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楽しみにしていた光原百合さんの新刊が、ケルト伝説に由来する本格ファンタジーで、すごく驚いた。巻末の参考文献一覧も壮観。いわゆる本格ファンタジー作品&関連本が並んでいるんですもん。ファンタジーに造けいの深い方だったのか。 なので、長年温めていた題材をようやく作品として発表できる喜びを、作品からひしひしと感じるものの、物語によっては謎解きの要素が強く出てきてしまうところに、引っかかってしまう(特に表題作)。 愛ゆえにこの世に想いを残し、さ迷う人の魂を竪琴の音によってしかるべき場所へ送り届けるオシアンとその相棒のブラン。だけど、判を押したように毎回毎回彼らが探偵役を務める必要があるのか?なーんて、読んでるうちに思えてきちゃうんですよね。ま、魂がさ迷うには、それなりの事情があって、胸が締めつけられるように切なかったりするんですが。 収録されている5話の中では、人間に恋をし、少しずつ人間の感情を学んでいく妖魔が登場する「恋を歌うもの」と、言い伝えとはこれほどまでに真実の物語とかけ離れているのか、すれ違いが生んだ悲劇「三つの星」の、この2つの物語が好み。 なぜオシアンは声を失ったのか、伝説の同名の楽人と何か関係があるの?ブランとの出会いの物語も知りたいし、獣使いヒューが単独で活躍する物語も読んでみたい!などなどなど、気になるところがいっぱい! 続編希望!楽しみに待ってます♪ (2006.8.3読了)
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祓いの楽人(バルド)の物語。こういうタイプの物語は初めて。小中高生にもお薦めできる少し悲しいけどとてもいい話。第4話の本のタイトルにもなっている「銀の犬」のクーが可哀想だった。いつか、犬を飼ったらクーって名前にしよう。
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なんだか切なくて、でも温かい。
読み終わるのが勿体ないと感じたのは初めてだったように思う。
不思議。
素敵な作品でした。
ありがとう。
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声が出せない楽人と相棒の少年が、悪霊や悪鬼を祓いながら旅をする話。
連作短編集。
世界観が自分の好みにぴったり合ってた!
肝心の主人公が全く喋らないのが、いい。表情と動作もあまり描写はない。
でも音楽を奏でる時だけは雄弁。
ミステリアスな所も多くて、かなり気になる。
惜しいのは、結局それらのもやもやが晴れなかったこと。最後まで主人公に関する情報はほぼ無し……。
続編はないのかしらん??
アニメ化したら、面白そう♪
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再読。彷徨う魂を送る祓いの楽人オシアンと相棒ブランの旅のお話。切なくも優しいお話たちです。オシアンとブランの過去が気になるのだけど、いつか続きが出るかなぁ。
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声を失った楽人オシアンとその相棒ブランの物語。
あるべき様から外れたものに調べを聞かせ、理を思い出させることであるべき様に戻す「祓いの楽人」のオシアン。彼の調べにより現世に想いを残したまま行くべきところへ行けない魂が浄化される。
作者曰く「ケルト民話に触発されて生まれた一つの異世界の物語」。ケルト民話に馴染みがなくともすんなりと世界に入っていけます。
霊として現世に留まり人に害を成すようになったのはかつての恋人なのか。恋を語り愛を交える相手の精気を吸い取る妖精のガンコナーの悲恋。会いたいものに会える、在りし日の幻影を見せる湖底に沈んだ都市。愛情と呪い二重の絆で結ばれていた飼い犬が主を噛み殺した理由。霊として道端の碑に縛られた王妃と騎士の想い。
所謂幽霊譚にもなるのでしょう。死してなお現世に留まる霊の想いを、オシアンの調べが解きほぐします。現世に残る理由となったものが明らかになった時、魂は行くべき場所へと旅立ちます。
ケルトの妖精譚が好きな人はもちろん、世のファンタジー好きにお勧めしたい作品です。いや、好きな人はもうご存知なのでしょうか。
竪琴の調べが語る物語ですが、実に映像的でもあります。映像化されてもきっと美しいでしょう。
オシアンとブランの出会いや過去は、ここではまだ語られていません。続きを書いて欲しいなと強く思うのです。
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アニメに向いてそう、というのがまず第一印象。
続きそうな終わり方も良かったです。
続きはないんですか。
私は銀の犬から加わった彼が一番気になりました。
オシアンの音を聴いてみたいです。
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読みやすい。スッと入ってくる。ガッツリファンタジーが好きな向きには物足りないだろうが、易しく優しい抑えたかたちで一つ一つのエピソードは丁寧に設定されているので、入り込めないことはない。ただこれは2006年発行で、続編が2021年現在に出ておらず、彼らの秘密はわからないままなのが何よりもどかしい。