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表紙とタイトルに一目惚れ。なんて信念のある文章だろう。単なる言葉に過ぎなかったものが、意味をひとつ与えられるたびに色を変えていく。
年をとれてしまった大人と、これから年をとらなくちゃいけない少年少女たちの旅の話。
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圧倒的に美しい。「おれは犬です」にやられたのもあるが。地方都市と箱庭と、少女と鉄道模型。ライトな文体が苦手でないなら是非。
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誰にも似ていないようで、どこかで読んだことのあるような、不思議な文章だった。物語としては乱暴な設定で(淫乱な母!)、驚くのだけれど、読み進むうちにその違和感は消えていく。雪の白、鉄道の黒というモノクロの世界の中に七竈の赤が妙にはえて、映像を思い浮かばせる作品世界。さらに、七竈はその実が固すぎて、ただ枝になったまま朽ち果てる、しかも白い雪の重みに押しつぶされ…というなんとも象徴的な文章もとってもよかった。これは桜庭フリークになりそうな予感。
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たいへん遺憾ながら、まことにおもしろい。すこし、悔しい。ブルースカイが例外的な一作だったのだろう。変遷の過程の寄り道を見せ付けられたときは腹立たしかったが結局ここに行き着くならば何も言いますまい。森見調の語り口が心地よい。あちらは京都で、こちらは東北だが。がたたん、ごととん、鉄道に沿い、どこへゆく。ああなんと儚くも、儚いからこそ、美しい動くということ、変化をともなうこと。冒頭の母君の独白はSweet Blue Ageで読んでいたのですよ。あれは、夜は短し歩けよ乙女も収録されていたしすばらしいアンソロだったのだなぁ、今思えば。
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七竈と雪風、どちらもとても美しくて少し変わった少年少女です。ラストの方のお互いが何度も名前を呼び合うシーンがすごくすきです。
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七竈にもの凄く惹かれます。主人公の目から見た世界が凄く素敵。儚くて美しい小説を読みたいなら是非。桜庭さんはこの手の小説を書くのが本当に上手いですね。
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わたし、川村七竈十七歳はたいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった――
これは狂気だ。そして狂気は凶器となる。
小さな村の異質なもの。
異質なものたち。
私の青春。
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なんだか不思議な感覚。恋愛小説とはっきり言い切って良いものか。
異世界でも超能力でもSFでもない普通の現代の話をなのに、
なんとも異色な雰囲気が漂う小説だった。
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もう、ツボすぎでした‥!好きすぎて一気に読むのが勿体無く、少しづづゆっくりと堪能しました。私、この本に落ち着いた感想なんて書けない!!(笑)切なくて、淡々と残酷な青春の日々。特別であることも特別でないこともコンプレックスになる、というのは誰でも感じたことのある感覚だと思います。痛々しいほど美しい、閉じられた世界とその終わりの物語。わりと好き嫌いがわかれそうな気はしますが‥、一読の価値ありです。好き!!
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似ているから好きになるのか、好きだから似てくるのか(ミスチル?)―本当のところはわからないし、人それぞれだと思うけど、七竈と雪風の場合は後者であってほしいと心から願いました。と、純情なことを思う一方、一番共感できたのは、七竈の母親です。私も「辻斬り」やってみたら、何か変わってくるのかな。
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初読:2007年9月2日
地方都市で生まれ、美しすぎるため生きることに苦労する少女七竈と、彼女をめぐる大人たちの物語。
最初表紙とタイトルを見たときに、この作家の作品はきっと気が合わない、と勝手に思い敬遠していたのだけど、本は見かけによらない。
この主人公、一応七竈という少女なんでろうけど、私はそれより彼女の母親、ふらふらして男を渡り歩いてろくに娘の世話もしない女性の物語の方に惹かれました。とても切なくて。
登場人物たちの語り口調がきれいで、美しいもののはかなさがよりいっそう際立って感じられた。
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うつくしい話です。
スタートからすごい勢いで何かを喪失していき、最後には失うことによってのみ先に進むことができるとうたって終わりましたよ。
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吹け、滅びの風!とかゆー呪文つかう魔法使い系の話だと思ってたわたしバカだー?笑 文章全体が可愛くてお気に入りです。緒方みすずの七竈に対する接し方の変貌っぷりにふいた。かわいいな〜おい笑
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後輩の緒方みすずがすごい好き。
七竃と雪風の関係が清らかで透明で複雑。
雪風のお母さんの多岐さんがものすごく強い人だと思います。
暇つぶしにはいいと思いますがスカスカです。雰囲気がとてもよい。
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特殊な文も使っておらず、あっと驚くような表現もないのにどうしてこうも情景が眼に浮かんでくるのか不思議でしょうがなかったです。桜庭さんの筆力の高さに脱帽。
これほど「美しい」という言葉が似合う本も早々ないのではと思っております。
個人的にラストがちょっとアレでしたが、それでも十分良作。