投稿元:
レビューを見る
なんだかぬるいSFといった感じのもの。カッチリした話を期待するとがっかりすると思う。ただ、設定考証はしっかり造ってある。あくまでもライトノベルの域内のものでしかないのがいささか残念。
投稿元:
レビューを見る
高校の夏休み、南国の島国で行方不明になった父を探しに、ゆかりはソロモン諸島を訪れた。ソロモン諸島には日本が出資したロケット基地があり、日本人が多く働いている。ゆかりは基地に向かう途中、そこを逃げ出してきた宇宙飛行士に遭遇。追いかけてきた所長・那須田は、一緒にいたゆかりを見るなりアルバイトをしないかと持ちかけてきた。父の捜索を条件に、承諾したゆかりだったが、なんとそれは宇宙飛行士のアルバイトだった。
ソロモン宇宙協会存亡の鍵となったゆかりは、宇宙飛行士としての過酷な訓練に明け暮れる。人手不足のソロモン宇宙協会は、ゆかりがジャングル単独踏破訓練のさなかで出会った土着民族のシャーマン娘マツリも、サイズがゆかりと同じで健康体だという理由で宇宙飛行士として採用する。
果たして少女達の運命はいかに。
能天気だけど悪霊の存在を信じてるマツリ、人体実験好きな女医さつき、マッドサイエンティストの素子など個性的なキャラが登場し、コミカルでテンポのよいストーリーが展開される。だがその実、科学的な考証に手抜きはなく、また宇宙という一歩間違えれば死が隣り合わせの世界も誤魔化されることなく描かれている。
投稿元:
レビューを見る
ひょんなことから宇宙飛行士に任命された女子高生たちのお話。何故女子高生かというと「軽くて機敏」という彼女たちの特性が宇宙飛行士に抜群の条件だからです。これは物理法則上の必然です(笑)。さすがに『クレギオン』の作者だけ合って細部の描写に関しては群を抜いているものがあります。表紙からは想像もつかないですが、実は思いっきりハードSFだったりします。ただ書店でなかなか見つからないのが玉に瑕です。
投稿元:
レビューを見る
カバー袖に書かれた「スラップスティックSF」という言葉に「?」が点滅しながら読み始めましたが、読み終われば、なるほど言い得て妙。この類いのジャンルをそう称するんだなぁ、というのを得心できるほどに、そのドタバタっぷりが際立つSFでした。
作中で起こっていることはワリとトンデモですし、登場人物たちの割り切り方も「それは無理が無いか?」と思う場面も多々あります。ドタバタ劇と言うよりは、いっそジョークものと言ってしまいたくなるのもありますが、実は背景や設定がしっかりしているので、ライトなSFとしてしっかり読めます。
筆者の作品は、ワリとハードSFよりの作品しか読んでいなかったことも、ちょっとした違和感に繋がっているのかもしれませんが、それもお話しの中に入り込んでしまえば気になるものでも無く。
キャラの立ち方は良いながら、活かしきれていない設定とかもありそうで、あくまで一冊完結としては物足りなさを感じますが、続刊でそのあたりが掘り下げられていれば、とても楽しみな作品です。
投稿元:
レビューを見る
「…ちょっとしたアルバイト?」怪しげな男の何気ない誘いが、自分の人生と、宇宙開発史を大きく塗り替えることになろうとは、森田ゆかり自身、知る由もなかった―。父を捜しに訪れたソロモン諸島・アクシオ島で、ゆかりはある男に出会う。ソロモン宇宙協会の所長、那須田と名乗ったその男は、父親捜しを手伝うかわりに、ゆかりを協会にスカウトしたのだった。アルバイト―そう、協会の開発した宇宙ロケットの、史上最年少の宇宙飛行士に!小型で軽量、知能と度胸は抜群―日本の誇る“女子高生”は宇宙を目指す!スラップスティックSFの傑作、新装版としてついに復活。
-----------------------
ロケットの描写はさすが野尻抱介。
投稿元:
レビューを見る
野尻抱介さん初期の作品。『太陽の簒奪者』、『ふわふわの泉』、『南極点のピアピア動画』などと比べると、やっぱり物語の作りが弱かったり、文体が練られていなかったり、未完成感が目立つ。新装版ではもっと締まった文章になっているのだろうけど。新装版買おうかしらん。