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[ 内容 ]
若いくせに元気がなく、動きが鈍く、疲れやすい。
精神的に虚弱で、学校や仕事が続かない。
若年層を襲う心身の不調や学力低下の原因は何か。
歯科医の著者は、彼らの顎、歯列の異変に注目。
下顎のエラは細く、顔は縦長で左右に歪んでいる。
歯列は瓢箪型にくびれ、咬み合わせが悪い。
これはまさに、生物学的退化ではないのか!?
長年の臨床経験から、咬合治療で不登校や神経症が改善される事例を紹介。
そして、退化をもたらした戦後の文化的荒廃を憂い、「いのちの保守主義」を唱える。
崩れゆく日本人に緊急提言。
[ 目次 ]
第一章 日本人の能力が低下している!?
第二章 心身の歪みはなぜ生じるのか
第三章 日本人が歩んできた進化と退化
第四章 文化の形と質が崩れて
第五章 いのちの保守宣言
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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これはひどい。生物学的な面で現代社会にアプローチするという視点自体に問題はないのですが…
著者は要するに、食べ物を噛まなくなってきていることから、顔が面長で小さくなり(筆者によれば退化)、持久力、集中力、学力の低下やニートや非行が増加していると言いたいようですが、それらに関する信頼できるデータが見当たらない。不登校、意欲低下を示すデータは群馬県の中学校のものだけ。
日・米・中・韓4国の高校生の間での意識調査の結果が載っているが、著者は早々と「日本の高校生は学習意欲に乏しく、享楽的である」と断定している。以前、特に1970年代前後に最盛期を迎えていた学歴社会の崩壊が始まっているという社会背景などがあると思うが… 他の3国はかなりの学歴社会である。
モンゴルのゴビ南部の遊牧民は咬合力と視力が高い。著者は日本人の咬合力が低下したから、視力も低下していると述べています。これについては、遊牧民は平原で生活し、遠方のものを視るため(彼らにとっては死活問題)、視力が発達し、日本人の場合はテレビやパソコンの利用時間が長いから視力が低い傾向にあるとも考えられるが…
なんだか、人の骨格を見て「犯罪者には一定の身体的、精神的特徴がある」と言ったイタリアのロンブローゾの説を二番煎じしたような本である。
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前半のデータを基にした、現在の若者が劇的に歯並びが悪くなり、それが原因で自律神経失調症などの不定愁訴を訴えるようになったというところは本当に勉強になった。
ただし、後半になるに従い著者の押しつけがましい主張が強くなり、最後には保守主義万歳となってたのが残念。
食生活などの習慣が健康に大きな影響を与えるのは同意だが、戦前より前の食生活に戻るのは現実的ではないので、そこを踏み込んだ提案が知りたかった。
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群馬県の高崎市で1974年に開業し、今や全国から患者が集まる「丸橋全人歯科」の院長が予言する「日本人の崩壊」。元気がなく疲れやすい・動きが鈍くて持久力がない・やる気が出ずに学校や仕事に行けなくなった若者を診察する中で発見した原因は、歯の「噛み合わせ」の悪さだった。昔の日本人と違い、甘くて柔らかい物しか食べなくなった現代の子供の歯と顎は退化する一方で、歯並びや噛み合わせの少しのズレが身体や心の大きな歪みを引き起こしていると考察する。医学的に、また人類の進化にも照らし合わせ、人間の退化は口から進むと唱える著者が日本人の文化や精神にまで警鐘を鳴らした一冊。