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江戸を舞台にしたあさのあつこの時代小説。読み終えた後は切なくやるせない気持ちになりますが、心に触れるいい本でした。登場人物の生い立ちとそこに隠された秘密、人の強さと弱さが時代背景と絡まって展開し、な闇となっていた部分が明らかにされてゆく後半が読みどころ。シリーズ化されているとか?続編も読みたいです。
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ようやく遠野屋シリーズ1作目を読むことが出来ました。清弥対信次郎の対決シーン?(絡みかな?)はテンションが上がりました。町人から一瞬だけ武士にもどる清之介さんがかっこいい。
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高二で担任に薦められて読んだ一冊。
最近時代小説が読みたくてうずうずしてるので、もう一度読みたいと思ってます。
登場人物もストーリーも好きです。
江戸で起きた事件を発端に人間の弱さ汚さを挙げながらそれと対象的に人情や慈みの心を本当に綺麗に描いてアリ、とても心に染みます。ただの捕物小説ではないと思いました。
続編の夜叉桜と合わせて再読したいです。
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江戸の町。遠野屋の若おかみの『りん』川に身を投げて亡くなった。りんに身投げをする理由が無い。
やがてりんの身投げを目撃した稲垣屋惣介も何者かによって袈裟懸けで殺された。その後、りんの身投げ、稲垣屋の惨殺の時、近くで店を出していた夜鷹蕎麦売りの弥助までもが殺された。
北定町廻り同心の小暮信次郎と岡っ引きの伊佐治はりんの夫、清之介が怪しいとにらみ執拗に食いつく。
清之介は今でこそりっぱな商人だが、元は武家の出。しかも、藩内でも一、二を争う名門宮原忠邦の妾腹の子供であった。清之介は忠邦に幼い頃から暗殺者として育てられ、その才能も突出していた。
忠邦から闇の統率者となるように命ぜられたが、兄の主馬により江戸へ行き行きなおすようにと逃がしてもらった。
その後、遠野屋の主人に見込まれりんの夫となった。清之介はりんによって救われたのだった。
りんの敵を自ら探し始めた清之介は遠野屋に出入りしている町医者源庵ではないかと考える。
源庵は町医者の夫婦に子の無いことで、まんまと養子になり町医者を継ぎ遠野屋に出入りするようになったのだった。忠邦の闇の者たちの1人だった。
源庵は子供が産めないりんに薬を飲ませ「生まれ直せば、子は授かる。満月の夜に川に入り身を清めよ!」と暗示をかけて、川から身を投げさせたのだった。
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《あさのあつこ=バッテリー》のイメージしかない頃に読んだので
作風の違いにびっくりした。
遠野屋は《夜》、同心の旦那が《闇》という印象。
旦那の内側の方が溟さが深いような。
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何を以って狂気と呼ぶか。
あさのあつこの筆力って、突然心臓を直接抉りに
くるもんだから、本当に油断できません。
ミステリとして読んでも良。
時代小説として読んでも良。
人間の狂気を読み解くも良。
平然と人の闇を抉り出そうと
する信次郎を狂気と称するか。
はたまた人の仕業とも思えぬ
仕打ちをする輩が狂人か。
読後感は良いと言い切れない。
けれど、クセになる。
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『木練柿』を読んで、遠野屋の旦那さんのファンになったから、もっと彼の事が知りたくて、『弥勒の月』を読んだ。『木練柿』の方が年月が経っただけ清さんは、更に大人に、更に温かい人になっている。
良かった、清さんが弥勒に出会えていて。おりんも清さんも後戻りできない状態だけれど、そんな辛い中でも、生きて、成長していく清之介を見ていると切ないけれど大きな勇気をもらえる。
耐えて行き、人間的にも成長していく彼をこれからもずっと見ていたい。
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月が丸く丸く艶めいた夜、履物問屋の惣助は橋の袂で水音を聞いた。
そして橋のそはの杭に女の死体が引っかかっているのが見つかった。
北定町廻り同心、木暮信次郎と岡っ引きの伊佐治が調べに当たるが
ほどなく小間物屋「遠野屋」の若お内儀と身元が割れる。
死因はどうやら飛び込みで一件落着かとおもいきや遠野屋が異論を唱える。
この入り婿旦那の遠野屋の立ち居振る舞いにただならぬ気配を察した信次郎と伊佐治は深く深く絡みながら隠れている事の真相を掘り起こして行く。
過去をひた隠し、だた静かに弥勒の様な りんとささやかな幸せを守って生きたかっただけなのに...
過去は清弥を簡単には解放してくれなかった。
初めての あさのあつこ作品。
この信次郎と伊佐治の名コンビが是非また読みたい。
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あさのあつこ、時代小説のほうが好みだわ。
バッテリーはいまひとつしっくり来ず、だった記憶が。
小暮の旦那の根っこに潜む暗さと危うさ。
淡々とした自己評価の、絶妙なバランスのうえに成り立つ正気。
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順番を間違えて「夜叉桜」より後に読んでしまった。
人の暗い部分を深く描いていて、こちらの方がより楽しめた。
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罪を憎まず人を厭うている同心・信次郎。
先代から札をもらった後、代変わりした信次郎にそのままつかえる事に疑問をもつ伊佐治親分。
この二人が解き明かす、小間物問屋の若おかみの入水自殺の謎。
遠野屋清之介が抱える闇の深さや、信次郎の、頭の良い狂犬っぷり(要はタチが悪いって事ね)はうまーく描かれていたと思います。
犯人は結構すぐわかっちゃうのですが、そのこと自体は不満はないです。
ただラストあたりの、怒涛のような話の持ってきかたは、ちょっとどうよ?と思いましたね。
細かいところも説明がないまま終わって、えーこれ書き逃げ?
それともこのうやむや感に余韻でも感じろというのかしら?
最近のあさのさん作品に、当たりがないのが悲しいわ・・・。
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信次郎は最初、感じ悪いなぁとか思ったけれど、
口がものすごい悪いだけで結構いいキャラでした。好きです。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-121.html
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話は面白かったけど、主人公の清之介が好きでない。
設定があまりにドラマチック過ぎて、清之介自身の魅力が感じられない、むしろ身の内に破綻を抱え込んでいる信次郎のほうが面白く、共感が持てる。
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長編時代小説。小間物問屋遠野屋の若奥さんの身投げを追うヤクザ同心と岡っ引きの話。
遠野屋の若主人が何者なのか、犯人は誰なのか気になって一気に読んだ。
年寄り岡っ引き伊佐治の懐の深さが素敵だった。
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視点が定まらなくてどの登場人物も中途半端。結末もちょっと唐突な感じ。なんでこの人?というような。
☆2.5ぐらいかな。