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子どもと親と教師のためのサイバーリテラシー ネット社会で身につける正しい判断力 みんなのレビュー
- 矢野 直明 (著), サイバーリテラシー研究所 (著)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:合同出版
- 発売日:2006/12/30
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紙の本
情報教育の入門書:子どもと一緒に読んで、学んで、考えていこう
2007/04/17 05:50
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆきな - この投稿者のレビュー一覧を見る
家庭で学校で使える情報教育の入門書です。インターネットのしくみ、利用法、マナー、ルール等、インターネット社会における基本的な知識を得ることができます。IT用語やアドバイスも参考になります。イラストをたくさん使って図解していますので、子どもやパソコン初心者の大人も理解しやすいです。また、2007年4月9日から朝日小学生新聞ではじまった「子どもと親のネット教室」という連載は、本書がもとになっています。
「サイバーリテラシー」とは何でしょう。聞きなれないことばです。本書によれば、「現実社会とネット社会の違いを知り、ネット社会を正しく安全に生きるために不可欠な知識と能力」のことだそう。短くいうと、副題の「ネット社会で身につける正しい判断力」ということになるのでしょう。でも入門書ですから、まずは現実社会を取り巻いているインターネット社会のしくみや利用法から教えてくれます。
子どもに「インターネットってなあに?」と聞かれて、わかりやすく説明することができますか? 私はできません。ネット歴9年。しかし私はインターネットのしくみをよく知らないまま、なんとなく使えるようになってしまった人間です。感覚的にはわかっているのですが、うまく説明することができないのです。
我が家では、子どもがインターネットの世界と関わるときは、「親のいるときに、時間限定で、決められたサイトのみアクセスすること」という条件で許可してきました。「どうして決められたサイトへしかアクセスすることができないの?」と問われると、「危険だから」というあいまいな答えしか返せません。さらに、「どういうふうに危険なの?」と問われると、言葉をにごしたり、「とにかくいろいろ危険なのよっ!」と逆ギレしたり。子どもが成長するにつれ、理由なき制限を続けているわけにはいかなくなりました。
そんなときに出会ったのがこの本です。読みやすい。わかりやすい。頭の中のぼんやりごちゃごちゃが、スッキリクッキリ整理されました。
我が子たちのインターネットの使い方は、まだ「調べる」「見る・聞く」という段階です。しかしこの段階であっても、著作権の知識が必要です。学校における調べ学習等での「引用」について、どの程度教えているのだろうと気になりました。
メールや掲示板等を利用するようになると、マナーやルールが必要です。楽しさは広がりますが、ことばのやりとりの難しさ、スパムメール、個人情報、匿名性を利用した危険などが潜んでいます。ケータイを利用するようになると、親の目も届きにくくなります。さらに、金銭が絡むようになってくると、また違ったトラブルが待ち受けています。
読み終わった後、思いました。インターネットは制約のない世界。便利と危険が混在しています。子どもが危険と出会わないようにするためには、大人が責任をもって守らなくてはならないのです。インターネットでできること、気をつけけなくてはいけないこと。その両方をふまえた上で、子どもの年齢や段階にあわせ、うまくつきあっていく方法を教えてあげなくてはならないのです。
インターネット社会は常に進化しています。それに伴い、便利性や危険性も増しています。入門書を読んだ程度では、すべてにおいて正しい判断ができるようになるとは思えません。しかしこの本の知識が判断基準となり、小さな危険を回避することはできるでしょう。もうインターネットのない生活は考えられません。理由なき制限をするのはやめて、この本を子どもと一緒に読んで、学んで、考えていこうと思います。インターネット社会で生きる賢い利用者となるために。
■サイバーリテラシー研究所
http://www.cyber-literacy.com/
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