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ニュータイプの出現。
世間には、普通に生きることが容易ではない感性をもった人が確かにいるのだ。
あなたは人類を死滅させようというの!とか、言葉のいっこずつが真面目に狂っている。
でも中二病とか、バカにしたいような気にはさせられない。物語が神話的でむしろちょっと怖い。
アウトサイダーアーチストの作品を見るように、彼女の作品を読んでいます。奇異だけれど、原始的な感覚をとらえてはなさないような・・・。
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偶然本屋の棚で見つけて、忘れられなくて購入。
すごい引力。凝縮感。いろんな虚飾が剥がされて、「見ちゃダメ!」 なところが露になっているような焦りと興奮を感じる。ポルノというほど明け透けではなく、一見ガーリッシュな膜がかかっているようなところが、読みやすさにつながっている。でも、やっぱけっこう過激だぜ、これは。
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ピンク女優から作家へ転身、阿部薫との破天荒な結婚生活、早すぎる自殺など…彼女の壮絶な人生に目が向きがちなんですが、一度作品を読むと止まらなくなる。言葉ひとつひとつが研ぎ澄まされていて「誰も私に近づかないで!」と言ってる感じ。狂っているようにも見えるけど、実はどれも真理をついていることに気づく。70年〜80年代にこういう感覚の作品が出ていた事に驚き。
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もったいないなぁ。死んでしまったなんて。
狂っているというか、普遍的な乾いた女の子らしさが存分に発揮されていると思う。
岡崎京子的な。
彼女は死ななければ、70年代というものを背負えなかったのかもしれないけど、それでも彼女が生きていたら、今何を書いていたのだろうかと妄想せずにはいられない。
彼女の一言一言が、本当に共感を覚えることばかりで、古本探そうかと思う。
想像力がなくて、妄想力があるってこととかね。
ぜったい退屈 が一番好き。絶望だけど、幸せで、退屈なんかじゃない。
中二病かもしれないけど、ここまでの作品に仕上げたら、もうこれは芸術だ。
今じゃ絶対現れないタイプの天才。
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鈴木いづみ、という名前だけは、阿部薫を通じて知っていた。
その阿部薫にしても数曲を聴いたことがある程度だったのだが。
ひょんなことから、鈴木いづみと僕が同じ誕生日であることを知った(勿論、歳は違う……月日が一緒だったのだ)。
余談になるが、前田敦子も同じ誕生日だ。
それで興味を持ち、古本屋で見つけた本書を読んでみたのだ。
読んでみて、本当にビックリしてしまった。
ここに収められているのは、七本の短編と四本のエッセイなのだが、それらのどれもが、唯一無二であり、僕にとってはかなり衝撃的な内容だった。
文章や構成はけっして技巧的ではなく、むしろ素人っぽいといえるかもしれないが、そんなことはどうでもいいこと。
彼女の短編には(ジャンルとしてはSFに含まれるとのことなのだが)、むき出しの狂気があり、虚無感に浸った登場人物があり、悪夢のような世界が展開している。
それらが妙にからっと明るいテンションで、作品によってはとてもコミカルに描かれている。
精神的にもシステムとしても廃れていくその近未来社会からは、クリティカルな印象も受けるが、どちらかというともっと観念の世界に近いように思える。
エッセイを読むと、不器用なままに物事を真摯に感じとりながら生き、その結果感受性豊かな故に意識が飽和状態を越えて破裂してしまったんじゃないか、そんな印象を受ける。
小説以上に異様な世界が展開されている箇所がいくつかあり、彼女自身が抱えていた異様な(分裂症的というのは正確な表現なのかどうか判らない)世界を垣間見ることが出来る。
彼女自身がエッセイで語っているように、これらの作品は想像力の産物ではなく、妄想力によって彼女が同化した姿なのかもしれない。
同化であるならば、主観の範囲内なのだろうし、少なくともテクスト論の範疇で語ることは出来ない。
彼女は首をつって自殺してしまったが、彼女はテクストと共に生きている。
テクストから生身の彼女の息吹を感じ取ることが出来るのだ。
作者は死んではいないのだ。
こうやって変な理屈をこねくり回すのが男のダメなところ、と彼女に言われてしまいそうでもあるが……。
時間をかけてでも彼女の残してくれた作品は全部読破しようと思う。
同じ誕生日というだけで、何気なく手にした本ではあったが、これが人生で何度もあるとは限らない「出会い」となった。
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【オンライン読書会開催!】
読書会コミュニティ「猫町倶楽部」の課題作品です
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