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海外養子のあっせんを取材した新聞連載をもとに新たに書き下ろしたルポです。水面下では噂されていても実態のよくわからなかった部分を斡旋業者、養親の取材などで書き込んでいます。
取材途上の中間報告のようですが、それでも、施設や血縁重視の日本と、家族の中で養育することを優先するアメリカとの違いがわかりやすく書かれています。
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養子斡旋で中心にいるべき子供や生みの親、育ての親よりも、仲介者のいいように放置されている事への問題提起。
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現在の日本の婚姻制度から外れざるを得ない場合、養子は2通りの問題となる。結婚以外で親族になる方法、そして実子を持たない場合にこどもと暮らすのにあり得る制度として。で、これを読んで、激しく動揺。こどもを育てたいと思うひとはたくさんいる。そして多くの赤ちゃんが売られている。同姓婚の場合とかそういう段階にははるかに遠い。結局、弱い立場のものを尊重しない社会に私たちは生きてる。この、同根の差別にまみれながら、なんとか赤ちゃんも私たちも生き延びなくてはならないんだ。
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小説以外では久々の大ヒット。望まれない妊娠の果てに生まれた子の先々について。養子・里親・海外斡旋・etc。次から次へと取材したものがあふれ出てくる。以前、小説として、子どもの海外斡旋→臓器売買やポルノというのを読んだが、やはり、あながち小説だけではないらしい気配がする。日本人を始めとしてアジア人の子どもが好まれる訳。中国からの養子は女の子が俄然多い事実。でも、一番、心に残ったのは「日本国」のあり方。子どもの権利条約を批准しながら、その後の勧告を無視した日本。養子斡旋を公立にしない日本。それゆえ、斡旋業者(許可制ではなく届け出制)が好きなようにやっていて、ナニも動こうとしない日本という国。赤ちゃんに罪はないはず。このままで良いわけない。
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色々と衝撃的です。
人間の善意ってなんだろう?と思ってしまいました…。あと、法律とか社会の意識とかって大切なんだなーて実感しました。
我が家の家庭事情とか色々考えてしまった、よ…うん。
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この本に登場するのは、望まれない妊娠の果てに生まれてきた赤ちゃん。若すぎる妊娠だったり、不倫だったり、レイプだったり、そういう子たちがアメリカをはじめとする海外へ養子として斡旋されている実状と問題点が提起しされている。本の帯には感涙のドキュメントとあるが、闇の部分の実態を追ったルポではない。それよりは実状と制度の解説、浮かび上がる問題点、改善策等に比重が置かれている。それは、作者が取材を重ねても、奥に分け入っていけない部分がきっとあったのだろう。
養子制度への意見はいろいろあろう。日本の場合は、血縁を重視するので、子どもに恵まれない、でも子どものいる人生をと思ったとき、養子を取るという選択肢よりも、不妊治療へ向かう人の方が多いだろう。仮に養子をとなっても、「この子は養子なの」と堂々と言う家庭はきっと少なく、ある程度の年齢になった子どもに静かにきちんと話すというのが多いのかな。たぶん。どちらにしてもオープンにしたい話じゃないはず。
でも、それが、斡旋ビジネスとしての市場があり、パスポート1つで海外の養親に引き取られる赤ちゃんが、年間数十人もいると知ると、もう少し、日の当たるところできちんと養子を語ったほうがいいのかもしれないと思う。しかも日本の赤ちゃんは人気で、コストも高いと読むとなおさら。
引き取られるのは圧倒的にアメリカが多いそうで、日本で親の愛に恵まれない生活をするよりは……と説得するらしい、斡旋団体は。まぁ、そここ豊かなアメリカの中産階級に引き取られ、養子への偏見もない国で暮らしたほうが幸せと考えてしまう人がいるのかもしれないけど。虐待や、子殺しのニュースが後を絶たないこの国においては一層、そのほうがという意見もあるのかもしれない。
でも、幸せになると言われて、渡したはずの子どもが、児童ポルノや臓器売買などの犯罪の温床になる危険性もある。だから、インドやフィリピンなどでは海外養子を規制する動きが強いのだそう。公開中の映画「闇の子どもたち」に重なってくる話。
この本で私がドキッととしたのは、望まない妊娠をして、半ば強引に子どもを海外養子に出してしまった女性が作者にもらしたこんな声。
「家族の中でも、この疑問を口に出すのは避けてきたことですが、息子は本当にカリフォルニアに行ったのでしょうか」
実親には、わが子がどこへ引き取られたか知らされない。子どもが誰の子かという情報は養親に知らされないという。赤ちゃんがどこから来てどこへ行くのか、そのすべてを把握している人が1人もいないまま、海外養子という事実だけが静かに進んでいる。
仮に100%幸せになったとしても、こんなビジネス、野放しじゃまずいだろうと強く思う。
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「望まれない妊娠」の果てに売られていく子どもたち。その子どもたちの海外養子斡旋の現状が書かれている。子どもを金銭を介して養子に出す≒人身売買ってどうなの?という構図自体に問題を投げかけるという視点が強いのかと思って読んでみたが、海外斡旋業者のオペレーション上の問題、倫理観の問題、そして行政のオペレーション上の問題を主として書かれている。
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いろいろ再度驚くことが多い。日常に潜む人間の恐さというか。気付いていないことが多すぎるかもしれない。
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なかなか衝撃的な内容の本だったと思う。現代日本でも、乳幼児が様々な事情で縁組をして外国に飛ばされるという事実から垣間見える問題は、非常に深刻なものだと思う。
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衝撃的な内容だった。
しかし、現実には起こり得ることで、現実に起こっていることだとも思った。
大人の無責任さ、悪意、法の不備、考えさせられることが沢山あった。
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人身売買て聞くと
遠い昔の話でしょ、
海外の話でしょうと思うけど
日本で起こっているなんて信じ難い…
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望まない妊娠で産まれた赤ちゃんが法外な値段で日本から外国へ売られている。本当の親に会いたいという子どもの願いは断たれ(手がかりなし)。子どもが物のように扱われ、法律がザルの日本の現実にただ愕然とする。
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◯とても心に響く内容。本の構成もよくできている。それぞれ振られたテーマで分かれているようで、実は、子ども(養子)が生まれてから大人になるまでの視点が描かれている。これは、この本に一貫している、子どもの福祉を主体とした思想を体現している。
◯この本を読むとまず印象として残るのが、日本政府がやる気がないのではないか、養子縁組に関する制度の充実が求められているのでは、という考えに至る。知る権利や、海外養子縁組の抑制など、そういったことも確かに重要であるとされる。しかし、それ以上に重要で、最も重視しないといけないのは、この本の中で一貫してみられる子どもの福祉を主体とした考えであり、エピローグにもその考えが見られる。
◯様々な理由を経てからの妊娠、そして養子縁組、これらのあり方には正解がないからこそ難しい。行政の制度がしっかりすれば、「不幸な子ども」は本当に減るのか、そもそも「不幸な子ども」とはなんなのか、本人がそう自認しているのか、考えは尽きないが、一つの方向性として、一人一人の人間が自分たちが納得出来る様な支援の枠組みを作ることが行政に求められていると感じた。