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友達から勧められて読んでみた。
ストーリーはいたって普通,,,
ごくごく日常を描いている。
とても繊細な文章。
ただ、その繊細さに着いていけずに、魅力を見いだせずに読み終えてしまった。
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文章がきれい、ということで参考に購入。
文章がとても丁寧。
物語のなかに大きなドラマがあるわけではないが、一つの小さな出来事について、登場人物の心の中が丁寧に書かれている印象。
小説にドラマはいらないのだ。と知った。
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ある種の生きづらさを持った人たちを描いたもの。
その原因は性格なのか、生育環境なのか、時代なのか。
おそらくそのどれも当てはまるのだろうが、
非常に身近に感じられた。
野球は死ぬか生きるかだという考えを、
孫の旦那が生死の境にいるときに
落ち込む孫に言おうとして思わず飲み込む。
大学時代の自分とダブって印象的だった。
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野球に関連する短編7編。個人的には好きなタイプの小説。悲しみや絶望、孤独といった人生の一時を過去の回想とともに切り取る。ゆっくりとした時間と感傷がじわっと染み出てくるような、なんとも言えない感じが良い。
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…染みた
どの短編も人生を考え、
静かな余韻が心に残る
生きていく中で時は流れていく
人はどんなにあがいても、
手にいれて大切にしていたはずのものが時の流れの中で失われていく
なくなったものは決して戻らない
だから自分のこころにしまいこみ
時に鍵をかけ
時の流れの中で、失ったものと残ったものとその余韻、その時間を生きた証を胸に、新しいものを手に入れていくことを繰り返しながら人生を生きていくのかもしれない
読みながらそんなことを考えさせられた作品
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107回直木賞作品。7短編集。野球絡みで人生を感じる。解説もよかったです。2013.6.9読了、図書館
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仕事終わり、小料理屋で一人で染み染みと酒を飲み、暑くもなく寒くもない夜道を、
ゆっくりと歩いて帰っている。そんな気分になる本。
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小学生、中学生、高校生。お金がなくて、時間だけがたくさんあったあの頃に、何に夢中になって本気で取り組んだのか。
その後の人生において、それが足かせになったり、大きな悔いになったり……産みの苦しみとなることもあるだろうけど、最後死ぬ時にはあの頃のことを思い出すのだと思う。
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2016年、51冊目です。
野球にかかわる人たちの生き様を描いた短篇集です。
著者、伊集院静は、大学2年生まで野球を続けていた人ですから、
初期作品には野球を通して、”生きるていることの息苦しさ”を描いてるものが多い。
(そういう気がするだけで、正確には違っているかもしれませんが)
後日、彼自身の作家人生を振り返る「なぎさホテル」を読んで、作品は、事実を基に丹念にそれを描写することが基本になっていると知りました。
すべての作品が著者の体験を投影しているわけではないでしょうが、
”事実は小説より奇なり”と言いますから、人間が関わった出来事には、たくさんの機微があり、それを目に触れる形にすることができるのが、著者の小説だということのようです。
ちなみに、私の好きな作家のおひとりです。
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あらすじ 短編集
『夕空晴れて』
急逝した夫への想いを胸に幼い一人息子と生きる由美。息子茂は小学3年で野球チームに入る。夫は高校野球の選手だった。・・・河原で息子茂とキャチボールをする由美・・・「ママ」と呼ぶ茂にボールを帰し投げた。「いつかこいつ(茂)とキャチボールができるかな」とつぶやいた夫のことばを思い出し、夕空を見上げる由美。目尻から涙がこぼれる。
『切子皿』
家出した父と20年ぶりに会う正一。正一が高校生だった時に、女性と暮らす父のアパートへ出向き父を蹴りあげ殴りつけたこともあった。
父は都市対抗野球大会のスター選手だった。母は父の大ファンで追いかけ追いかけ結婚したのに・・・。腹立たしさと悔しさと、しかし懐かしさもよぎる。老いてもダンディズムを崩さない父と再開した正一。憎しみが遠い過去になくなっていくのを感じる。
『冬の鐘』
鎌倉の裏駅近くの小料理屋“はる半”を営む佐山久治は馴染客の元高校野球スター選手だった大矢と親しくなる。佐山も大矢も百八十センチを越す大柄で佐山の妻由紀子が「山が二つ歩いてるみたい」と笑った。この二人は人には言えない悩みを抱えている。鎌倉の風情、情緒が、北鎌倉建長寺の冬の「鐘」のように、しみじみ伝わり響く短編です。
『苺の葉』
駆け落ちの待ち合わせ場所にゆくと男は別の女と逃げた。30年前・・・。男は駆け落ちに二股をかけた?以来、独身のまま生きてきた。恋したその男・修ちゃん! 後ろ姿がそっくりな男が映画館の最前列座席にいる。緊張する伸子だった。
最前列の影はじっと動かない。スリーンに映っている女優は修ちゃんのご贔屓だった。
『ナイス・キャッチ』
ノンプロ選手だった美知男は今は母校の地元高校野球部監督。ところが中学野球でエースだった息子和政が勝手にライバル校の野球部に入ってしまった。怒る美知男。家を出る息子。その息子が肩をこわし戻ってきた。息子を殴る美知男。美知男の妻、和子の泣き落とし取りなしで3人は温泉旅行に・・・。
『菓子の家』
大阪十三(じゅうそう)の繁華街。プロ破産屋(整理屋)に自己破産手続きを依頼し、逃亡しようとする財産家後継ぎ、善一。負債額は20億円。
「俺には何もなくなってしまった」「俺って人間も消えっちまうわけか」・・・その前に地元の東京麻布に戻り・・・友人、雄次に会い、野球の麻布オークス開幕戦に選手として出る・・・。
『受け月』
昔かたぎの社会人野球部監督・谷川鐵次郎は選手の頬を平手打ちし怒鳴る。不満を持った選手らの造反劇が起き、ついに引退する覚悟を固めた。「祈るな、頼るな」が鐵次郎の信念、信条です。そんな鐵次郎が監督引退送別会の帰路に・・・願い事がこぼれないで叶うという受け月(上弦の月)を橋の上から見上げ、家族や野球のことを受け月に祈る。
感想
高校野球⚾️の監督をしている娘婿に読ませた一冊。
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野球に人生をかけた事がある人達の、自分の目指す野球を失ったその後、といった短編7編。
伊集院さんをそのうち読もうと思っているうち、今年お亡くなりになってしまいました。
1992年の直木賞作品。
短編だけれど、軽妙な文章のうちに情深い作品集。
野球部信仰があるわけではないけれど、野球部ー堅実 みたいな幻想を持っていたのだけれど、
野球で成功できなかった元選手の挫折感が大きすぎて辛い。
その挫折から抜け出せない頑なさが、その後の人生を左右するのでしょうか。
短編らしいまとまりが、読みやすいし、感動もあるのだけど、少しストーリーが浅いかなあとも思いました。