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この作者の本はどれも発想や着眼点がいいものばかりなのですが、どうも読みおわった後に、それでよかったのかなって思っちゃいます(^^;
荒れ狂う海で遭難した6人のダイバーは、お互いの身体をつかんで、ひとつの輪になって救助を待つうちに、お互いに信頼で結ばれていきました。しかし、その6人のうち美月が、ダイビングの後の打ち上げの夜に、青酸カリを飲んで自殺。その死の意味をもう一度見つめ直すために、再び集まった5人の仲間は、一枚の写真に不審を覚えます。
なぜ、どのように自殺をしたのか?
その議論が延々と続くのは、安楽椅子探偵の集合版のようで、それはそれで楽しいような気もするけど(数学の証明を解いている様な錯覚になりました)、なんだか現実味がない感じでした。議論のために議論をしている感じで・・・
・・で、読み終えた最後に、なんで自殺したんだっけ?って思っちゃう自分がいました。ああ、全く分からないままになちゃった(^^;
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ダイビングのアクシデントから生還を果たした。
その強い絆で結ばれた6人の男女。
仲間で集まった夜、1人が突然の自殺を遂げる。
しかしどこかがおかしい。何かが気にかかる。
彼女はどうして、どのようにして死んでいったのか。
キーワードは信頼。
「走れメロス」になぞらえて彼らはその謎を検証していく。
…自分達の絆を確かめるために。
「扉は閉ざされたまま」もそうなんですけど、この人の書く話は淡々とした会話で進んでいくんですね。
1歩間違えるとくどくなってしまうような描写なんかが少ない。
ミスディレクションやポイントとなるキーワードも割とあからさまに明示してあるし。
だから読みやすい。
実際読み始めてから読み終えるまで1時間半しかかかりませんでした。
読みやすいけど、それは「面白い」とはまた別の話。
毎回動機は一般的な目線で見て納得しづらいし、必要以上に登場人物達が自分達の信頼関係を誇示するせいで段々ウンザリしてきます。
なんというか作者も作中人物も「人間の死」を扱いながらも綺麗に美談でまとめよう、と必死になってるイメージが。
ちなみにこんな信頼や友情、私は嫌だ(苦笑)。
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『扉は閉ざされたまま』に劣らない良質のフー&ホワイダニット。ある謎に対して延々と推理を続けるため、派手さはまったくないものの、この完成度はかなりのものではないですか。当初、短編向きのネタかなと思わされましたが、なるほどこの一見堂々巡りに見える推理の展開にこういうオチがつくとは!
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毎回面白い趣向で楽しませてくれる。最後の推理はちょっと強引だけど、まぁまぁ。普通なら気に入らないはずの結末も、なんだか納得できるから不思議。
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長編本格推理小説と言う事で読みました。
が、登場人物たちがなんでそんなに細かい事にこだわるのかが理解できずイライラ。
それでも序盤の引き込みと最後の展開は悪くなかったので
中盤のダラダラというか、同じ事のくり返しというかそれがなければな〜と。
こだわる事の理由として海での出来事を何度も繰り返してますがそれ自体がうっとおしい印象も。
それだけ繰り返されても、自分にそういう体験がないので共感も出来ず。う〜んって感じで。
薄くてすぐに読めるので初心者向けかな。
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動機が意味不明。
何人かが寄ってたかってしゃべる、しゃべる、しゃべる。
オチはいつだってヒューマニズムに感動狙い。でもはずす。
単調すぎて読みにくいなんて思わないよ。
ろくに読む必要がないので、ほとんど読まずにめくる、めくる。
ほななんで読むねんッ!!(笑)(笑)
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またまた石持さんの作品です。
今回は、推理小説でありながら、殺人ではなく自殺の真相を探っていくという展開。
かの有名な「走れメロス」になぞらえた展開、常軌を逸するような心情と裏打ちされる真実。
石持さんが描き出す「人間」は、言葉によらない交流・アイコンタクトによる意志の疎通、あるいは心情の推察が重視されていて、それが小説世界にものすごいリアリティを生んでいる気がします。
この本は特にそれがよくわかる作品です。
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仲間の死の状況について部屋で延々と議論していくお話。
強いきずなで結ばれた仲間達は、はたして彼女を信じきることができるのか?
テーマがテーマだから仕方ないけれど、
ほとんど部屋から動いていないのでちょっと息が詰まった。
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ほんの小さな疑問から、よくもここまで話を膨らませたなぁと思った。議論を徹底的に行っていく展開は、いつもの石持浅海っぽく、ディスカッションの過程は面白い。
ただ、いつもの作品よりも「ふーん」という印象なのはなぜだろう。
ディスカッションが面白いのはいつもどおりなんだけど、結論が少し弱いか。
「お互いに全幅の信頼を置いている」という設定が元になったディスカッションが面白いのに、それがちゃんと効いてないのかなぁ。
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評価は低いみたいやけど(石持氏の作品は全体的に評価が分かれやすい気がする)、わりと面白く読めました。映画の「キサラギ」をシリアスにした(笑いを抜いた)感じと言えばいいかな。かの有名なメロスにかけて話をまとめてるけど、個人的にはそこが気に入った。終わり方もアリかな。
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荒れ狂う海で遭難した六人は、かけがえのない仲間になった。
しかし仲間の突然の自殺。
その死の意味をもう一度見つめ直す為に再び集まった5人。
彼女は本当に自殺したのか?それとも・・・?
ディスカッション形式で物語りは進んでいくんだけど
話は視点を変えながらも空回りを繰り返す。
最初の段階で、この人が怪しいと思ったけれど
理由が知りたくて最後まで読んだって感じ。
走れメロスの登場人物は、セリヌンティウスだけではないってことよね。
そして結末にも驚いた・・・
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全ての事象を疑うのがミステリの定石。しかしこの作品では仲間を信じたいが為に事象を疑っていく、その展開が石持作品らしいですね。ほとんど1冊丸ごとディスカッションのみという構成は嫌いじゃないです。事実がどうであるかよりも、自分たちが納得出来るかどうかがポイントとなっている為、本来ならば気にしなくてもいいような些細な違和感をことさら大袈裟に語るのもこの手の作品ならではであり、石持作品ならではでしょう。またある部分に対して美化されるのも石持作品ならではかな。
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ワンシチュエーションの作品を書かせたら、やっぱり、天下一品なのかも・・・
本格推理小説と言われても、この人の作品には警察は一切出てきません。
今回は意外な人が探偵役で、ちょっと「やられた」感がありました。
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登場人物が抱いたように、
「そんなに深く考える必要あるのかな」
これに尽きます。
たどり着いた結論はなんだか違和感があるし、そもそもこんな友情、気持ち悪くていやだと思ってしまいました。
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話の構成としては面白いんだと思うんだけど、先が読める。そして論理に納得できない。それ以外にないだろう、なんて言われてもあるだろ!って突っ込んでしまう。信じることがただひとつのルールと言うけれど、本当に信じていたのかしらなんて思ってしまう。舟になった経験がないので分らないだけかもしれないけれど、そこまで信じるのは逆にどうなのかとも思う。まぁラストはそうなるんだろうなぁと思った。
2009/1/30