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朝日新聞で連載されていた小説。一見単純な殺人事件に、登場人物の内面がぎっしり盛り込まれていて、読み応えがありました。吉田修一の真骨頂?
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これは朝日新聞に連載された新聞小説です。
我が家はずっと読売新聞なので、これが連載されていたのは知りませんでした。
吉田修一の著書はランドマークまでは全て読んでいました。
それ以来です。
パークライフまではとても好きで、東京湾景も本は良かったのだけど、ランドマークであれ??って^_^;
ところが今回のこの悪人はすごかった・・・
吉田修一に何かあったの?ってくらい作風の違いを感じました。
出来上がりは秀逸!
ここまで人間を裸にしていいの?って実際、裸になったわけではないですよ^_^;
赤裸々なほど正直に書かれた人間の本性・・
随所に見つかる人間の業にぶち当たると、裸にされたような気分になります。
男と女の恋愛ばかりではなく、姉妹愛、親子愛、家族愛、夫婦愛、友情の業のようなものをこんなに感じた本は久々かなぁ・・
ずっとこれが続いたら、大田胃酸が飲みたくなっちゃうけど、久しぶりにガッツンってきました。
吉田修一、頑張ってるなぁ・・って思った一作でした。
若者よ、自分より大切な誰かを見つけられるような恋愛、若い時にしとくといいよ。
人生って長いようにみえるけど、世の中で若者って思われる時間ってほんと短いのだから・・
この時間に色んなこと、経験しとくといい・・
どうか変なふうに映画化とかドラマ化されませんように・・・
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すごく良かった!!読め!誰か。
多分一番厚い作品なのに、難なくさらりと読めちゃいます。
すごく鋭い人間の描写。事件やさまざまな物事は、誰しもの中に潜む暗い部分が影響しあい複雑化するのかもしれない。
本当の悪人なんて存在しなかった。
悲しいけど、終わり方がすごく好き。納得いった。
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登場人物に限らず、彼らをあおったり、彼らにイライラしたりする我々一人一人の中に悪人が存在する。吉田修一の視点、スタイルは、読者を巻き込んで読み終えたあとも離さない。帯にあるように、まさに最高傑作。
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ダ・ヴィンチ2007年7月号
「今月のプラチナ本」
2008年2月10日(日)読了。
2008−9。
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長編なので読み応えあり。吉田さんの真骨頂と言われているが、今までに感じた吉田修一らしさもあり、よかった。
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う〜ん、誰が悪人なんだろうか?考えさせられる結末ですね。
いままでの吉田修一の作品と一味違った感じでした。
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ダ・ヴィンチのプラチナ本とのことで、吉田修一を久しぶりに。作家のひねた視点は全く感じられず、登場人物の様々な角度からの文章が淡々と続きます。その文体のため文章全体が一定のスピードで進み、内容にのめり込むタイミングというか、読者を文章に誘い込むキッカケがありませんでした。そのためか登場人物の誰にも感情移入せず読了してしまいました。ので僕個人としては、内容がタイトルに負けている感も否めません・・・。
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「こんな仕事辞めて、祐一くんみたいな人と、小さなアパートで暮らせたらいいなぁ」って女に言われて、まずアパートを借りてしまうんですよ、アイツは。(p347)」「欲しゅうもない金、せびるの、つらかぁ」って言うたんですよね。だけん、「じゃあ、せびらんならいいたい」って私が笑うたら、あの人、ちょっと考え込んで、「……でもさ、どっちも被害者にはなれんたい」って。(p413)
世間の評判は高い本で、私も一応最後まで退屈せずに読んだが、ストーリー展開も登場人物も文章の肌触りも「一体誰が悪人?」という問いもどこかで読んだことがある気がして、決定的な新味が感じられなかった。
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誰もがはじめから『悪人』になろうと思っている訳でもない。ただ、環境や状況である日突然『悪人』になるのかもしれない。また当人はまったく『悪人』である意識もなくても、周りから見ればそれが立派な『悪人』であったりもする。まぁ、そういう小説か。面白いといえば面白い。着想が凡庸といえば凡庸。ひょっとしたら、長編を読み切ったという充足感が、名著と思わせるのかも。それはあたかも題名のように、答えはないのかもしれない。
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07年6月。
見栄っ張りの保険外交員佳乃が殺害された。犯人は最初からわかっているのだが、彼と出会った光代との逃避行をもう一つの軸に物語は進んで行く。
本当は誰が悪人?なぜ、事件は起きたの?物事が一度悪いほうへ傾くとどこまでもいってしまう典型のような新聞の連載小説
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携帯の出会い系サイトで知り合った女性を殺してしまった一人の男。
彼はなぜ彼女を殺したのか。
彼と“彼女”はどこに行き着くのか。
そして、本当の悪人はいったい誰?
出会い系サイトで出会った男からお金を取って体を売る女。
お金持ちで大学のアイドル、自分はすべてを持っていると勘違いしている男。
子どもを捨てたけれど、すでに十分な罰は受けたと言い張る母親。
自首しようとする男を「一緒に逃げよう」と引き止めるさびしい女。
一見普通の人なんだけれど、実は悪い。
私も悪人、あなたも悪人。
みんなどこか愚かなんだろうなぁ。
たぶん、そうなんだろうなぁ。
しかし、主人公。
せつなすぎる。
なんだか彼だけが善人のように思えてしまって、最後まで同情していたのだけれど。
周りがこぞって彼を追い詰めている気がして。
でも、自分でなにかを求めない、得る努力をしないっていうのが一番愚かなのかもしれないという気がしてきた。
とすると、彼から求める気持ちを奪ってしまった母親が悪い?
では、その母親をそんなふうに育てた祖母が悪い?
そのようにしか育てさせなかった社会や貧しさが悪い?
堂々巡りだ。
ラストで祖母が彼に対して「正しいことをしてくれ」と願う。
彼の選んだ結末は果たして正しいのか否か。
賛否両論だろう。
きれいな結末であるようで、そうではないようで。
ハッピーエンドであるようで、そうではないようで。
う〜ん、むずかしい。
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こんなに感情移入したのは、久々な気がします。悪人と称される男性になぜか同情にも似たものを感じながら、こんなにもハッピーエンドを願ったのはないかもです。傑作です!
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帯に書かれていた「幸せになりたかった。ただそれだけを願っていた」「悪人とは一体誰なのか?」という一節が胸に響く。
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「東京湾景」に続き再び吉田修一。前に読んだのが恋愛物だったけど、これは何て言うの?あんまり小説読まないから分からないけど、僕はタイトルの「悪人」って名前から極悪なブッチャーみたいな人が主人公で悪さする話なのかな?と適当に思ってたけど全然違いました(そりゃタイトルが「悪人」だからってそんな本書かないですよね)。この本で読んでると思うのは誰が悪人なんだか分からない事。殺された女性は被害者だから「良い人」と思えるけど実際は性格悪そうだし「悪人」に思える。殺人犯の男性は「悪人」に思えるけど、話を読んでいくと凄く好感を持てる人物で「悪人」には見えない。他の登場人物も同じで、それぞれが良い面と悪い面を出していて、皆「悪人」に見えるし、皆「悪人」に見えないし・・・。世の中、白か黒かで見ることは出来ないって事でしょうね。