紙の本
少し前の少し暗い時代
2017/01/27 12:35
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投稿者:くまぜみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
を疑似体験できたかな、こういうのもサスペンスにはいるのかは疑問ですが。小説としてはGoodです。
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70年代末のミステリ短編集。表題作のほか『桔梗の宿』も素晴らしい。分析的というより耽美でロマンチックな印象をもった。犯行の根元にある愛憎の描き方が巧いと思った。
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帰宅時に車中で読み始め、2駅乗り過ごさせた魔性の本です(笑)一見「男女の愛」を取り扱った恋愛ものの短編集に見えますが、実際は「ひと」と「ひと」との間に流れる、様々に複雑な情動を描いた作品であり、一級品のミステリでもあります。ほろ苦いもやもやを抱えた読了感を楽しめる方向き、という点でオトナ向きの一冊ですね。
〜お薦めお返事〜
お薦め有り難うございます!レビューを読んで、これは買わなくちゃ!と思いました。あらすじだけ読むと、随分色っぽいイメージを作品に持ちましたし、何よりどのレビューもお薦めとあって、凄く興味が湧きました。二駅乗り過ごさせた魔性の本、私も存分に楽しもうと思います!お薦め有り難うございました!>たもつ
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…私は後になって、菖蒲心中の現場となった千代ヶ浦を訪れ、苑田が依田朱子と死んだ本当の理由を知ってしまった。ために私は公表を控えた。「蘇生」五十六首の歌の裏には、誰も知らない−知られてはならない意外な事実が隠されていたのである。…
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なんとも綺麗なミステリ。
かなり文学的ですね。
詩情あふれる感じというか、雰囲気とかが和風な香りです。
短編集ですが、どれもレベルは高めです。
特に表題作が印象的。
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8/13 将ちゃんに借りた。すごく将ちゃんぽい(笑)そして男の人っぽい暗さに満ちあふれていて。。。なんつーかおもしろかった。自分じゃ選ばないような本を借りるというのは幸せだわ。
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ミステリと呼ぶにはあまりに叙情的。
「実はこういうことでした~」というラスト謎解きのくだりが、少しわざとらしい感じをもったが、それを含めても充分魅力的。
賞をとるだけのことはあるなァ。と、ぽかんとあほのように思いました。
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抒情的な文章に引き込まれてしまうけど、各編のトリックがすごい。
やはり「桔梗の宿」は切ない。自覚のない語り手がなおさら。
他者をも巻き込む、偽りの自意識。
それに生命まで賭してしまう某作の絶望感にも圧倒される。
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流麗な文体で描かれる、最高品質のミステリー小説。
ハラハラドキドキはないけれど、心地よい余韻に浸れる短編五作が収録されています。
まあお勧めですね。
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明治から昭和初期を舞台にした、恋愛推理小説集。
「藤の香」「桔梗の宿」「桐の棺」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5編収録。
表題作は日本推理作家協会賞受賞作品。
とにかく有名な短編集で、気になっていた作品。ようやく読みました。
そして様々なベストに挙げられている理由がよくわかりました。
綴られている日本語の美しさにまず感動しました。
それが時代設定とぴったりマッチしていて、なんともいえない叙情性を醸し出しているのです。
泡坂さんの『蔭桔梗』を少し思い出しました。
そしてどの作品も切なく、またラストで見事な意外性をみせてくれました。
これがとても自然なんです。妙に技巧、技巧していないのに、ガラリと世界が反転するのです。
とにかく凄かった。
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流麗な文章で純文学の雰囲気を醸し出しています。
各編人々の切ない愛を描いており情緒にあふれていますが、ラストに明かされる真相は驚きで、巧妙なミステリーだとも思います。
やはり表題作でもある「戻り川心中」の逆転する展開はおもしろいです。
「桐の棺」が一番好きでした。トリックにも驚きましたが、切なく悲しい叙情的なストーリーが素晴らしいです
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個人的に短編は好まないのだが、本作品は非常に良かった。それぞれの短編に連続性はないが、花が共通する。情景描写が常に暗い時代設定の中で非常に鮮やかな色がそれぞれの作品の中核を成し、読みすすめる内にどんどん惹きこまれうっとりする。それぞれの作品の読後感も良い。恋愛と推理トリックがある為、カテゴリとしてエンタメとしたが、文学性も多少あり。さくっと読めるのでお薦め。
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一昔前の設定の話しばかりなので、個人的に大好きです。
最後に、ああ、なるほどな・・・。と関心というか納得させられてしまいます。
さらっとしていて読みやすいし、短編物ばかりなので
一話はすぐに読めちゃうため、本が得意でない人にもおススメ。
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解説にあった流麗な文章という言葉がぴったりだった。
美しく色彩鮮やかな描写で情景を柔らかく浮かび上がらせる。
けどハッキリした色調ではなく霞がかったようなぼんやり薄暗い印象。
殺人事件が絡むからかな…?
ミステリーとしても面白い。
描写が凝っている分、ページをどんどん捲るという感じではないけれど、物語に引き込まれた。
美しかった。こういうミステリーもいいな。
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非常に読み応えある作品でした!連作短編集です、時代背景は大正~昭和初期にかけてで、それぞれが花を謎解きの鍵に据えていてミステリの定石に則って納得の結末を迎えます。
この著者は最初恋愛作家だと思ってたのですが(恋文という短編集を読んでました)昔からミステリも多く発表されていて『戻り川心中』も1980年の作品です。この一連の花をキーに据えた作品は花葬シリーズと銘打たれていて『夕荻心中』と対になって完結されているようです。
それぞれの語り手は多種多様な人々になっていますが、口語文語を使い分けて綴られる日本語の美しさに感動しました。心象表現、写実表現に熟練の手腕が発揮されています。なんというか、普通のミステリーではないような言葉や文章にリズムが感じられるというか、今まで読んだことのない世界でした。
表題作である『戻り川心中』は太宰治をモデルとした創作であるとのことです、これは解説を読んで知った事柄ですが、この事実はさらに大きな驚きでした。
苑田岳葉という歌人の二度の心中行の謎に迫る内容ですが、作中に多数の歌が詠まれています。読みながらその歌意に心奪われ、この歌人についてもっと知りたい!と思ってたところ全て創作!つまり作中の歌も全て著者の創作だったという事実、こんなミステリ作家いたのか!?と、古典回帰というか、この作家さんの作品さらに読んでいこうと心に決めたのでした。