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読書録「トリックスターズC PART1」3
著者 久住四季
イラスト 甘塩コメコ
出版 電撃文庫
p163より引用
“「精巧で緻密な嘘はーそれこそ芸術的とかっ
て賛美されるようなものはー嘘だけど嘘じゃ
ないんだ。そもそも嘘だと思われないし、逆
に嘘だとわかっていてさえそういうものとし
て信じられる、つまりその人にとっての真実
になるんだよ。それが僕の考えるきちんとし
たフィクションだね」”
体系化された学問としての魔術が存在する
世界を舞台に、確認されている数少ない魔術
師の周囲で起こる事件を描く、長編ミステリ
ライトノベル。シリーズ第五弾前編。
学園祭の運営で忙しく、寝不足の実行委員
会代表の下に、『魔術師からの挑戦状』が持
ち込まれた。多くの人員や参加者の協力で最
終日までこぎつけた祭りの成功のために、彼
は不安要素を払拭するよう行動する…。
上記の引用は、作家志望の高校生の台詞。
物語の作者はこういう心情で、作品を書き上
げておられるのでしょうか。著者の気持ちの
代弁なのかもしれません。しかし、その人に
とっての真実ばかりを見つめていると、行き
つく先は狂信になるのではないかと思われま
す。程々に信じて楽しく生きたいものです。
またも学園にちょっかいをかけてきた、魔
術師・アレイスター・クロウリー。無事に学
園祭は最後を迎えることが出来るのか、物語
は魔術師たちにどのような結末を与えるか、
続きを読まずにはいられない展開です。
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