった形で、一人の他人と排他的に親密な関係を結ぶこと自体が、罪なのである。
これはずっと昔に、お釈迦さまが発見したことだ。(P.73)
私は、人間嫌いの寂しがりや、という世間にままあるタイプで、実にたちが悪い。(P.134)
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[ 内容 ]
ついに、あの男が帰ってきた!
一度は結婚し、裏切り者呼ばわりもされたが、今また、独り身になり、より弱気になって帰ってきた。
二十一世紀を数年経過した現在における「もてない男」、とくに今度は「男のセカンドヴァージン」「三十代美人どもの高飛車ぶり」などの観点から、恋愛、結婚、負け犬、出会い系サイト、女性嫌悪、等々の男女関連諸問題を斬ってゆく。
痛快無比な真剣勝負。
[ 目次 ]
第1章 恋愛は才能である―戦後民主主義の欺瞞
第2章 スポーツマン至上主義の時代
第3章 『もてない男』批判への反駁と弁明
第4章 結婚の愉楽と憂鬱―男のセカンドヴァージン
第5章 犬の腐乱死体は遠吠えもできない―「セックスできない人びと」の問題
第6章 写真つき出会い系の残酷市場原理
第7章 「堅物女」がもてない男を苦しめる
第8章 「女性嫌悪」を超えて―それでも私は女が好きだ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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小谷野氏の代表作「もてない男」の続編。ざっくり言えば女性にもてないことを根源とした恋愛論、女性論であるが、著者の主張には肯首できる部分とそうでない部分があるものの、論旨は明解で面白い。要所要所で著者の実体験を記しており、それらに裏打ちされた主張は単なる言葉の羅列よりも重く感じる。
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「たとえこれ以後私がどれほどもてるようになろうとも、若いころもてなかった、三十まで童貞だったという怨念だけは忘れない。もてない男のために社会を改革しろなどと、私は言ったことがないし言うつもりもない。だが、そういう男女がいるということを、人びとに忘れさせないようにしたい。」
表紙に書いてある、前書きの抜粋である。抜身の刀というか、事故現場というか。
中身は面白いんだけど、本全体のバランスが悪かった。「恋愛は誰にでも可能ではない。それを直視せずに誰でも頑張ればできる、できないならば努力が足りない」はたしかに大きな欺瞞を抱えている。そこを真正面から突いていくのか、それをネタに面白いことを書くのか、スタンスがはっきりしない。
「それでも私は女が好きだ」という結論はいかにも取ってつけたようで、それぐらいならあとがきの永井荷風の雨蕭蕭を持ってくる方が良かった。
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「もてない男」が、この世には厳然と存在するということ、それは決して解決できることではないという事実を受け入れること、あえて綺麗事で逃げ出したく心理を抑えつけて、赤裸々に見つめること。
直感で誰もが感じているが、言葉に出すのがはばかれる常識を論理の積み重ねで辿り着こうとするインテリぶりには隠されたユーモアが漂っていて、いい人なんだなと思う。
前書きに冗談書かないようにすると書いてあるが、結構冗談なんだよね。それがわからないと嫌な奴と思ってしまうんだろうな。
僕自身は3流大出だけど、著者が自分と同じくらいの学歴を女性に求める気持ちは誠実以外の何物でもないし、よくわかる気がする。
自虐と誠実さが同居しているんだよね。
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笑えるという点ではおもしろかったし、いろいろいろんなこと試したんだという点でもおもしろかった。でも、セックス。って、そんなにしたい!したい!いうことなのかなあと思った。もう聞き飽きた男の性欲は女とは違う論がまたしても繰り返されるし、そのへんに爆笑というか失笑というか。。だいたい、セックスは男がしたいからするもんではないと思う。両方がしたいからするというのが理想で、まあ、いにそまなくてもする場合もあるとは思う。ただ、付き合っていても結婚していてもレイプは成立するのだから、好きな女に好かれたところで、いつでも自分のしたいときにしたいセックスができるということにはならない。好きだからとて、相手のしたいようにいつでもセックスさせるような女はあまりいないと思う。彼が条件に挙げていた、高学歴で、源氏物語ぐらいは現代語訳で読んでいて、年齢は35歳以下で、容姿もそこそこっていうのは、かなり難しいと思う。し、もしそんな女子がいたとて、筆者のようなものの考え方をする人を愛するはずもない。どうして、こんな隠すべき自意識の発露みたいな本が新書になっているのかといえば、やっぱり読んで笑うためだとしか思えないんだけど、どうなんだろう。引用されている、谷崎やら、岸本葉子さんやら、漱石やら、独身知識人の関川夏夫さんやらがかわいそうに思えた。
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何だかどうしても、学歴学歴言うのが馴染めない感じがしました。個人の好みだからいいのですが。しかし結婚して離婚してまた結婚したいと思えるなんてチャレンジャーですね(小谷野氏は現在再婚されています)。結婚歴すらない、「真のモテない男」はどんな感じなんでしょう?本田透氏の評論でしょうか。
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面白かったし、「恋愛にも才能が必要」とか何となく納得出来る部分も多かった。この本には、切ない青春時代を送ってきた著者の怨念と哀しみがこもっているような気がする。怨念と悲しみを論理的に分析して、文化人類学と社会学と文学の知識で味付けしてある感じ。でも、読み終わって特に達成感はないな。何かを得たという感じは全くしない。読んでいて面白いから、それはそれで良いんだけれど。