紙の本
斬新な感じ。
2010/08/22 08:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
桜庭一樹さんの書籍はこれが二つ目。前に読んだ書籍は、興味がない世界が中心だったし、舞台も設定も自分好みではなかったけれども最終的には読み応えがあったなという感じだった。今回はどんな流れなのだろうと読み始めてすぐ、中世ドイツの魔女狩りの話か、と思ってわくわくした。特別、魔女狩り関係の話が好きなわけでもないけれど、ストーリーの展開がページを捲る指を駆り立てる。むしろ、このマリーと言う少女を主人公にして一作書いてほしいくらいだ。
魔女狩りが始まってしまったときの焦燥感や絶望感、マリーの身に降り掛かる出来事に息を呑む。そこで救世主のように登場した少女が日本人の高校生で、一体どんなジャンルに属する小説なんだろう?と小首を傾げる。そして、その先の展開が気になってしかたがなくなった。すると、第二部になったので本書がマリーの話だけで成っているわけではないということに気づいた。
第二部は、未来のシンガポールが舞台。西暦もマリーの時代とは全然違うし、どんな流れになるんだろうと不思議に思っていた。本書を読み進めていくと、物語の節目節目で数行の誰かの対話だけといったページもあるので、誰かがブルースカイを探しているというようなイメージは湧く。だけどなかなかその詳細はつかめない。シンガポールでのストーリーが終わると、今度は青井ソラという日本人の女子高生の話になる。
鹿児島出身の青井ソラは、どうやら数日後に亡くなったらしいという情報はその子の章になってすぐに分かる。その数日間の出来事を振り返るような最後の章は、自分のその時代を思い出したりしつつ楽しく読めた。言葉遣いや考えていた事、ものすごくリアルに描かれているので桜庭さんの技量に拍手です。正に、“いまどき”の子。なんだか切ない終わりだったけれども、本書は私にしてはあまり時間をかけずに読みきったので驚きでした。次はどの作品に触れようか、楽しみが一つ増えました。
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「ゴシック」のような、いかにもな萌え女の子キャラを配置したキャラクタ小説を書いてきた著者が、少女論、青年論を真っ向問いかけてくる第二章がとても皮肉で、そういう意味でとても面白い小説だと思う。
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錬金術という言葉に惹かれて読んでみたのだが、それ以上の作品だと思った。
全てがつながった瞬間の開放は気持ちいいと感じた。
ただ物語が進むに連れて内容が薄くなっていった気がする。
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一章の「予感」に満ちた感じや、各章の物語はそれぞれ好きだけれど、章の関連や全体としてのまとまりが物足りない気がする。残念。
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西暦1627年、ドイツ―魔女狩りの苛烈な嵐が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは“アンチ・キリスト”に出会った…。(粗筋より)
そういう話だと思って読んでいたら大間違い。転調が唐突で呆気に取られた。じっくり読んでいかないと「???」で終わりそうな…とにかく、第一部が他二部を圧迫しすぎていて勿体無い。第一部の謎が中途半端なのも勿体無い。それでも、ラスト。目に染みるブルースカイが、なんとも言えない読後感。自分は、すきでした。
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第1部の魔女狩りの部分が良かっただけにだんだん失速していくのは残念でした。
携帯やせかいのつながりに関して面白かったですけどね。
さよなら、せかい。
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西暦1627年、ドイツ−−−魔女狩りの苛烈な風が吹き荒れるレンスの町で、10歳の少女マリーは〈アンチ・キリスト〉に出会った……。
西暦2022年、シンガポール−−−3Dアーティストの青年ディッキーは、ゴシックワールドの昏い眠りの中、絶滅したはずの“少女”というクリーチャーに出会う……。
そして、西暦2007年4月の日本。死にたくなるほどにきれいな空の下で……。
3つの箱庭と3つの青空、そして少女についての物語。
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この作家は初めて手を出してみたんだけど…うーん。ライトノベル出身だな、と。別にライトノベルがいけないわけではなく、あたしが考えていた内容とギャップがありすぎて戸惑っただけ。「アンチキリスト」なんてことばを使ってあると、その、持つ意味を推し量ってしまうじゃない。そんな必要ないなんて気づかないじゃない。伏線が甘い。不服。
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魔女狩りとかゴシックワールドとか少女とかいう単語に惹かれて買った。
自分的には好きなんだけど、なんとなく全体的にちょっと惜しい。
上下2冊に分けてもう少し掘り下げて欲しかったかも。
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「少女」という人間が生まれる前と、絶滅した後の時代ということなんでしょうか。少女という概念と、「せかい」の概念。アンチ・キリスト。ブルースカイ。考えたけど、もう一歩でかっちりハマりそうな気がするのに少しずつバラけていて、すっきりしないような。
鹿児島を選んだのは見事。魔女狩りのうろつく中世ドイツ、軍に閉鎖された未来のシンガポールと並んで、そして現在のあの街は、いつ噴火するとも知れない大きな山に見張られ続けている(方言は中途半端だったようだけど)。
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初桜庭一樹。今回直木賞受賞してましたよねぇ〜何か芥川賞取った方ばっかメディアでは取り上げられてたけど。。
今回は3つの箱庭に突如現れる少女にまつわるお話(これ以上細かく書くとネタばれになりますから。。)
話の展開はよくわかんない部分もあるけど、一つ一つの話の描写はとてもよかったです。
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ページ数足りないでしょこれ!
もっと深めようよ広げようよ!設定がもったいない!
ただ作者が書きたい設定を書いてむりやり3章の設定でつなげようとした印象も…
一章が好き。
桜庭せんせいの文章は本当に好きです。
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マリーが可愛いですが、個人的には一冊全部、マリーとアンチキリストのお話でも良かったのではと思ってしまいます…。マリー可愛くて…!
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初めて読んだ桜庭一樹
初めて読んで大好きになった桜庭一樹
全部読んで「あぁ、ブルースカイってそういうことか」ってなった
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中世ドイツ、近未来シンガポール、そして現代の日本が舞台。個人的にはシンガポールの話に興味を惹かれました。その世界での少女と青年についてとか。物語の視点となるディッキーの考え方、感じ方とか。
「ブルースカイ」と黒衣の老人たちの攻防?や関係などについてもう少し詳しく書いてあればもっと面白くなっていたのかもしれないです。でも、あえて謎のままというのも読後感がさらりとしていて良いような気もします。まあ、楽しく読めました。