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何というか・・
興味深くかつ面白く読めた部分も多々あるものの、子供だまし的だったりご都合主義的だったりというのも鼻についた。
全体としてはまずまずという程度。
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最後まで読んだあと、ネットで調べて思った。
これすげえわ。
完全にだまされた。
物語もおもしろいけど、その騙しに☆×5
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そんなに派手な要素があるとは思えないのですが、気がつけば3巻続けて一気に読んでしまいました。もっと少しずつ読み進めて時間をかけるつもりだったのに。作者の意図した海外作品の翻訳風に仕立てる演出が醸し出す香りが特徴的ですが、ここに読みづらさを感じる人も多いかも。全体的に人を選ぶ感触があるのは否めないので、多少の慣れが必要だと思います。そしてどういうわけか夢野久作の『ドグラ・マグラ』を思い出しました。全然似ていないし、あんなにも狂気に満ちた内容ではないのに。奇書のような物語の雰囲気がそう感じさせるのでしょうね。
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多層のストーリーが収斂していく構成。中近東の世界観も私には新鮮で良かった。翻訳も「なぜここでこんなにフランク?!」みたいのがあって面白かった。だけど、何か長く感じた。描画とか。もっと疾走感が欲しかったです。
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翻訳書の場合、どこまで忠実に翻訳感を残して、どこまで自分の言葉にするかってのも重要なファクター。で、これに関しては残りすぎてる感じがする。まあ元の文章はこれ以上に回りくどくてしつこくて、これでも簡素化してあると言われればそれまでだけど、中身のない文章の羅列としか思えない箇所が散見される。魔法物語の昔話はさておき、フランスに攻められるエジプトの現実については、最後のどんでん返しはなかなかのものだったけど。1000ページ超えの長編を読み切ったのに見合った感動は、得られなかった印象。
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翻訳書の形をとった和書、ですね。そのせいか、時々文章が読みにくいような印象を受ける。意図的なのかしらん。
1巻は結構面白くて、2巻でちょっとダレてペースダウン。3巻の頃には大体のオチが見えてきたけど、アイユーブについては予想よりもうひとひねりしてあった。
物語が入れ子構造になっていたり、複数の物語が最後にうまくハマるところや、伏線の回収なんかは「そこで出てくるか」って感じで結構良かった。都合良すぎだろと思う部分も多いが、まぁそういうもんですね。
アーダムやファラーに比べるとサフィアーンは純粋すぎてなんかファンタジー要素満載なちょっと浮いた感じ。「大丈夫なのかよ、こいつ?」とか心配になったり。
書物を読むことで書物になる。著者と書物はどちらが強いのか。物語は語られることで永続化する。
なんとなく、考えさせられる気がしなくもない。
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私は本を選ぶとき、それを誰が書いたのか、くらいは把握した上で選ぶ。本書の場合は「作者 古川日出男」と表紙に書かれているので「古川日出男という人が書いたのか」と思いながら読む。けど本文中には訳注が含まれており、どうやら原書と英訳書が存在してるよう。どないやねーん。この違和感を消化しないまま最後まで読み切れる人なんているのかなあ。
つまるところ、訳注含めた全てが作者の創作という、驚異のでっち上げアラビア長編物語。作者の想像力と構成力、それらを叶える筆力に圧倒される。お話自体を私はあまり好きになれなかったけど、納め方がすごく素敵に思えた。夜の種族が紡ぐ物語と現実の交錯、そしてそれらが儚く消えていく様はとても綺麗だった。
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古川氏のフィクションかと思ったら作者不詳の原著「The Arabian Nightbreeds」があった。物語のオリエンテッドな雰囲気と古川氏の卓越した言語能力が相まって魅力的な作品に仕上がっている。いやはやこれだけ多彩な日本語表現があるのだなと驚かされた。
物語のほうはアーダムとサフィアーン、ファラーの三人の主人公たちの結末は些か拍子抜けだが、アイユーブに纏わる逸話からの結びはなかなかの余韻を残す。
噎せ返るような熱気と妖艶な湿気を孕んだアラビアンナイトを感じさせる、優れた文学が持つ世界観に入り込む錯覚を味わえる作品である。
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『アラビアの夜の種族』は作者不詳で原著者は地理学者だったらしい、民間説話を採集し母国語に翻訳した(P393)アラビアンナイトを彷彿させる物語である。奇々怪々なお話しが古川 日出男 の文体と相まって読み手を不思議な世界へと引き込んで離さない。
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物語はその内部にまた物語を含有して、変容して、拡散していく。ひとりの読者が生きた書物となってめくられる。そもそも太古から物語はそのようにあったのだとしみじみ感じてしまう。『一冊の書物にとって、読者とはつねに唯一の人間を指す』
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ナポレオンどうなったのか、不完全燃焼だが。
そんな違和感はどっかいっちゃうくらい、この作品はすごかった。
最初から最後まで、ずっと引き込まれっぱなし。作者の文章がかなり特徴的だったのが、私はツボった。好みは分かれるだろうけど、テクスト的に非常に面白く、読書で非日常の世界にヒューンと連れて行ってくれるような文章力。
そして、この作品を作り上げた筆力。圧倒されました。
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気づかぬうちに災いの書の虜になってしまい、家事をする気も、何をする気も失せ、寝食も忘れて没入して読みふけってしまった。
ズームルッドの語る物語を最後まで味わえて満悦!と放心してしまったイスマイールベイ同様、読後、自身も、壮大な砂の年代記を読み終えた充足感に心満たされ、現実に目を向ける気がおきず、1日ぼんやり夢うつつで過ごしてしまった。
陰のアーダム、暗のファラー、陽のサフィアーン、それぞれが実に魅力的だった。
サフィアーンの身体に憑依したアーダムが眠りに落ちるとサフィアーンが目覚め、サフィアーンが寝入るとアーダムが目覚め、の繰り返しが喜劇的で面白かった。
また、森の夢の石室に閉じ込められた状況を悲観して眠りに逃げてしまったアーダムに対して、サフィアーンは状況をよく知るために冷静に探索し、ありのままを受け止めることで、森と共生し、森の守護者と共鳴し、石室を出る方法を見出すこととなった、逆境においても陽!という前向きに物事を捉える爽やかさな姿がイケメンだと感服した、!
サフィアーンを利用してアーダムを打ち取り、その手柄を独り占めしたファラーはなんて卑怯なんだ!と腹が立ったが、ジンニスタンの消滅を防ぐため、一人ジンニスタンに残る決断をしたのは、引き際鮮やかで有終の美を飾ったなと拍手でした。
蛇のジンニーアの言葉があまりにも下品であけすけなのがドン引きだったけど。。。
文末にはあとがきとして、翻訳の元になった本との出会いについて書かれていたので、この作品は翻訳本なんだ、とすっかり騙されてしまった。
読後に、先達から、「最初から最後まで全部壮大な虚構なんだよ」と教わり、アイユーブの仕組んだ策略以上に驚かされた。
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読み切った!長かったー。
1巻は不思議な世界観に引き込まれ、アーダムの人生を夢中で読み、
2巻はファラーとサフィアーンの物語に分かれたせいか少しだれて、
3巻は主人公3人がついに相見えるあたりから一気に読めた。
ナポレオンが攻めてくるという現実の歴史と、ファンタジーのMIXに、アラビアが独特な世界観。
災いの書のほうは、途中はどうなることかと思ったけど、最後は大団円中の大団円で意外だった。
アイユーブは裏切るかなと思ってたら、さらにひとひねりあった。
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ナポレオンは?「災いの書でナポレオンを止められるのか」ってこれまでずっと煽ってきてんのに。ナポレオン倒せよ。期待してたのに。がっかりだわ。ズームルッドの話はとてもおもしろかったんだけど。
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アダムの前に立ちふさがるファラーとサティアーン。
千年の眠りから覚め、増幅し続ける地下迷宮での魔術、妖術の応酬。物語は地上と隔絶した夢現の狭間で暴走する。
地上のナポレオンは…
エジプトの存亡は…
翻訳は間に合うのか…
『災厄の書』の真実とは…
そして物語はひとつの結末を迎え、また新たに紡がれる。
最後の後書きまで、フィクションだったのか…
面白すぎる。完全にやられた。