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単なる豆腐屋の話だと思ったけど
まあ、うまい豆腐だし、ネーミング面白いし
と思って手に取ったが
結構いろんな意味でヒントになることが多くあった
差別化の仕方、顧客第一主義からくる発想
安売り戦略からの脱却
そしてネーミングを含めた遊び心
品質を追求して、いいものを提供する
だからこそ、そこにある遊び心が際立つ
そして高価格帯で勝負する
単に笑えるかな って思って買ったけど
読み終えて 確かに 納得 と思えた一冊たった
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伊藤信吾さん、イイ!!
この本を読んで、ファンになりました。
「ジョニーって豆腐旨いよね?」
と、次女の塾の先生が言っていたそうで…
家に帰って来て、
「ジョニー食べたことあるよね?」
「あるある男前豆腐じゃん」
「でも、最近、ジョニー食べてないな~見かけてもいない」
ネットで検索をかけると…
男前豆腐店のHP
http://otokomae.jp/
には、ジョニーが無い!
最近、食べているのは「濃厚ケンちゃん」豆腐だ!
ジョニーは廃盤?と、再度、検索…
http://www.sanwatousuian.co.jp/products/johnny/index.html
株式会社三和豆水庵…て、どこ?
そして、この本にたどりつく。
読んで、感動しました。
豆腐の味へのこだわり…マーケティング戦略…
面白い!いいな~楽しそうだ~!
ジョニーの味も日々変化している…と、
段々研究を重ねて、旨くなっていると…
それは、わかります。
ジョニー、以前、私は大好きで食べましたが…
子どもが、にがりのクセがあって嫌だと言っていました。
言われてみれば、確かに感じましたが、
最近、全く、感じません。
まあ、ケンちゃんしか食べていませんが…。
ケンチャンの安さの秘密も…
2006年発行なので、本には書いていませんが…
輸入大豆を使って、ジョニーと同じ製法で
美味しくて安い豆腐を作り始めたと書いてあったので…
ケンチャンは、その方向なんだなあ…と。
三和豆水庵は、もともとお父さんの会社で…
別ブランドとして、「男前豆腐店」を作ったけれど…
お父さんが、社長を退任してしまい、今は、別会社になってしまったとか…。
とりあえず、昨日は、
・男前豆腐店の「ケンチャン豆腐」
・三和豆水庵の「枝豆豆腐」
を購入し、食べました。どちらも美味しい~!
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奇抜なパッケージで目を引く豆腐、ただし評判も悪くない、ぐらいにしか知らなかった。たまにジョニーは買ってくる。確かに美味しいとは思っていた。上梓されてすでに10年経つので、最近はどういう会社になっているのかな、と思うが、筆者が書いた、開発の奮闘努力を読んで、なるほどそこまで工夫を重ねて、作り込んでいる豆腐だということを初めて知った。
日本人には身近で、馴染みがあるからこそ、商売は難しいのだろう。でも、その難しさに、既成概念にとらわれずに、面白みを見出して、ひたすら挑戦し、挫折もしながら研究を繰り返してヒット商品に育ててきた。話の内容からは、筆者の性質はおそらく、いわゆるオタクと呼ばれるものに近いと思う。
ただ目立ちたいというのとは違う。面白ければいい、というだけでもない。全体から伝わって来たのは、徹底した自分の好みに対するこだわり。その好み、の部分がすんなり理解するのは難しく、安易に翻訳が許されない気がするが、あえて言えば、とにかく普通の常識の逆を行きたい、そして、おそらくは、自分自身の常識すら裏切りたい、ということのような気がする。予定調和は絶対に嫌なんだろうと思う。爆発的に最初から受けてやろうとは思っていない。あれ?と思わせたい。でも、ちょっといいかも、と思わせたい。それがやがて本人の想像を超えたヒットにつながっている。やはり、オタクの世界に通じる部分がある。オタクは他人の評価はあまり気にしない。オタクが世に出て、大きく受ける時は、オタク本人は最初から受けを狙っているわけではなく、本人は好きなことを追求しているだけ。筆者がたどって来た道はそれと同じに思える。
父親が大きな豆腐会社を経営していた、という境遇があり、そこに筆者のような息子が存在した、ということは偶然かもしれない。しかし、その境遇の上で、筆者は並々ならぬ情熱で、真摯に味、品質に研究を重ねて来た。奇抜なビジュアルだけで売ろうとする安易な発想では一切なかった。その横で、豆腐業界は全体としては、がんばって企業努力をしてきても、価格競争に陥り、大きな会社がどんどんつぶれてしまった。企業コンサルが考えるような対策とは縁のない世界で、筆者が、境遇をうまく利用し、オタクのノリで大成功した、そのストーリーが面白い。世の中の多くのビジネス本にはまったく書かれていない、学ぶべき点がたくさんある点が面白い。
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豆腐業界の常識を覆した男前豆腐店の経営者である著者は、誤解をおそれずに言えば、「変人」である。同社の製品は、まずその奇抜なデザインのパッケージで店頭にて強烈な個性を放つ。いかにかっこ悪くということがカッコ好いらしいが、こうした感性は凡人にはまねができるものではない。しかしそれ以上に
同社の製品が売れる要因は、そのものづくりに対する妥協なき姿勢であろう。日本に数多くありる豆腐製造業のほとんどが3個100円などの低価格競争から抜け出すことができずに倒産していく中で、同社の高価格な豆腐が受け入れられたのは、間違いなくその味であろう。極端に特徴的なパッケージで人目を引き、関心を喚起し、お試し買いした消費者の期待を大きく上回る味を提供することで、大きな差別化を成し遂げている。
豆腐という伝統的で成熟した産業において、たった一社で短期間に業界のルールさえも変えてしまった同社は、決して所謂MBA的なマーケティング理論を元にこれを計画、実践したわけではない。社長である著者も書中で認めているように、本人は社長業や経営に興味があるわけではなく、ただひたすらにおいしい豆腐をカッコ悪いカッコ良さという独自の世界観をもってお客様に満足してもらいたいという思いで突っ走った結果であるという。
こうした製品は、大手企業の組織の中で計画的な製品開発、マーケティングという流れの中からは決して生まれてくることがないものであろう。
しかし、この会社の成功は、押しなべて同質的な製品による低価格競争に終始している多くの食品メーカーが学ぶべきものが少なくない。