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「メッタ斬り!」祝復活! WEB上で既読の文章が多く、新鮮な思いで読めた部分が少なかったものの、今回初参加となる島田雅彦がいい仕事してましたね!メッタ斬りコンビに引けを取らない毒舌ぶりでナチュラルに溶け込み、文学賞論など交わしてる部分は一読の価値あり、でした。さすが文壇の内側にいる人のご意見は、重みがありますな。同業者に嫌われたという文芸時評、単行本で読めないんだろうか。 巻末特別付録の「'04〜'06年版・文学賞の値うち」も、大森望・豊崎由美両氏のフィルターが掛かっているから、鵜呑みにはできないなと思いながらも、にやにやしながら読む。究極のブックガイドですねえ。読んでみたい本が、どっさり増えました(笑)。(2006.10.5読了)
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ウェブサイトで読んだ文章も多かったのですが、単行本オリジナルの中では前半の島田雅彦氏との鼎談がよかったな。それからここ数年の文学賞の傾向をまとめてみることができるのもこの本の読みがいのあるところ。たとえば、ある文学賞が社会的影響力を持ってくるということは経済的影響力を持つということで、つまり主催者(あるいは受賞作品の決定者)の利益に直結させることもできるということだ。そうなると受賞作品の選定にある程度の歪みが生じてくるのもやむを得ないのかもしれない。
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79点。今回は04〜06年、3年分の芥川賞と直木賞話が中心。07年以降もこのシリーズしばらく続いてたんだね。
選評、選考委員を斬りまくるテンションは相変わらず。今回は渡辺淳一(ジュンちゃん)がツボです。
大体この二人の、作品の好みがわかってきてしまって選評の選評としてのパターン化マンネリズム感は否めない。
今回は芥川賞落選六回の世界記録を保持する文壇の貴公子、島田雅彦をゲストに迎え「忌憚のないご意見」を頂戴している。
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文学とは何やら小難しくよくわからないものでありますけれど、文壇はおもしろい! 声を出してわらいました。
山田詠美と池澤夏樹が、なんか、すごく、かわいいんですよね。
文学を盛り上げるための手立てのひとつとして文壇のエンタメ化はとても効果的だと思う。「いしだしまだ」とかどんどんやっていってほしいね。
読後に、小説を読みたいなあ、という気持ちにさせてくれるのは、流石としか。
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文学賞の裏側ってこんなだったのか、と知ると文学賞を見る目が変わってくる。「文学賞はすぐれた作品に与えられるもの」なんて幻想は持っていなかったが、それにしても面白すぎる。
また毒舌のための毒舌ではなく、本を愛するが故の毒舌だというのがなんとなく伝わってくるところがよい。
巻末の独自作品評は本を選ぶのに便利。
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前作は、各文学賞の立ち位置を説明しながら、それぞれの賞に対する評価がなされる内容で、とても興味深いものだったけど、本作は芥川・直木両賞に的が絞られている。でも相変わらずの切り口で織りなされる対談は、十分にスリリングなものだった。巻末の採点集も面白いし、各賞を受賞した作品そのものより、ここで高評価されているものを読んでいった方が楽しそう。そんなブックガイドとしての役割も果たす、一石何鳥みたいな美味しい本でした。