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カニズバーグの原文が良いのか、訳が素晴らしいのか、まずは、その文章の虜になってしまいました。
パリッとした清潔なワイシャツのような・・・そんな文章。一行読んだだけで、相性がピッタリだと確信しました。そして、グイグイと引っ張られるようにして、あっという間に、読了。
何より良かったのは、主人公のお母さん。最初は、感情的だし、言いたいことはストレートに言うし、なんて母親なんだろうと思ったけれど、これが、本当に素敵なお母さん♪
また、無関心のようでいて、要所要所で、的確なアドバイスしてくれる父親も素敵だった。
親として、憧れの一冊。そして、自分の12歳の頃を思い出す一冊でもありました。最高です。
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ここにレビューを書きました。
http://blog.goo.ne.jp/luar_28/e/ebc40800c53e17f3a5d7479bbbf11002
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カニグズバーグって、野球が好きなのかなあ?すごく、野球少年の気持ちが分かるなって思いました。っていうか、子どもの気持ち全般が分かる人でした。
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自分の知らない世界をわからないからつまらないって言っちゃ悪いんだけども・・
野球もそんなに興味が無いし
宗教(ユダヤ教徒)にも興味が無いから
あんまり面白くなかった・・
でもそれ以外の小学生の男の子らしい友情や家族のあれこれはまあまあ面白かった
お母さんが監督に、お兄ちゃんがコーチになった男の子の苦悩
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http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20130712/1373586073
(1969年:『ベーグル・チームの作戦』とニューヨーク・メッツ)
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子供が大人になっていく,現代の通過儀礼のような感じもする物語.野球を通じて,母親が監督,兄がコーチになるという,2重生活のやりにくさ,友情の問題にほのかな恋愛感情など,子供らしい生き生きしたところに大人顔負けのウィットを効かせて,素晴らしい物語になっている.天真爛漫な母親も素敵だ.
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面白い!思春期特有の家族への視点の変化とか、親友との距離感とか、表現が的確すぎてびっくりします。ママが素敵。出てくるセリフがどれもかっこよくて、こんな母親になりたいと思わずにいられません。これは手元に置いて読み返したい一冊。「そしてねずみ女房は星を見た」で紹介された本ですが、本当に読んでよかった!おすすめです!
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野球チームの話なんて、バッテリー以来だなぁ。。と思いつつも、カニグズバーグと、これをおすすめして下さった皆さんの顔を信じつつ、苦手な野球のお話かぁ。。と読み始める
あら!
野球のルールはよく分からないけど、カニグズバーグが描く子どもたちの姿と、その周りの大人たちは、本当に素敵だから、やっぱり面白くって!少年の等身大の気持ちの動きと社会性が交差していく感じ…
マークはいつも、忙しいママの不満ばかり呟いている。
こともあろうに、ママが自分たちの野球チームの監督になるだなんて言い出した。
そのうえ大学生の兄さんがコーチをするというのだ…
ママと監督、兄さんとコーチ、
こどもであり、弟であるぼくと、マーク。
ふたつの立場。
ママとマークの、ママ(ベッシー)と兄さんのスペンサーの、ママと妹のセルマおばさんとのおかしな喧嘩(セルマの夫ベンのあたまが禿げてるとかはげてないとかw)なんというか、そんなケンカシーンが、とてもリアルで面白い。ママに愛情がたっぷりあるからこそなんだけど!
…友だちとのすれ違い、
陰口、悪口、おかしな噂、そういうフェアじゃないことが苦手なマーク。ちっともかっこいい主人公の姿でないけれど、そこがいい。
ベーグル、そう、ユダヤのパン。
なんとも上手いことユダヤ人の象徴として使われています。
クーキーとベーグルとのシーン、可愛らしい!
これ、最初はロールパンと翻訳されていたと聞きますが、ロールパンじゃ、このシーン台無しじゃなかったのかしら…
と、最後のちょっとした事件、魅力的なママの描かれ方、普通の生活の中の、ほんの、一コマをとっても魅力的に掘りおこしてくれるカニグズバーグのスタイル、本当に最高です!
なんでこれ、絶版なんでしょ!
やっぱりカニグズバーグ、読破しなくては。。
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再読。少年が主人公、感情的な母親、お年頃、ガサツな振る舞い、野球といった個人的に苦手な要素満載なのだがカニグズバーグ著で松永ふみ子訳なのですっと読めた。メッセージ性も明確。
そしてクーキーの可愛さと、マークの男らしさはいいですね。子供の潔さとおばさんのグダグダの対比が効いている。
まあ、個人的には「魔女ジェニファとわたし」「クローディアの秘密」「ジョコンダ夫人の肖像」「13歳の沈黙」あたり推し。
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おもしろーい!
1969年にアメリカで出版された本で、カニグズバーグ本人の絵だから仕方ないのだが、
現代ではパッと見の絵で絶対損してるな。
あと野球のルール知ってないと試合風景はイメージしにくいかもしれない。
けど、スポーツ小説であると同時に思春期の成長物語でもあるから、
12才の目から見た友達や親兄弟の姿は愉快に共感しながら読めるんじゃないかな。
ティーンの思いは50年経っても変わらないね。
そんで文章がまあ面白い!
カニグズバーグ自身の文章はもちろん秀逸なのだろうけど、
こんな愉快でリズミカルな日本語にしてくれた松永氏に感謝。
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大学に行き始めたとたん母親を名前で呼び出し、いちいち口ごたえ。一丁前ぶり始めた兄のスペンサー。
家庭内の調和の乱れもさることながら、仲良くしていた友が疎遠になり、思春期の戸惑いにさらされる12歳の弟マーク。
スペンサーへのあてつけかのように母はマークの所属するリトルリーグの監督を引き受け、スペンサーをコーチに指名することに。
いっときはぎくしゃくするも、次第に家族はひとつの方向へ向かっていき絆が強まっていく。
大人になってからこの手の少年期の友情育み物語も悪くない。
微笑ましくもあり、歯がゆくもあり、その上悪意の種と向き合うためのヒントもあり、ときにユーモラス、ときにシリアス。
子ども向けレベルの内容で薄っぺらく感じることなんて全くなく、十分楽しめる。
岩波少年文庫あなどれない。
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カニグズバーグを今まで数冊読んできたが、現時点で本作が一番好きだなと思った。
(今まで読んだのは、クローディア、魔女ジェニファ、ジョコンダ夫人、ドラゴン、ティーパーティ、800番だと思う。全て大人になってから読みました。クローディアがデビュー作、ほぼ同時期の二作目が魔女、で今作が三作目。最初からレベルが高すぎる…!)
少年、家族、友人、野球。
アメリカのごく普通の少年。
毎日起こる激しい変化。
からっと明るいユーモアと、成長を見守る家族。
小説が巧いとはこういうことだろう。
解説めいたことを言うなら、本作は、まさに子供が大人になる儀式の瞬間を描いた作品。
それは公的にはユダヤのバーミツバであるけど、ぼくの精神面では野球チームに母と兄が深く関わり、知りたくないことを知ってしまった瞬間(少年野球メンバー選抜が入札制だったのは初耳。自分の選手としての点数なんて知りたくなかったよね)であり、失ったかに見えた友情を少し取り戻した瞬間、親が自分のグラビア誌の隠し場所を知っていて放置してくれたことを知る瞬間、自分の服を直してくれたガールフレンドが野球の勝敗の不正についてヒントをくれた瞬間(しかも自分たちの!)、野球チームの優勝についての疑念を母に伝えられた瞬間だ。
いくつもの大イベントが怒涛の勢いで続く。
激しい海の波が細かく来るように、息つぎする間もないほど思春期は忙しい。
いちいち波濤を数えていたらキリがないのだけど、大人になった私から見ると、乗り越える成長のスピードが著しくて、いつ越えたのかわからないほど。
大きな流れが一つに繋がっていく。
その全てが心地よい。たまらない。
お母さんのキャラクター造形が素晴らしい。
あっけらかんとして、勢いがあって、当初は反発していた野球チームの少年たちを徐々にファンにしていく様子が気持ちいい。
他の保護者への言い分もズバッとしていて頼もしい。
兄スペンサーもわかりやすく、弟にきつい歳の離れた兄だけど、ずっとフェアでいてくれたことが暖かくて優しい。
数字でヒントをくれた父、別サイドから支えてくれたセルマおばさん、みんな大好きです。
ユダヤ教徒たちの社会の話だけど、日本人には縁のないそれらが、鼻にはつかず、大きな流れとして受け入れられるのも、小説の仕掛け&訳文が上手いから。
なんといっても、表面上、お母さんの神様はダイニングの電灯の上にいるに過ぎないのだから。
そして、挿絵もカニグズバーグ本人によるものだったと初めて気づいた。
絵も上手いんだなあ、と感心しきり。
読みながら、アンダーラインを引きたいところがあちこちあって困った。ここにメモしておく。
p67(セルマおばさんはハイヒールが土にめりこんで、足だけ動く様子は不恰好だった)
ママが歩くと、まるでママ専用のそよ風といっしょに歩いているみたいで、ずっと素敵なんだ。
p71(野球の上手な双子サイモン&シルベスターについて)
思うにバリーみたいに努力して強くなったのより、サイモンやシルベスターみたいにとびぬけて強いほうが、ひとにやさしくしやすいのだろう。あの二人はフォード財団が寄付するみたいに、笑い顔とか有益な忠告を惜しまない。まだまだたっぷり持っているから、計算ずくであたえなくていいんだ。
P119(ママも兄スペンサーも役割をうまくこなした。セルマおばさんも得意の育児教育ネタで野球チームのお母さんたちの相手をこなした)
だんだんはっきりしてきたのだけれど、何事にもつけても、人の考えを変えさせることなんか、だれにもできないものだ。大人は人の話を聞いて考えをかえたりしないものだ。ただ話し合って折り合いをつけるだけだ。これでセルマおばさんに新しいお得意の分野が開けた。ママが隊長、スペンサーが軍曹、そしてセルマおばさんは従軍説教師だ。
日本の児童文学で、プレイガールをお金をとってチームメイトに見せている行為を描くのは難しいだろう。そのうえ、この作品のママはそういうグラビア雑誌を自然に許容し、次男の隠し場所もわかったうえでそっと放置してくれた。
これがアメリカの1969年の作品なんだ。本当に凄い。
さらっと食洗機も登場。こういう物質的な豊かさがママの時間や精神の自由を生んでいると思うと、日本の当時とは比べるまでもないし、今でも日本の家庭はまだまだアメリカのレベルには及ばないんだなあと思う。日本でこのレベルの児童文学が読めるのはいつになるだろう。
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ユダヤ系アメリカ人の文化を垣間見ることができる。
このお母さん、堂々としていて、フラットで、ユーモアもあって、理想的だなぁ…。
古いけどたくさんの学びがある本。
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カニグズバーグは、子供とその家族を描かせたら、無敵だな。親の数だけ子供たちを描き分け切る。今回は少年野球の話。お母さんがとびっきり、素敵だわ。お父さんも渋い。
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ママが監督、兄さんがコーチ、僕の立場は?
ユダヤ人の少年マークは、突然母が自分の野球チームの監督になったことを知らされる。母は兄スペンサーをコーチに迎え、マークは「母と息子」「監督と選手」だけでなく「兄と弟」「コーチと選手」の難しい立場に一苦労。仲の良かったハーシュはバリーと仲良くしており、マークはこの関係にも戸惑う。しかし迷い悩み立ち止まりながらも、マークはひとつひとつ前進していき、大きな決断を下すのだった。
身内が監督とコーチであるために、自分の評価が低いことを知ってしまう。その時マークは自主練習をする。上手になってからは贔屓されていると思われないように、誉めてくれない母や兄の立場を理解する。また母の監督としての手腕を評価する口振りもいっぱしのもの。周囲をよく見て、不必要に相手のメンツを潰さないように口をつぐんだり、私怨で人のチャンスを奪わない態度だけでなく、大事な試合における反則行為を適切な時に告げることができたのも素晴らしい。実に賢い少年である。
そのマークを育てたのだから、ベーグル母さんも立派なもの。チームの一人ひとりを確実に成長させ、勝てるように導いていく。その目的は負けっぱなしで負け犬にならないように、負けて諦める根性なしにならないように、と。監督としてだけでなく、母として思春期を迎える息子のプライバシーを尊重することも知っている。勝利は2番目、1番は一生懸命にやることという大切な試合で起きた事件への対処も見事。
カニグズバーグ作品の登場人物は、知恵のある子どもの主人公が多い、そしてその態度や言動によって一人前に扱われることが多いと感じる。そこが憧れと感じる人には魅力的な物語である。