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世界にまたがるベビー市場の実態と
適正化に必要な現実的方策
生殖医療や養子など、子を望む人々のために現に市場と呼べるものがが存在する。まずこの実態を明らかにし、倫理を問うのではなく、必要な枠組みや規制を導き出した本。(12/18/2006、NT07年2月号用原稿)
著者はハーバードだかのMBAなので、倫理だのなんだのというまどろっこしい議論はしない。いったいのその市場はどんな規模なのか、実態は?みたいなところから始めて、現実的な問題点を洗い出して、それを解決する方法を考える。感傷的な部分もまったくなくて、まあ、こういう視点もあってもいいんだろうなと思う。
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子供が欲しい、と願うのは動物として至極当然のことだ。でもそれが叶わない人がいる。パートナーが不妊である場合が多いけど、科学はそんな不幸な人々へ救いの手をさしのべている。そういう科学技術が既に巨大な市場として我々の眼前に現出しているという現実を明らかにする本。下手に倫理をふりかざさず、あくまで経済的な視線に立ってるので論点がぶれておらずわかりやすい。日本ではどういうわけだか「倫理」が振りかざされNGとされることが多いけど、グローバル化する現代において自国で禁止令を出すだけというのはあまりに短絡的すぎる。臓器移植が必要な第一子のためにドナーとしての「機能」を持つ第二子を産むというのは、さすがの僕でも驚いたけど、二人の子供が幸せに暮らせるのであれば、それも一つの解ではある。不用意な技術の封印は闇市場の拡大を招くというのは目に見えているわけで、世界に広がる生殖市場をコントールする難しさがよくわかるレポート。
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人を売るビジネスは違法だが、絶対にこの世からなくならない。
なぜなら人は、絶対的にほしいもの(子供)に対してはどんなリスクや大金を払っても手にいれようとするからだ。
ならば、なくすことではなく、
その構造をしっかり理解して、対抗策を考えるべきだ!
という作者のものすごいミッションに基づいて書かれている本であったが、
私は途中で挫折した。
なぜなら、女にとってえぐすぎる内容だったからだ。
やはり、自分に当てはめて考えてしまったり、
自分の結婚や出産が妙に不安になってしまったり、なんだか今の精神状態では読めない!と思ったw
でも、本当に隠れた市場のデータがしっかり集めてあって、
将来的にまた手をつけたい本だと思った。
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[ 内容 ]
子どもという商品をめぐって拡大を続ける次世代生殖ビジネス。
その最前線で、いま何が起きているのか?
生命を売買する新市場の実態。
[ 目次 ]
序章 愛の産物から技術の産物へ―赤ん坊取引の現実
第1章 受胎を求めて―不妊治療の歴史と変遷
第2章 さまざまなプレーヤー―現代の妊娠市場の仕組み
第3章 子宮を貸す女性たち―代理出産市場の出現
第4章 完璧な人間の追求―着床前遺伝子診断とデザイナー・ベビー
第5章 奇行か、救済か―ヒトクローンの作成
第6章 家族を作り出す―養子縁組市場の歴史と現状
第7章 より良い未来のために―赤ん坊市場のこれから
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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最初は倫理的な話が主かなと予想して手に取ってみたら、むしろそれは極力排除されていて、もっと今現在の市場の話、それと体外受精など専門的な話で構成されていました。
理系の話は難しくて…クローンについても体外受精についても半分も理解できなかったと思われ…。
あなたの子供はプライスレス!その本当の意味。
読み手が20代の吞気な独身か、タイムリミットの迫るアラフォーかでこの本から受ける印象はだいぶ変わるんじゃないかな…。
あるまた改めて読みたい。
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善悪の視点はさておき、赤ん坊をとりまく生殖的ビジネスが
存在していることは事実。それが生々しく描かれます。
価値判断を下す前に、しっかりと事実を見る・知る。
そこに携わる人々の思いを聞く・知る。
そのあとでも価値判断は遅くないはず。