投稿元:
レビューを見る
あらすじ:久我と共に生きるため、極道の世界へ飛び込んだ秋津。跡目相続に組が揺れる中、襲名に臨む久我を男としても支えたいと必死だった。だが「お前はたったひとりの俺の大事な女なんだ」久我は秋津が極道の色に染まることを厭い、守ろうとする。自分の本気を突きつけなくてはと思い詰めた秋津は、久我と反目する男の挑発に乗り、匕首を手にした―!愛するが故にすれ違い、衝突する想い。その苦しみの末にあるものは…?生きるも死ぬも、お前と一緒だ―頂きを目指す男達の永久の誓い。
投稿元:
レビューを見る
「夜が蘇る」「夜に赦される」に続くシリーズ三巻目。この巻で完結のようです。
秋津が、警視庁キャリア官僚から一転、大阪の興信所の職員になり、そこで地元の大物ヤクザ・久我に見初められるという話(かなり端折ってますが)。
元警察官の秋津が、なぜ興信所勤めに転身したのか。
それは、キャリア時代からずっと関係の続いてきたヤクザ・羽生が抗争に巻き込まれ殺されたから。
羽生を失い壊れた秋津の生活と心。
ここいらへんが、三冊通しての鍵となります。
「夜が蘇る」⇒無機質な秋津の生活に大きな変化が。久我の愛人になる。
「夜に赦される」⇒羽生の死の真相に迫る。秋津は久我と共に生きる道を選択。極道の仲間入り。
「夜に咲き誇る」⇒久我の、組内での地位の安定を図るべく、極道初心者の秋津が奔走。
…という、実にわかりやすい構成です。
さて、仮にもBL。濡れ場も重要です。
今回のシリーズは、いい意味でプラチナ文庫的、フランス書院的でした。
ばかばかしいほどの甘台詞、過剰なほどのまぐわりぶり。
特に、秋津が久我にねだる台詞の数々は具体的過ぎてあからさま。いや、コレがBLなんだけどね。
久我が、秋津の淫乱な様子を描写する台詞も、擬態語満天で、むしろ面白かったです。
うん、プラチナ文庫だからね。
さすが英田サキ。話に矛盾が無い点は星五つ。毎度のことながら天晴れです。
……なんですが、こっちが照れるんですけど。なんじゃこいつら、ただのバカップルか。
と冷たくコメントできる人間には激甘だと思います。(⇒というわけで星四つ)
私はやっぱりドライな英田サキが好きです。
BLはラブラブ、ハート乱舞でなきゃ、という人はすごく充実した濡れ場を堪能できると思います。
投稿元:
レビューを見る
続編3冊目の完結。待ってた。最後の方でやっとクラクラできた!ずっと言えなかった受けのセリフで心臓わしづかみされたっ。全体的に収まりが良過ぎて、感情が振り切れなかったのをガツンとやってくれました。
全く似合わない極道の世界で頑張っていた受け。覚悟の程が伝わって来て、もう操縦士でも極妻でも、なんにでもなりやがれー!とエールを送りたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
3部作の最終です。1作目で結ばれ2作目で久我と共に生きていくことを決心した秋津。
3作目では、危ない目に遭わせたくない久我と力になりたい秋津の微妙な葛藤がテーマ。
大事な女を家に閉じ込めておきたい旦那と少しでも旦那に尽くしたい嫁のすれ違いってとこでしょうか?
元エリート刑事でだっただけに秋津自身も女扱いはやっぱりね……。
そして組の跡目争い……で、ここで秋津さんの大活躍で最後は円満解決。秋津さんは無事極道の妻に……。
安心感のあるラストでした。
そして私はここからBLにはまってしまったんです。
皆様も一読の価値ありですよ。
投稿元:
レビューを見る
夜シリーズ完結編。秋津はキャリア警視から人探しの探偵になって最終的に893の姐さんに納まりました…って、どんだけ怒涛の人生?
羽生を亡くして抜け殻だった秋津が、前向きにエネルギッシュに生きていこうという気概を充分に見せつけてくれる話です。全ては愛する久我を想ってというのが潔くていいです。秋津の漢魂が感じられました。
久我も秋津のこととなると、なりふり構わないのは相変わらず。すぐに頭に血が上って喧嘩っ早くなるのが、極道らしいといえば極道らしいです。伊久美や裕樹そして溝口が、そんな久我のことを心底愛しているんだなというのが感じられて、ベタだけどいい感じです。ちょっと短絡的なところもある久我を案じる周囲が、秋津に御してもらおうと期待しているのがまるわかりなところも面白いし。
中途半端に愛人してるだけじゃなく、肩を並べて人生を歩もうと決意した秋津を、まるごと受け入れる久我がステキでした。死ぬ時は一緒、という二人の覚悟に感動です。
30を過ぎた、大の男二人のイチャコラバカップルぶりも楽しすぎ。久我って女性経験豊富なせいか、花束とか指輪とか赤面モノではあるけど、もらったら嬉しいロマンチックアイテムとラブラブ台詞には事欠かない男ですね。ラテン系というのは当たってます。
そして、そんな久我の手綱をしっかり操る秋津は、どんどん魔性化するばかりか、恐妻にまで至っています。すごい進化。
そんな二人は笑いもしっかりとってますが、互いを失ったら生きていけない大切な存在だということも痛切に感じさせられて、笑ったりうるっとしたり。
重さと軽さとか、甘辛のバランスが絶妙な構成だな、と思います。
とにかく、いろんな意味で情熱が伝わってきて熱いストーリーでした。こんな風に熱さを感じられる作品、最近はなかなか見かけない気がします。
投稿元:
レビューを見る
死んでいるのも同然の秋津が「心が欲しがる相手…魂が求める相手」に出会い、息を吹き返し、「生きることに希望を見出だし、生まれ変わっていく」…秋津の葛藤と変化を見届けてください。三冊読んでこそ…。安易でも軽くもないと思います。何故、羽生が最期に選んだ死に場所が秋津の腕の中なのかが理解できます…本来「男前」な秋津、ちょっと可愛い久我、そして、いい男だなぁ館野。「ひとりきりでは変われない心が、誰かと出会うことで変化していく」…こういうの 好きな方も多いと思います。