投稿元:
レビューを見る
幻獣が微笑み、人外が嗤う。ページを開けば異形博物館の開館時間…。伝説の珍獣をめぐる皮肉な物語「一角獣の泉」や、代表作「めぐりあい」など、一癖もふた癖もある異色中の異色作家、スタージョンの傑作10篇を収録。
投稿元:
レビューを見る
ツボをゴンゴン押される心地よさ!魅力的な短編集。どれか一つをピック・アップするのは難しいですが、インパクトで選ぶなら私的には『熊人形』。この異色作家シリーズは装丁も凝っているので、手元にあるだけでウキウキします。
投稿元:
レビューを見る
短篇集。10篇収録。
『今日の早川さん』等を読むと、スタージョンはなかなか入手できない作家だったようで、その点、今はシアワセだなあ。
どの作品もそれぞれに面白くて、スタージョンの世界を満喫できる。
「ビアンカの手」、「孤独の円盤」、「めぐりあい」は、他の短篇集にも収められているが、小笠原訳の「ビアンカ」の方が、“手”のなまめかしさが際立って感じられる気がする。「孤独の円盤」のラストのセリフは、白石朗訳の方が好き。やっぱり訳者によって微妙に作品の雰囲気というのは変わってくるんだろう。読者としては訳者を指定できない以上、どうか原作の雰囲気がそのまま味わえますように、翻訳家の皆様よろしくお願いしますと祈るばかりだ。
美しい寓話のような「一角獣の泉」、およそ題名が不似合いな「ふわふわちゃん」、「反対側のセックス」は探偵小説のような始まり方で、シシジイで、最後はラブで。女に扇風機を投げつけられて、そのお返しに女を扇風機に投げつけた、なんて、ケリーのユーモア譚で終わるのかと思ったらとんでもなかった「考え方」もよかった。
――E Pluribus Unicorn by Theodore Sturgeon
投稿元:
レビューを見る
ずっと読みたかった…最高です、スタージョン!以前読んだことがあるものも割りと含まれてたけど、再度読んでみると当時とはまた違う感覚が湧いてきたりして、「再読」の良さを初めて感じてみたり。全てのお話大好きだけど、特に「ふわふわちゃん」が好きだねぇ(‐v‐)「真実は何度語っても真実に変わりはないけど、何度も言うと陳腐に聞こえる(だったっけ?)」はかなり名言です。
投稿元:
レビューを見る
久々の当たり本。訳者いい仕事した。
「死ね、名演奏家、死ね」「ふわふわちゃん」タイトル秀逸。
名演奏家何したんだよ・・・
投稿元:
レビューを見る
短編集として評価が高いので読んでみたのですが
なるほど納得と唸らされる実にすばらしい本でした。
10篇の作品どれもが独特でしかも非常に質が高く
狂気と理性の織り込み方や文章の説得力が強力なので
おそらくSFやミステリ好きな方ならば
かなりの割合で満足できる内容なのではないでしょうか。
個人的には孤独の円盤が最も好みでした。
投稿元:
レビューを見る
何かわけがわからないけど、わかる。一度読み始めるとページを捲らずには居られなくなる、そんな短編集。
「孤独の円盤」は読んで泣きました。
投稿元:
レビューを見る
まさにすごいの一言に尽きる作品。
どの作品を読んでもはずれのない作品たち。
どれもお勧め、といいたいですが
私は短いながらもひとつの映画を見たようなごとくの
感動を得ることのできる「孤独の円盤」をお勧めしましょう。
もうひとつはミステリー要素の強い
「死ね、名演奏家、死ね」ですね。
これは追い詰められていく描写が非常に強烈です。
彼のSF、読んでみたいです。
無論現在入手困難なサンリオSFで!!
投稿元:
レビューを見る
…怖かった
「熊人形」とか「ふわふわちゃん」とか
「監房ともだち」とか「死ね、名演奏家、死ね」とか
全て少し怖くて独特で印象に残る話しばかりでした。
何だろうこの後味。
なんかもう最後の「考え方」って話が怖くて…
夜中に読むんじゃなかった!!と思いました。
投稿元:
レビューを見る
独特で一方通行的なストーリーが恐怖感を募り、時に突き刺さり、時に纏わり付き、時に目の前で溶解するようで不思議。
ストーリーが一方通行的と言うのは悪い意味ではなく、全体に漂う怖さが、なんだかこちらの言葉や意志が通じない時の怖さに似てる感じがしたから。
読んでいる側から怖い時もあれば、後から思い返して怖い時も。
分かりづらい例えだけれど、SFC『弟切草』や荒木飛呂彦氏の短編『バージニアによろしく』に登場する狂った船長のような怖さ。
うん。分かりづらいね。
どの話も風変わりで怖いけれど、ボクの一番は『ビアンカの手』かな。不思議なのは『熊人形』、気持ち悪いのは『監房ともだち』。やるせないのは『死ね,名演奏家,死ね』。
『死ね…』は原題通り“!”を付けて欲しかった。『死ね,名演奏家,死ね!』こっちの方がフルークの葛藤に対してしっくりこないかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
10編の短編小説が入っている。概して後味のいい作品ではないが、読ませるサスペンスはある。ファンタジー、犯罪小説など。「孤独の円盤」はまあ、好きな方だ。「死ね、名演奏家、死ね」は好きではないが、読ませる。「考え方」はブードゥー教の呪い人形をやっつけるために、呪いをかけた人間の方を殺す話だが、なんだか矛盾を感じてしまった。
投稿元:
レビューを見る
スタージョンの本はかなり読んだが本書はなんとなく読む気になれなかった。値段が圧倒的に高いし・・・。結局図書館で借りた。
「死ね、名演奏家、死ね」は『輝く断片』に改題して収録された「マエストロを殺せ」より分かりやすくなっている。一人称もおいらから俺なので親しみやすい。
考え方は本書で最も優れていると思われる本。ただし考え方がかなり異質でしっくりこない。
スタージョンは孤独で変質的な人間の話を書かせたら天下一品だが、愛をテーマにして人間が結ばれ救われる展開の話はあまり好きじゃない。本書収録だと反対側のセックスがそれ。もしホラーテイストの作品がもっと読みたかったら「輝く断片」というのが文庫で出ていて傑作揃いなのでお勧め。「時間のかかる彫刻」も面白い。
投稿元:
レビューを見る
不思議のひと触れより全然おいしいアンソロジーだった ^^
1.「一角獣の泉」
我が身大事のこの地主の娘ってどうよ・・・
2.「熊人形」
テディベアでしょ?ぬいぐるみでしょ?”熊人形”って・・・”菊人形”とか北海道土産の木彫りを想像しちゃうじゃない・・・でも確かに”熊人形”でした ^^;
熊人形に寄生された少年が自分未来を幻視して。
占い師って、自分の未来を見ないそうですが・・・・・納得。
3.「ビアンカの手」
白痴で醜いビアンカの美しい手に惚れ込んだ男は・・・
フェチ王道過ぎ。でも、本当にビアンカって白痴だったのかなあ。
4.「孤独の円盤」
”どうせみんな私のいうことなんてちゃんと聞いてくれない”・・・設定は嫌いじゃないんだけど、今更な感じ。
私ってもう若くないなあ。
5.「めぐりあい」
といえばモーパッサンが連想されちゃうのに、直訳でもないのにこのタイトルはなー。”syzygy”ってスクラブルで高得点の単語、ってどこかで読んだ記憶が。和訳は連接で寄生虫の増殖法みたいです・・・
6.「ふわふわちゃん」
このタイトルはダサッと思いましたが、内容はフワつかない。直接相手を襲わずに絡め手でくる猫ってどうよ ^^;
7.「反対側のセックス」
これもsyzygyもの。こちらのほうが5.よりキラキラしていて、概念をイメージしやすい。
8.「死ね、名演奏家、死ね」
偏執気質の主人公がいいわー。
このタイトル、「この子の七つのお祝いに」のクライマックスを思い出す・・・ ><。。
突然のミステリ仕立てでびっくり。
9.「監房ともだち」
牢屋で同室になったクローリーの胸元には・・・
これ、マッカラーズの「心は孤独な狩人」 のコンビを思い出す。妙に粘着質でいいわあ。
10.「考え方」
これは面白かった!
女に扇風機を投げられて、女を扇風機に投げ返す、ってのがこの話で一番派手なトピックでしょうが、
面白いのはそこじゃないんだなあ。
病人のハルは直接出てこず、兄ケリーとミルトン医師とその友人で話は動くんですが、妙に三者の絡みが艶っぽい気がするのは気のせいでしょうか・・・
-あんたはしょうがない人だ、とケリーは言った。昔からロクでもない奴だった、ケリーにそう言われると、私は俄然嬉しくなるのだった。
投稿元:
レビューを見る
この異色作家短篇集はどれも厭ミスとして面白いが、本書は作者得意の新人類物が中心。
有名な「死ね、名演奏家、死ね」も良いが、「孤独の円盤」が方が好み。
投稿元:
レビューを見る
これまた名短編集。どれも着想がすばらしく光っているし、すばらしくひねくれていて、まさに理想的な短編作家。テーマが多彩で、どのジャンルの要素も併せ持っているまさに「異色作家」。グロテスクでシニカルなその視点は、しかし暗くなり過ぎないというか、原因とか結果がはっきり明示されるから割と読みやすい。熊人形、ふわふわちゃん、監獄〜はいわゆるショートショート的だけどもそれだけで収まらないし、ビアンカの手の発想ったらない。しかし孤独の円盤、反対側〜、死ね〜、考え方は絶対他の作家には書けない魅力があった。