紙の本
谷川史子って、前々から気になっていたけど、やっぱり、いいです!!
2010/09/23 10:16
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
みっつの恋愛短編集。
表題作の「積極」は、教授に片思いする女子大生のお話。
なんとも、せつない。
教授に焦がれるあまりに、主人公の美幹は、
同棲中の彼から心を見透かされ、
別れを告げられてしまう。
肝心の教授のほうは、といえば、
亡くなった妻をいまも胸の奥に住まわせ、
ほかの異性に心をひらくことはない。
それでも美幹は、めげずに教授を慕いつづける。
そしてある日、
ささやかな思い出をつくるチャンスに恵まれるが・・・。
淡くて奥ゆかしくて、恋ともよべないような。
いつかほんとうに向き合う相手にめぐり合えるまでの通過儀礼。
でも、そのなかにいるときは、全てが見えない。
もどかしい思いが、細かな感情の揺れが、伝わってくる。
きゅんときてしまいます。
「スパイラル ホリディ」は、
あるカップルの結婚パーティー当日のスケッチ。
このパーティーに関係する人々の動きが時系列で語られていく。
新郎は忙しすぎる編集者だし、花嫁はとにかく眠る。
そして幹事は朝からてんてこまい。
料理を担当するシェフは、デザート用のナイフを忘れてしまう。
といった具合のドタバタコメディー。
はたして、パーティーはうまくいくのか・・・。
まるで小説みたいに、いろんな場面が展開される。
まんがでもこういうことができるんだ・・・と
はっとさせられる一作。
「風の道」は、ファンタジーというかほのぼのホラー。
もし、あの日に戻ってそこからやり直せたら・・・という
おなじみのテーマが、地に足のついた目線で
リアリティをうしなわずに、
日常の大切さが嫌味なく描かれている。
どれもがまったく違うおもむきで、
この作者の持つ引き出しの多さに驚かされる。
そして、どの作品にもほのかな幸せ感が漂う。
まとめ買いした他のコミックスを読むのがたのしみである。
いくつになっても、少女まんがはやめられない!
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谷川史子が、「ちはやぶるおくのほそみち」に帰ってきました。ここ数年、表題作のような傑作短編が多く、嬉しい限りです。川上弘美『センセイの鞄』が好きな人にオススメ。
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表題作は、雑誌掲載時書店で立ち読みしていたにもかかわらず涙が止まらなくなってしまった作品。
待ってました。
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10/20町田アニメイトにて購入。個人的にも大々的にプッシュしたいこの一冊。切なくけれど愛おしく、そしてとても優しい
読み切り短編が4本、ぎゅぎゅぎゅっと詰まっております。特に表題の「積極」がおすすめ。やっぱり谷川史子節はいい!星5じゃ済まない!10ヶ位付けさせろ!と叫びたい程素晴らしいです。
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今回も楽しませて頂きました。
でも、どっちかっていうと初期の雰囲気の方が好きかなあ…。
これはこれでいいんだけど。
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谷川さんの漫画は学生時代から愛読。 この表題作は、本屋で立ち読みしていて、うっかり泣いてしまったもの(^^;;) 『センセイの鞄/川上弘美』が好きな人もツボなんじゃないかなぁ。
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なんといえばいいのか。変わらずココロのど真ん中を打ち抜く話を書かれる方です。表題作はハッピーエンドだとは言えないのですが、でも好きです。
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谷川史子先生の作品は本当にすごいです。私は今の日本で、この人ほど短編のすばらしい作品を描ける人を他に知りません。表題作、すごくよかったです。どの作品もすごく好きですが、これが一番になりました!
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愛する人は、大学のおじーちゃん教授。最後の句に泣かされます。谷川さんの作品は、絵がほんわかですが奥が深くて大好きです。
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随所で見かける書評には表題作が一押しと書いてあるのが多いけど、私はそう思わなかった・・・。世間と若干ずれております。
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久々に谷川史子さんの漫画読みました。
相変わらず心地よいテンポと温度。
表紙と内容がかみ合ってないけど素敵。
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谷川史子は子供の頃から大好きな漫画家だったが、「王子様といっしょ!」以降、好きな方向と離れてしまったので手にとることもなくなっていた。しかしこれは友人の強力プッシュによって手に取り、久々に納得いった谷川作品。
最初に読んだ時はまず川上弘美の「センセイの鞄」ぽいなと思った。しかし何度か読み返すうちに、かつて読んだ谷川作品の「緑の頃わたしたちは」(「きもち満月」収録)に通ずるところがあるなと気付いた。年齢差のある憧れの人、自分を恋い慕ってくれる同年代の男の子。主人公の行動の違いも、年齢による立ち位置が変わったからかなとも思った。ある意味「緑の頃〜」の大人版とも言えそう。
全体的にしっとりした表題作に対し、他の収録作の二作品は谷川さんらしい、明るく素敵な作品。相変わらず表情で気持ちを描くのが巧い。久々に他の作品も読み返したくなった。
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大好きな作家。何度も読み返してしまった。誰かを好きになるって、きっとこういうことだよね。。。って感じる作品でした。
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私が絶対に定価で買うと決めている漫画家さんの一人、谷川さんの本…。出ているのに気づかず、数ヶ月遅れで読みました。
読めてよかった。谷川さんの短編はいいなぁ。「積極」は本当にいいです。何度だって泣ける。
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泣きました。本当に、タイトルのまんま。愛のうた。この作品を読んで、短歌のすばらしさを再発見しました。本当に、良い用い方をされていると思います。一つの愛の形があるわけですね。