紙の本
相対的貧困?ハア?
2006/10/30 10:36
21人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大竹文雄氏の名著「日本の不平等」で完膚なきまでに打ちのめされた橘木俊詔。その橘木が満を持して放った概念が「絶対的貧困」ならぬ「相対的貧困」というヘンテコ概念だ。働かなくても、若いときに犯罪の限りを尽くして40代になって働き口がなくなった元暴走族や麻薬常習者でも「生活保護」という美味しい蜜にありつける福祉大国・日本」(日本では若いときから勉強もせずスーダラを決め込み、老齢になるまで生活保護をもらい続け、最後は特別介護老人ホームに優先入居するのが最も美味しい人生という話さえある)。その日本で貧困、貧困と橘木はわめく。いくら騒いでもだれも注目してくれないので、ついに自分が説く「貧困」とは「絶対的貧困でなく相対的貧困だ」といらぬ説明をし始めた。しかし、これって、隣がベンツ買ったらカローラに乗っている私は貧乏だという嫉妬心であって、それ以上でもそれ以下でもないじゃん。そんなにベンツが欲しかったら、もっとい働いてもっと貯金してベンツを買えば良い話。それが出来ないならカローラこそ私のベンツと「我慢」することが生活の知恵であり人生の知恵ではないか。大衆の嫉妬心をあおりおもねる似非学者橘木。その本性というか馬脚が表れたのが本書だ。
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近代経済学者である著者は、競争によって経済効率を高める事は大切な事だと思っている。(65ページ参照)だが、そうすると、競争に勝っていける”いわゆる勝ち組”だけがどんどん豊かになるけれど、勝つことが出来ない、”いわゆる負け組”は全然豊かにならない、という格差が近年どんどん広がっていると説く。そして、この負け組の数がどんどん増加しているとある。私などには他の世帯が、どの程度の暮らしをしているかなどははっきり言って、なかなか見えてこない。隣の家の世帯が、どんな生活レベルなのかも、はっきり言ってよくはわからない。よって、「日本は今、そんなに深刻な状態になって来ているのかな?」と、ちょっと驚きながら読んだ、というのが実感である。
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流行りですよ、格差社会。具体的にどのように格差が広がっているのかを幅広く説明してあるし、難しくなりすぎないようにそれを目指したのだろう。経済学の他の多くの分野のように、所得格差の拡大も様々な係数や指標で測る向きがあるけど、格差なんて主観的感覚なんだから、僕なんかはこの部類の問題は係数や指標では図れないと思っています。ごめんなさい、あまり勉強してない学生のただの言い訳です、指標を無視しろなんて馬鹿な学生しか言いません。まあ、僕が馬鹿なのは置いといて、そういう意味であくまでも簡単に書かれている方針は納得。だけどその分、経済を専門とする学生が読むべきほどの内容が含まれているかは謎。あくまでも、一般向きの域を出ないのでは?
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データは少々古いが、現在の格差社会の問題点とこれからの対応などが良く分る本。
図表が多いのが嬉しい。
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題名の通り、広がる格差についての本。
漠然と感じていた機会不平等みたいなものを
データと共に言語化してくれた本。
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広がりつつある日本社会における格差問題についてわかりやすく論じている。社会保障・経済の資料としても使える。
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『日本の貧困研究』をもっと啓発的に、分かりやすくした本。そういう意味では新しいことはあまり多くないが、まとまっている。エモーショナルな例えも随所に見られ、著者の危機意識が見える。
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日本における経済的な意味での格差のはなし。
内容は、グラフやら統計やらもちだして、一見もっともらしい論理も実は飛び飛びでつながってなかったりするが、すんごい多方面に話をひろげているので、それなりの面白さがないこともない。
けどまぁ、たいしたことない。
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最後まで全部読んだ新書はこれが初めてじゃないかな…。
「格差社会」は本当に問題になってきているのか?もしそうだとしたら解決策は?―と深く考えさせられる本。
ただ著者が本当に様々な視点から論じているようには思えなかったので、疑問を抱く点も。
ひとまず「格差社会」を知りたいなら読むべき。
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最近、勝ち組負け組みや下流社会なんかも流行っていました。
この本は以前売れた下流社会よりもデータがしっかりしていて説得力がありました。
個々のデータのメリット、デメリットを挙げた上での分析をしていました。
所得再分配が日本は実は世界の中でももっとも最低レベルであることが示されているのに驚いた。
ジニ係数も格差の指標として注目されているがこれも先進国の中でも最低ランクである。
ローズズの正義論もとりあげられているが彼の主張した
「最低クラスの人が一番幸せになるようにする」というのはこの日本でも大切なのではないだろうか。
安倍総理の再チャレンジ支援もその対策費が減少していることからも形骸化しているような気がしてならない。どのような人の再チャレンジを目指しているのかも良く分からんとです。
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読んだ。
格差って何さ
なんで平等じゃなくなったの
実際に日本で格差って拡大してるの
格差が拡大するとどうなるの
とかなんとかいう章立てで、章立て自体は凄く頭に入りやすい流れだった。
なんか論文って感じ。
中身がね。。。
まあ、短い本だから仕方ないけど、数値の定義とかしてないし
数字から読み取れる事に関して時々論点をずらしてるような感じするし
なんだかなぁ、と思ってしまった。
基本的に、現象について説明をしているけど、なぜそれがおきたか、
については言及がなされてなかった気がします。
なぜの部分を解明してそこに手を打たないと本質的な解決には至らないと思うんですが。
まぁ、若年層、高齢者、離婚した家族の貧困率が増えているらしいです。
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格差論の基本文献。データ中心に手堅くまとめられている。日本が国際的に見て「非福祉国家」であるとの指摘は新鮮だった。貧困問題の解決には,国の関与が不可欠。本書でも指摘されている最低賃金の是正は実現される気配だが,その内容はまだまだ。職務給の導入はラディカルだが,検討すべき時期に来ているのかもしれない。
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今から三年前に書かれた本だけど
今2009年に問題になっていることが正に指摘されていることに
すごいなって思った
当時はちょうど格差社会って言葉が流行りだしたころで
私はそうなの?実感ないけど。。くらいにしか思っていなかった
小泉内閣の方針で実力主義な社会になっていったわけだけど
その結果が今出てきている
果たしてよかったんだか、、私は失敗じゃないかと思います
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経済学者の立場から、現代の格差について、その現状と行方を中央省庁や内閣府が行った調査などを用いて解説した画期的な書。
発行が2006年と、今では古くなってしまったのが難点だが、格差社会をどのようにして乗り越えていくのか、という解決策も提案されているので、一読の価値はある。
どこの社会にもそれなりの格差は存在する。しかし、どの程度まで格差を容認するかが問題なのであって、日本の現状は十分に問題視しなければならない局面に来ているということを本書を読んで痛感させられた。
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漠然と感じていた「経済格差」がデータと言語化ではっきりとしたものとなった。この本が書かれた当時、日本の貧困率は先進国の中で第3位。経済格差の何が問題なのか、なぜ格差が起きたのか。格差が出るのは悪いことなのか??最後まで読みやすく、考えさせられた。