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アイアンマン トライアスロンにかけた17歳の青春 みんなのレビュー
- クリス・クラッチャー (作), 金原 瑞人 (共訳), 西田 登 (共訳)
- 税込価格:1,540円(14pt)
- 出版社:ポプラ社
- 発行年月:2006.3
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紙の本
YA本のなかでは、まちがいなく今年一番のおすすめになりそう。
2006/05/20 00:12
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙にだまされてはいけない。まるで、さわやかなスポ根もののようなイラスト。しかも副題が「トライアスロンにかけた青春」!
けれども、作者がクリス・クラッチャーだということを忘れてはいけない。そう!一筋縄ではいかないのだ。
この本の一節に、主人公ボーリガードのガールフレンド、シェリーのこんな言葉がある。
「『あなたのために』っていう言葉はたいてい、相手のためにならないことをするときに使われるの。」
これを見て、少しでも、どきっとしない親は、いないのではないか?自分勝手な感情や論理のために、あるいは子どもの支配のためにやったことに、「でも、あなたのことを思って、やったのよ」とうそぶいたことはなかったか…。本を読む進むうち、大人として、どう子どもと付き合い、愛し、守るのかが、つきつけられるようだった。大人として、子どもの心を壊していないか…?
大人に裏切られ、壊され続けてきた心や生活、どうしようもない状況を抱えながらもがく少年たちが、どう自分たちと向き合っていくのかー、それが、この話のテーマである。
トライアスロン選手のボーリガードは、教師を「クソったれ」呼ばわりしたために、日系教師ナカタチが主催する「アンガー・マネージメント・グループ(怒りを抑制するためのグループ・カウンセリング)」に入れられる。
とんでもないやつらばかりのグループだと、腰がひけていたのもつかの間、それぞれの問題があぶりだされるにつれ、それがまさしく自分の問題だと気づいていくボーリガード。怒りの正体を見つめつつ、トライアスロンの練習にはげみ、レースでの勝利をめざすことになる。
ボーリガードを邪魔しようとする大学生、トラウマの根源になっている父親、凄まじい子ども時代を過ごしたシェリー、主人公の理解者セルボーセック先生、ナカタニ先生…。みごとな登場人物の配置と性格描写!そして大団円にむかう最後のレースの場面では、ボーリガードをサポートする仲間たちの気持ちに思わず泣かされる。
生きていく上で、この上なく大切なことを問いかけ、考えさせられる。まちがいなく、心揺さぶられる1冊である。
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