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自らの豊かさに後ろめたさを感じ、理想や夢に敗れ、鬱屈の中で麻薬、娼婦にのめり込み、「一緒に死んでくれ」と愛人たちにささやきつづけついに少女と心中を果たす…主人公ルドルフは太宰治を彷彿とさせる人物。その母で世紀の美女、エリザベートもまた、明らかに摂食障害であり、宮廷に馴染めず、居場所を求めてさまよい続ける。「我々はfamilyではない、firmなのだ」と語ったのは、どこの王だったか。あまりにも非人間的な華麗なる一族の、決して幸福ではない人生。この本は、有名な皇太子の心中事件だけでなく、個を殺し、当たり前の幸せを放棄し、ハプスブルクという家をただ守り、次代へと継続させるために、犠牲になった人たちの物語だ。
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ハプスブルクのルドルフ皇太子に焦点を当てた歴史物語。
ルドルフ皇太子を中心に話が進むと思いきや、エリザベートやフランツ・ヨーゼフ、皇位継承予定者のフェルディナント大公も軸となって出てきます。
宮廷周辺の動静も描かれていて面白いと言えば面白いのですが、本書の主人公は誰なのかと思うと、ちょっとねー
内容的には、☆3つ。
気になったのは、作者の文体と誤記。
作者の主観でもって描かれるのはひとつの味わいとなりますが、どうも気にくわない人物のおとしめ方がひどいように見えます。
自分の文章に酔っているようにも見受けられ、表現の振り幅も大きくなってしまっているようです。淡々と事実を語ればいいところを、荘厳に歌い上げちゃう、でも歌はさほどうまくはないって感じ。
中心となる人物がちょいちょい変わるせいか、人物の称号も短い頁の間で落ち着かない印象がありました。
皇后なのか、大公妃なのか。帝国宰相なのか、首相なのか。公爵なのか、大公なのか。
フランツ・フェルディナント大公をFFと略すのですが、同じ頁で略とそうではない部分がありました。というか、FFなどといった略記を利用する感覚が好きではありません。
作者のセンスも古いのか悪いのか、「歴史あるある」が成立していない気がしました。
緊急時の電報のやりとりを、今なら携帯電話でやっていることと「解説」する…と、本人は親切なつもりなのかも知れませんが、余計なお世話に感じる部分もちょいちょいありました。
雑誌連載を繋げたの?と思うほど、人物を紹介する箇所が重複しているように感じました。マイヤーリンクで自殺したルドルフ皇太子の母エリザベート、みたいな。
文字数を稼ぎたいのかと思うほど。
大事な場面で人物を取り違えていたり、年数を間違えることもしばしば。ひどいです。
エリザベートの暗殺が1998年とかさ。何回か出てきます、こんなのが。
なので、評価は☆2で。
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世界史で、さらっと。
エリザベート気になって、さらっと。
しかやってなかったけど、
でももんのすごい大事件だったんだなぁ。
事実は小説より奇なり。
ハプスブルグは面白い。
ミッツィ・カスパールは絶対もっと重要な人物な筈なのに、割愛されすぎだったので残念。
本としては、ちょっと後半わけわからなくなってるというかまとまってない気がしたけど
知的好奇心は満足させられました。
初めて課題以外でドイツ語学科らしい本読んだ。笑
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ハプスブルク家のルドルフとマリー・ヴェツェラの愛を描いた舞台「ルドルフ・ザ・ラスト・キス」の観劇がきっかけで読みました。脚本と真実は程遠く、「読まなきゃよかった」と後悔した時もありましたが、脚本は脚本、真実は真実。読んで(真実を知って)よかったです。
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ハプスブルク王朝の終焉に至る、皇太子ルードルフと少女マリーの心中事件の真相に始まり、フェルディナント夫婦暗殺のサラエボの事件まで。
エリーザベト皇后暗殺事件など、盛りだくさんの一冊でした。西洋史面白いわー。
文章も読みやすく、画像も多く、とても楽しめた一冊です。
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ウィーンの森に行くので予備知識としての読みです。
うたかた「泡沫」と書き、はかなく消えてしまった、皇太子ルードルフと少女マリーの恋を指すのでしょうか!?
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有名過ぎる話で、今更だけど改めて読んだ。
当時のオーストリア王室の状況もわからなくもないが、ルドルフ皇太子がかわいそう過ぎる。亡くなった時の王室の対応も酷過ぎる。
フランツ・ヨーゼフとの確執もこれほどだったのか?とも思う。
栄華を誇ったハプスブルクの最期。
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宝塚歌劇花組公演『うたかたの恋』の予習用に購入。原作は絶版になっており、読めず残念…
ハプスブルク家、エリザベート関連の本との重複が多く、ルドルフとマリーを主役にと書いてあるものの、実際はそうでもない。
後半にはルドルフが死んだ後、皇位を継承したフランツ・フェルディナントのエピソードも多い。
〝真実〟とあるが、小説はノンフィクションではないし、読み解いてみたところで陰謀説でもなければ他殺でもなく、心中には違いなかったわけで。
意地悪なタイトルだなぁ、と思った…