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ドラッカーの比較的新しい著作、といっても1985年刊行。原題は『Innovation and Entrepreneurship』とそのままです。
有名なイノベーションの7つの機会について具体的なケースを散りばめて説明されています。
1.予期せぬ成功と失敗
2.ギャップの存在 (業績、認識、価値観、プロセス)
3.ニーズの存在 (プロセス、労働力、知識)
4.産業構造の変化
5.人口構造の変化
6.認識の変化
7.新しい知識の出現
そしてこれらの機会を捉えて分析し、知覚し、意思決定して、具体的に行動しなくてはならないと説いてます。本書では、そのための体系的な理論がまとめあげられています。読み物としても一級品ですし、各コトバに抜群の説得力があります。
「イノベーションの機会がすでに存在する分野において、資源の最適化にとどまることほどリスクの大きなことはない」
イノベーション(=変化)をよしとする企業家精神はベンチャだけでなく、現在では特に既存の企業にこそ必要ということになります。これからも何度か振り返ってみたい本です。
やっぱり星5つ。
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この本の中にはひとつとても目からうろこの格言が書いてあります。
ドラッカーはこういいます。
「情熱というのは心のありようではない、行動の様式だ」
素晴らしいです。僕もそう思います。
激しいモチベーションをもちながら、なんとなくそれが伝わらない、から回っていたちょっと前の自分にみせてやりたいです。
出会えてよかった一冊だと思います。
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ドラッカー第二弾となります。どれでもよかったのですが仕事上この内容が一番はまりそうなので選びました。
さすがの内容ですが、ここからどうしようという疑問と内容がぎっちりで再度読み直し本に決定です。
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(K) シュンペーターは創造的破壊と呼び、ドラッカーがイノベーションと呼んでいる新しいことを創造するプロセスについてまとめた本。イノベーションというと、「当たるも八卦当たらぬも八卦」という博打的な要素が濃いと思いがちであるが、ドラッカーはイノベーションはコントロールできると言い切っている。そのために、何に目をつければ良いのか、どこにイノベーションの芽が隠れているのかを洞察した内容。「予期せぬ成功と失敗」にイノベーションの芽が隠れているらしいが、言われてみれば特に予期せぬ成功はほとんど分析されていないということに気が付く。そういう意味では、我々の組織にはイノベーションを創造する文化が埋め込まれていないのではないかと感じる。
発展途上国が急速に力をつけ、我々をキャッチアップしている現在、我々先進国がやるべきことはイノベーション以外になくなってきている。その危機意識が不足しているというのも恐ろしい事実である。その危機を我々一人ひとりがもっと実感し、何をしなければならないのかを語り合い、そして行動を起こしていくことが重要である。本書はそのディスカッションのきっかけを与えてくれるはずである。
でも、正直言えばなかなか頭に残りにくい本だった。ドラッカー独特の言い回しが文章の意味を広げすぎていてわかりにくくさせているという部分もあるが、何よりも読み手のレベルが追いついていないというのが大きな問題だと感じた。数年後に改めて読み直してみると、別の発見があるのかもしれない。
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「もし高校野球の女子マネージャーが…」がベストセラーとなりさらに脚光を浴びつつあるP.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」。
前半の第Ⅰ部ではイノベーションのための7つの機会について書かれており、後半の第Ⅱ部で企業家精神、第Ⅲ部で企業家戦略について書かれてある。
同類書籍ではクレイトン・クリステンセン教授による「イノベーションのジレンマ」が非常に有名であるが、その書籍に記されている破壊的イノベーションについても、本書で既にその骨格は示されている。
変化を好まない、不確実性を恐れる企業家的でない者は意思決定ができないため、あらゆる現代の仕事に向かないとドラッカーは説く。つまり「変化」を「機会」ととらえることができる企業家精神は全ての人間に必要だということである。
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イノベーションを起こすために必要なものが明解に語られている。これまでに読んだどんな本にも優る本だった。新事業を立ち上げようと考えている方は、読んだ後是非とも手元に置きたいと思うに違いない。
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改めて経済が低迷し市場が成熟化しているなか、イノベーションとは何かを考えさせられる。
企業家にとって必要なことは、変化を脅威ではなく、機会として利用すること。
それは誰かが掲げている標語でも精神論でも絵空事でもなく、行動として日々体系的に分析することから始まる。
予期せぬ成功からは機会を、失敗からは問題だけでなく機会を発見する。
イノベーションはこんな日々の仕事から生まれることに気付いていただろうか?
イノベーションとは、本書の冒頭にも書かれてあるとおり、企業家の性格や心理ではなく、「姿勢と行動」なのである。
そして、イノベーションにとって最大の障害は、既存の事業そのもの。特に、成功している事業。そんな過去の成功体験も「廃棄」して変化していかなければいけないと痛感する。
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[ 内容 ]
本書は、一九八五年、著者七五歳のときの著作である。
イノベーションと企業家精神が誰でも学び実行することができるものであることを明らかにした世界最初の方法論である。
[ 目次 ]
第1部 イノベーションの方法(イノベーションと企業家精神;イノベーションのための七つの機会;予期せぬ成功と失敗を利用する―第一の機会 ほか)
第2部 企業家精神(企業家としてのマネジメント;既存企業における企業家精神;公的機関における企業家精神 ほか)
第3部 企業家戦略(総力戦略;ゲリラ戦略;ニッチ戦略 ほか)
企業家社会
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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2007年発刊当時何度も読んだ。
今になって、ここに書いていることのいくつかが
思考の原点として染みついていることに気づく。
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初めてのドラッカー。結論を与えるのではなく、事例を淡々と紹介し、分析して行く。恐らく読み返す事でもっと効いて来る気が。世は哲学ばかりでなく、ドラッカーも流行りらしい。意外に勤勉なんだな日本人。日本再生も意外に早かったりして。
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イノベーションは知っておいた方がいいと思う。しかし、私には難しく読みづらく入門書としてはおすすめできない。
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イノベーションとは新しい技術ではなく、顧客の創造である。
ベンチャーに求められる要件
①市場志向
②財務計画
③マネジメントチーム
④創業者の役割の規定
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イノベーションの意味すらわからない
僕でしたが、読んでなるほどと
思えました。
さすがドラッカーと
いうべきでしょうか。
イノベーションとは
「より優れた、より経済的な財やサービスを想像すること。企業はより優れたものを創造し供給しなければならない」
福祉業界は(公的機関)イノベーションの難しい状況とありましたが、それは
絶対に不可能というわけではないと
思います。
私たちに何ができるか?
ドラッカーを深く学んでいきたい
と思います。
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25年前に書かれたとは思えない1冊
イノベーションの7つの機会
1. 予期せぬ成功と失敗を利用する
2. ギャップを探す
3. ニーズを見つける
4. 産業構造の変化を知る
5. 人口構造の変化に着目する
6. 認識の変化をとらえる
7. 新しい知識を活用する
これだけを挙げると今更とも思えるが、本書の細かい記述やケースを見ていると、成功例も失敗例も今まさに自分の目の前で起きていることそのものである。
イノベーションというとともすれば7のような技術刷新、科学技術の進化によって新しい価値なりを与えることと理解しがちであるが、ドラッカー曰く最もインパクトが小さく、他社の追随を許しやすいのが7である。
また偶然性によって生まれるものであってマネジメントできるものではないと思いがちだが、偶然を偶然にさせないようにすることができる。
「ストーリーとしての競争戦略」でも言われる2や「ビジョナリー・カンパニー3」の衰退企業の特徴でも挙げられている1と6など現代でも言われていることをこのタイミングで見抜いていることに驚く。
(これと同時期に読んだ「デフレの正体」では5に触れている)
昔、ドラッカー本を読んだ時は意味が分からないと思ったが、今こそ読み時である。今年はドラッカーの赤本を読破したい、
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個人的メモ。興味があるところだけ
イノベーションのための7つの機会
1.予期せぬ成功と失敗を利用する(2種類の月例会議を開き、1つは問題対応を議題とし、もう1つでは目標を上回った分野や予期せぬ市場からの受注を議題とする企業の例が紹介されている)
2.ギャップを探す
3.ニーズを見つける
4.産業構造の変化を知る
5.人口構造の変化に着目する
6.認識の変化をとらえる
7.新しい知識を活用する
イノベーションの原理(156頁)
1 機会分析(上記の7つの機会)
2 理論的な分析と同時に知覚的認識も必要(見て問い聞く)
3 To be simple and focused 単純化する、的を絞る ←凝りすぎべからず。
4 スタートは小さく、具体的に(変更がきくし、調整可能) ←多角化を狙うべからず
5 今ただちに有用であるものを狙う
既存企業
・得意分野でないと成功しない(既存の企業がイノベーションを行うことができるのは、市場や技術について卓越した能力をもつ分野である。新しいものは必ず問題に直面する。そのとき、その事業に通暁していなければならない。)
・イノベーションを育てるには、高い地位にある人に全面的な責任を負わせて新事業の核を担わせるのがよい(既存事業に関与しながら新規事業に取り組むのは無理。その上権力のある人が発言しないとうまく進まないし、中止することもできない)。能力のある人を用いるので報酬を下げると逃げられる危険があるが、報酬は下げないで報酬を動機付けに使うためには成功報酬が有効。
だが人事に特に工夫がいるわけではなく、日常のマネジメントで能力を発揮する人はイノベーションの分野でも成功する(優れたマネジメントというものは、どこへ行っても優れたマネジメントであり、企業家精神は個性の問題ではなく行動、原理、方法の問題である)
・イノベーションは既存事業と収益パターンが異なり、同じ物差しで測ることができないので、(自社と競争相手の)過去の経験からイノベーション独自の成功評価基準を用意し、これを用いてイノベーションの進捗や成果を定期的に点検する必要がある。
ベンチャー
・予期せぬ成功が成長をもたらす。思った通りの市場に思ったように受け入れられると思わないこと。
・売上げを40%~50%伸ばすごとにそれまでの資本構造では間に合わなくなり、資本構造の変更を要する→3年先を見越して最大の必要資金量を想定して計画しておくべし
・マネジメントシステムも同様に急激に陳腐化する→同様に3年先を見越して最重要項目を財務の観点から検討しておくべし(アフターサービス、未収金、在庫など。たいてい4つか5つまでで収まる)
・成長するにつれ、マネジメントは一人の手に負えなくなってくる。トップマネジメント・チームを前もって構築しておくべし。チームは信頼・理解を築き上げ機能するようになるまで3年はかかり、一朝一夕では機能しない。
・創業者は自分が貢献できる分野を探し、他は他人に任せること。外部の人間から客観的なアドバイスをもらうこと。
企業家戦略4つ
1.総力戦略
イノベーション機会についての深い分析と正しい理解、エネルギーと資源の集中、成功後の継続的な努力が欠かせない。リスクが大きく非常な困難を伴うので、大きなリターンを期待できる大きなイノベーションにしか使うべきではない。
2.ゲリラ戦略
a. 創造的模倣 市場志向で行動し、他社が生み出しながら放っておいた市場の需要を満たすことで成長する。
b. 柔道戦略 トップ企業が本気で守ろうとしない海岸の一部を確保し、そこで市場と売上げを手に入れると次を確保する。それを繰り返す(?多分。この戦略の内容についてはあまり詳しく書かれていない・・・)
3.ニッチ戦略
a. 関所戦略
b. 専門技術戦略
c. 専門市場戦略
4.顧客創造戦略
a. 効用戦略
b. 価格戦略
c. 事情戦略
d. 価値戦略
*****
内容も良かったけど、本の体裁もよかった。よくある感じの事例をふんだんに取り入れた文章なのだが、原文は事例も主張もだらっと書いてあるけど、この訳書では事例部分に上線が引かれ、一段低く書かれている。
そのため一般的な訳書にありがちな「文字がきつきつに詰まっていて息も出来ない」という見た目になっていない。
これってけっこうすごいことだと思う。