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待望の野沢作品の文庫化。飛びついて買っちゃいました。でも。なんだけど。読みたかった野沢路線とはちょっと違ったかな。残念。巨悪に立ち向かうアウトローな刑事のお話。暴力、麻薬、レイプ、発砲、ヤクザ、警察官僚・・・。適度に配置された山場たち。脚本家としての野沢氏を濃く感じさせる作品でした。
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北野武監督「その男、凶暴につき」の原案。原作ではない。どうもクスリだのドンパチだのアウトローな警官だのという話は苦手である。ハリウッド超大作とかならスカッと何も考えなくて良いのだけども。そのわりに面白く読めたのは、ひとえに野沢尚の筆の力。惜しい人をなくしたもんです。
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久々の野沢尚作品。
脚本家として有名な作者だけど、私はこの人の初期の小説「恋愛時代」が好き。
その後、発表する作品は、脚本家上がりとは思えないぐらい、ミステリー色が濃くなり、有名なミステリー作家と比べても遜色変わらない。
この「烈火の月」も同じく、非常にスリリングな展開であっという間に完読。
破天荒な刑事・我妻のこれからも期待出来そうな仕上がりなのに、この作品が単行本化された、その5か月後には自ら命を絶ってしまう・・・
好きな作品が多い作家だっただけに、もう新しい作品が読めないと思うと、寂しくてならない。
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その男、凶暴につき
の原作だったようだ
警察ものらしく暴力シーンは多いが
どこか憎めない主役に惹かれた
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野沢作品2話目
面白い。後半は一気に読んだ。
前半は、何だ型破りな刑事のスタンドプレーが絶賛される話か、
と思っていて、好きではない話かもと思ってなかなかページも進まなかったけど、中盤ぐらいから引きこまれた。最後の清弘達との対決とか、上層部とのやりとりとか、目が話せなかった。
最初気になったのは、1章のタイトル「その男、凶暴につき」。
北野武初映画監督作品と同じタイトルだ、と思って、あれ?これが原作?そういえば、主人公の性格は似てるかもと。(あの映画は面白かった)
けど、映画はもうずいぶん昔の放映だけど、この本はそれより前?でも放映後の現実の事件の話とか出てくるしなぁ、と思っていたら、この人が映画の脚本書いてて、撮影現場で原型残らないぐらい変えられたから、小説として生まれ変わらせたみたいなことが書いたった。なるほどね。
結末は映画とは全く違うけど、引き込まれる話だった。
でも、この人、亡くなってたんだね。もっといろいろ読んでみたかった。
残念。
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野沢さんの小説はストーリーが結構好き。人物像も浮かび上がってきやすい。
この本も同じく。薬でボロボロにされる所はあまりに苦しくて読み飛ばしたくなるくらい。最後の対決シーンはもうハードボイルドか戦争ものの世界。ちょっと現実ばなれした感じやったのが残念かな~★
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警察の不祥事とか揉み消しとか内部癒着とかが、
日常茶飯事になってしまって久しい昨今、
切り口自体はさほど真新しさはないんだけど、
細かくて具体的な描写のせいか、
はたまた強烈な登場人物のせいか、
なかなか面白かった。
すべて円満解決じゃないとこも好感持てますが、
最後もうちょいひねりがほしかったな。
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大好きな野沢作品ですが、相変わらずの重たさに懐かしさが込み上げてきました。
麻薬と警察のつながりを描いた物語。
型破りな刑事が暴れまくるお話なんですが、読めば読むほどケイゾクの渡部さんのイメージに。
読み応えたっぷりです。
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一度読んでたはずなのに、未読だと思ってまた読んでしまった。
千葉の臨海都市、愛高は若者達の麻薬の巣窟となっている。その街の暴力刑事我妻には、彼のDVの後に離婚した妻と精神疾患で暴れまわる幼い娘がいる。
彼の元に麻薬取締捜査官の烏丸瑛子が現れ、徐々に警察の腐敗が露呈していく。
野沢尚らしい徹底的にバイオレンスな描写と、じわじわと核心に近づいていく様が面白い。警察物にありがちな勧善懲悪では決してないし、主人公は正義のヒーローですらない。
エネルギッシュで、まるで本から息遣いが聞こえてくるような話だった。
全体的に救いようのない物語なのに、読み切った時の達成感が心地よいのが不思議。
あとがきで知ったのだけど「その男、凶暴につき」の元になった脚本を書き直したものらしい。言われてみれば表紙が酷似。
これについては、作者はかなりの因縁があるようだった。
こんなに「生きろ」と叫び続けた作品の後に、自ら命を絶たれたということがとても残念。
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うーん、評価が難しい小説です。
小説にのめりこめてしまう引力を持っているし、暴力やら麻薬、性などかなりえぐい部分もあるし。
野沢氏の小説って全般に「生き続けていくことの大切さ」があるんですよね。
それなのに、、、と思ってしまいます。
この人の小説を読めば読むほど悲しくなってきます、、、
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深作欣二が監督する予定で書いた脚本。急遽ビートたけしが監督となりその脚本を大幅に変えて、大ヒットした「その男、凶暴につき」その原版ともいうべきものである。野沢尚の深作欣二への思いというか執念はすごいものがある。あんなに嫌っているあとがきを書かざる負えないとこまで、深作へのこだわりが強い。しかし、たけしへのリスペクトもあり、複雑な心境がうかがえた。さて、本作。相変わらずうまい人物描写。凶暴な男と凶暴な男が対峙するシーンなど映像が起ちあがってくるほど。暴力的な描写も非常に秀逸。とにかく、各々に孤独と哀愁を抱えた登場人物たちがぶつかり合う戦闘シーンは圧巻である。警察組織というもう一つの闇も忘れず描ききっている。面白かった。
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死ぬ前の2作品前。
暴力警官と、マトリで街の麻薬犯罪を取り締まって行く。背景が非常にダークでここまで人の暗い部分をよくかけるなと感じる。死ぬ前だから作者もおかしいような気がする。
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話にはぐいぐい引き込まれるけど、如何せんエグい部分も多く、精神的に疲れる内容。
何事もメデタシ、メデタシでは終わらない所がこの作者さんの良いところでもあり、悪い所でもある、と私は思ってます。
本の中には「生きる」ことを真摯に考えていたと思われる描写があるにも関わらず、自ら死を選んでしまった野沢さん。そこに何かしらの葛藤はあったのでしょうか。
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野沢さんは、天才です。
麻薬に絡んだ殺人事件を発端に警察組織の異端児とも言える刑事・我妻が多くの殺人・麻薬事件の全貌を暴
ハードボイルド的な小説。
破壊的かつ衝撃的な描写が多いながらもそういった描写以外に読者を惹き付けるものがある読み応えのある作品でした。
映像が脳裏に浮かぶような表現や巧みな心理描写は流石の一言。
これからもっともっと沢山の野沢作品に触れたかったのに・・・と彼の死を改めて遺憾に思います。
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笑いながら人を殴ることが特技というヤク種刑事が、巨悪に立ち向かう。
ホームレス狩りの少年達を、正当防衛を大義名分に囮捜査でぶちのめす。
そんな始まりから、麻薬密売人を捉えることに。
警察組織内の膿が至る所で蔓延する。
そして、ひょんなことからマトリの女性と組むことになる。
犯人を追い詰めるマトリの女性は逆に捕まりシャブ漬けにされてしまう。何度も何度も陵辱される。
やがて、女性は犯人を撃ち殺す。
レイプされ、自ら殺した犯人の子を身籠ったことを知る。彼女の決意は産むことに。
初めて読む作者でしたが、もの鬼籍に入られているようで残念です。
重厚な一冊でした。