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反社会性パーソナリティ障害の記述。
「彼らの自傷行為の特徴は「痛みを感じない」という点にある。
(中略)筆者には彼らが、「痛みを感じない」毎日を生き抜く中で、いつしか他人の痛みまでも感じなくなってしまったような気がしてならないのである。
筆者は、あるものをパーソナリティ障害と見立てることは、必然的に「彼はなぜそのようなパーソナリティ障害になったのか」という仮説を立て、介入の余地を探って挑戦することを伴うものでなければならない、と信じている。ややもすると援助者は、自分の手に負えない者に遭遇すると、パーソナリティ障害と決めつけて治療をあきらめてしまいがちである。」
この記述がどれほど大事で、あたたいことであるか。でも難しいことであるか!この本に出会えてよかったと思う。
「かみそりで木は倒せないが、なたでひげは剃れない」
筆者の記述。
個をみることと世をみることの共存は難しい。それがこの分野の宿命ではあるけれど、心理学と社会学の強み弱みを認識していること、すごい。
筆者は各章違えど、一つの理論に固執せず疑い、犯罪という奇妙なるものに接する人たちが垣間見える。
読み途中だが、早く引用したくて書いた!うずうず。