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ある朝アーサー・デントが、我が家を取り壊そうとしているブルドーザーに気付き、工事責任者を問い詰めると、責任者は、ここにバイパスを作る工事の公示はもうずっと前からしてあったんだから、抗議するならもっと前に申し出ればよかったのだという。アーサーが、工事のことなんか知らなかったと抗議すると、責任者は言った。「ですがね、ミスター・デント、計画はもう九か月も前から地元の設計課で閲覧できるようになってたんですよ」
納得がいかず座り込みを続けるアーサーのもとを、友人のフォードが訪ねて「すごく重要な話があるから、いますぐちょっと来てくれ」と言う。それどころではないとアーサーは抵抗するが、フォードは「地球が終わるまであと十二分ほどしかない」と妙なことをいいだして、強引にアーサーを連れて近所のパブに場所を移す。
十数分後、本当に大軍の宇宙船がやってきて、いきなり全世界へ放送をはじめた。『すでにお気づきと思いますが、銀河外縁部開発計画に基づき、この星系を通る超空間高速道路の建造が不可欠となりました。まことに遺憾ながら、地球は取り壊し予定惑星のひとつになっております。工事は地球時間にして二分足らずで完了の予定です。以上です』
地球の要人が抗議をとなえると、彼らは言い返す。『いまごろ大騒ぎしてなんになる。設計図も破壊命令も、最寄りの土木建設課出張所に貼り出してあっただろう。アルファ・ケンタウリの出張所に地球年にして五十年も前から出てたんだから、正式に不服申立をする時間はいくらでもあったはずだ。』――
正直、英国人の皮肉のセンスを舐めてました……! いやはや、ツボにどんぴしゃではまりました。
突拍子もないはちゃめちゃな展開と、ものすごいシュールな設定、くだらないジョークとブラックなユーモア、そして哲学の香りとが、なんとも絶妙な融合を見せています。こういうの大好き!
うつ病のロボットがふてくされて、自分で自分のスイッチを切って眠るシーンがありまして、思わず吹き出してしまって、それからちょっとしんみりしました……。
どうやら続きがあって、三部作になっているそうです。続きもそのうち買おうっと。
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やっぱイギリス人のセンスは面白い。
語る事はたくさんあるけど、もうみんなが語りつくしてる感じはあるかも。
名作。
シリーズ化してるので、残りのも読みたい。
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突拍子もない設定を次々とさらっと描写するのは映画より顕著だったかも。それにあの映画はあれでなかなか頑張ってたんだな、というのが分かった。この空気感(宇宙だから真空か)を映像化するのはなかなか大変だったろうに。皮肉たっぷりのイギリス娯楽SFで、脳天気に楽しめるのに人生の深淵も覗ける。ちょっと訳に食い足りない所もあったけど、これまた同好会の匂いがするところも含めて好感。しかしそんな終わり方とは…次作「宇宙の果てのレストラン」に続く!
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内容がぶっ飛んでて面白かった。話脱線しまくり、皮肉っぽい喩えがたくさん。
書いた人も凄いけど、訳した人もすごい。
◆ メモ
この惑星《地球》に住むサルの子孫はあきれるほど遅れていて、いまだにデジタル時計をいかした発明だと思っているほどだ。(P5)
ミスター・L・プロッサーは、言うところのごくふつうの人類だった。言い換えれば、炭素型二足歩行生物でサルの子孫だった。(P11)
「ひとつ興味深い説があります。お気づきでしょうか、人生はたいてい電話番号に支配されているんですよ」(P139)
――惑星・地球に生息する生物のうち、人間の知能の高さは三番めでしかないという事実が広く認識されていれば。《ちなみに1番:ねずみ、2番:イルカ》(P185)
生命、宇宙、その他もろもろの答えは四十二。(P242抄)
――ほんとうはなにが起きているのかがわかる可能性は、もうお話にならないほど小さいものだ。とすれば、意味なんぞ考えるのはやめにして、その時間をほかのことに使えと言うしかなかろう。(スラーティバートファースト)(P257)
――たしかに科学はすばらしい成果をあげてきた。それはそうだが、わたしはやっぱり、正しさより楽しさを追及するほうがずっと良いと思う。(スラーティバートファースト)(P258)
主要な銀河の歴史には例外なく、それぞれ明確に異なる三つの段階が認められるようである。すなわち、生存、疑問、洗練、の三段階であるが、これはまた、いかに、なぜ、どこの段階とも呼ばれている。(銀河ヒッチハイクガイド)(P288)
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バカバカしくて笑っちゃうんだけど、でもなんかハッとさせられる。
究極の問いの答えが。。ずっこけました!
面白かったです!
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『タイタンの妖女』をもっと悪趣味で馬鹿馬鹿しくした感じ。どうしてこうなった?と思ったら、後書きでジョン・クリーズの影響があったのを知って、全てに納得しました。
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映画を見れなかったので、原作を買ってよんでしまいましたが、言葉の使い方、まだるっこしい言い回し、大好きです:)
その後、DVDで映画も見たのですが、原作と比べるとなお楽しいかも。
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イギリスが誇るSFの名作。
コメディタッチの読みやすさとハチャメチャな展開。奇想天外なアイデア・・・とまあ宣伝文句は大層で、実際読んでみてもそのすべての要素が盛り込まれていることは確か。
(道路工事で立ち退きを迫られる主人公宅と、宇宙間バイパス工事のために破壊される地球という対比の箇所とかはかなり笑えた。)
でも、そのどれもズバ抜けている印象は受けなかった。
もちろん全体としてはそこそこ面白かったし、非常に笑いを誘う個所もあった。
でも、数少ないSF経験からいくと、ラファティ作品のほうが遥かにその3つの要素を高いレベルで誇っているように感じた。
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アーサー・デント、フォード・プリーフェクト。宇宙でのヒッチハイクが容赦なくスタート。
「生命の、宇宙の、その他もろもろの答え」がものすごく無造作に書いてある。頭が二つある大統領とか、落ち込みっぱなしのロボットとか、設定も登場人物もユニーク。なかなか面白かった。
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くだらない。一言で言ってしまえばくだらない。けどそこが好き。
今回読んだのは安原 和見訳だが、家に風見潤訳もあったので気が向いたらそちらも読んでみようと思う。今まで魚をありがとう。
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シリーズ全5巻。どたばたコメディSF。
この「銀河ヒッチハイク・ガイド」が1巻で、以下「宇宙の果てのレストラン」「宇宙クリケット大戦争」「さようなら、今まで魚をありがとう」「ほとんど無害」っと続きます。
お話もいろんな設定も続いてるので読むなら順番に読んだ方がよさそう。
で。
ジャンルとしては上に書いた通り馬鹿馬鹿しくもエキサイティングな「どたばたコメディSF」なんですが。
1冊目のこれはまさに自由奔放なアイディア・素敵にナンセンスなジョーク・ぴりっと利いた皮肉がこれでもかって盛り込まれてて楽しいんですが。
そんな楽天的な空気が進むにつれてちょっと雲行きが怪しくなってきて、3冊目あたりから読後にすっきりしない感覚が残り、4冊目は何故かSFから離れてラブロマンスを始めて、5冊目は楽しさはすっかり飛んでいって最後はとことん救いようのないバッドエンド……っていろんな意味で尻すぼみ!
「シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作」なんて売り文句に惹かれてまとめ買いした身としてはほんとにがっかりしょんぼりです。
1冊目から順に星を付けるなら4・4・3・2・1ってとこでした。シリーズものはまとめて1巻だけレビューすることにしているので間を取って星ふたつ。
バッドエンドが許せる人は参考にしないでね。
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話しとしては面白くて一気に読めました。
斬新な考えがなるほどと妙に納得。
ただ、理解できないだけかナゾなままな点がいくつかあってちょっとすっきりしませんでした。
次の巻を読んだらすっきりするかも?
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笑った、笑った。いきなりの地球消滅に始まるナンセンスな展開の連続にニヤニヤしっぱなし。かの有名な42の元ネタだったんですねw。
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よく考えると、なんでやねん!って突っ込み入れたくなる。(笑)
スピード感溢れる文章で何がどうなって現状こうなっているのか
わからなくなる。それがまた中毒的な良さに感じる。
『銀河ヒッチハイクガイド』が欲しい。
手触りのいいタオルも忘れずにね。
すべてがブリティッシュジョーク!
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朝起きたら、高速道路の工事の為に家が壊されようとしている。工事責任者が言うには、もう随分前から、役所の地下に公示してあったという。
それとほぼ同時刻、銀河間のバイパス工事の為に、地球が撤去されようとしていて、撤去されて、そのまま地球が滅んだので宇宙をヒッチハイクしていくという話。
ブリティッシュジョークが効いていて、面白い。