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横溝を連想させるタッチだが、本家より閉鎖的な印象を持った。舞台となる一族の在り方が異様で、家名の呼び方や儀式の方法等、予備知識を入れておかないと先へ進めないかの様な神経質さは、ミステリというよりはファンタジーの世界観に近い。台詞は滑稽なものが多いが、地の文はそれに反して読むのに時間がかかる。文章は難解ではないのだが、なぜかすらすらと進まない。しかしよくよく見れば、ひとつのセンテンスの中に余分な描写や表現やらがあちこちにぶら下がっているだけで、無駄な部分をたしなめる心積もりで読んでいけばさほど苦にならない。
肝心のトリックだが、こういう展開の場合、考えられる可能性はひとつなので、特に過剰な期待はしていなかったが、それでもいろんな意味で驚かされた。よくここまで書ききったと感服する。終盤は車酔い感覚に襲われたが、作品全体を巻き込んでひとつに集約させた、いいラストだと思う。
本格ファン向きだし、年末のランキングにも食い込むであろう作品だが、状況説明が拙劣なのが致命的。現場の状況については勝手に解釈することで乗り切ったが、謎解きシーンのあの説明はないだろう。あれでいっぺんに萎えてしまった。作品の雰囲気は嫌いではないが、リピートする気力体力ともになし。
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奥多摩に代々続く秘守家の「婚舎の集い」。二十三歳になった当主の長男・長寿郎が、3人の花嫁候補のなかからひとりを選ぶ儀式である。その儀式の最中、候補のひとりが首無し死体で発見された。犯人は現場から消えた長寿郎なのか?しかし逃げた形跡はどこにも見つからない。一族の跡目争いもからんで、混乱が続くなか、そこへ第2、第3の犠牲者が、いずれも首無し死体で見つかる。古く伝わる淡首さまの祟りなのか、それとも10年前に井戸に打ち捨てられた長寿郎の双子の妹の怨念なのかー2転3転するラストに、ドキドキしました。どうなるの!?て感じて。斧高の語る淡首様の怪異の怖さは、秀逸です。ほんとにゾクッとしました。
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久々によかったー!!
推理小説を久々に読みました。これがだまされる喜びってやつですね。
もう一回横溝作品を読みたくなりました。いやはや。面白い人が出てきたものです。このままお願いします
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このミス上位だったので読み始めたのに、読みにくい文章・・・ってわけじゃないけど、読むのがメンドイのってナゼ?オチもまあ、想像の範囲内で。横溝ファンじゃない人には新鮮なのかな?
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閉鎖された村の祭りで男女の首無し死体がみつかる。間接的に事件に係わった女小説家の書く小説、という変わった形で話は進む。どんでん返しもあるし、謎は多いけど、そこまで怖くなく、最後もすぐ分かったから★3つ♪もちっと閉鎖した村のどろどろしたカンジが欲しかったし、やっぱし同じトリックを使いすぎな感じがありますナ。暇つぶしにどうぞな作品♪
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あの日蜜柑を駐在に持たせなければ。
あの日駐在が作家に出会わなければ。
あの日作家があの村を訪れていれば。
ししょー経由、本格ミステリ作家クラブ第8回本格ミステリ大賞候補作品。
候補5作の中では群を抜いてこれが一番面白かった!
舞台の描写が上手いのかなぁ、状況はややこしいんだけど情景が分かりやすい。
さくさく読めちゃうんだけどいわゆる解決編に中々入らなくて
え、え、いいの?終わっちゃうの?と思ってると実は……みたいな。
こうだったんじゃないでしょうか。でもこうだったかもしれないですよ。
でも実はこうですよね。的などんでん返しがこの人の特徴なのかなー。
知り合いに言わせるとそのどんでん返しが分かりにくいらしいですが
返される度に「うわー!」と思った私は単純ですか。
終わり方も好み。ぞくっとしました。
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6月8日読了。2008年度「このミステリーがすごい!」第5位の作品。戦中の日本の奥深く、横溝正史風の土俗的な風習の残る村で発生する首なしの奇怪な死体と、連続密室殺人の謎とは。トリックともオカルトともつかない、禍々しい雰囲気がたまらない。人物のネーミングのわざとらしさが少々鼻に付くが・・・久しぶりに読んだ「ひっかけミステリ」。シリーズもののようで、他の作品も是非読んでみたい。
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作中の言葉を借りれば、本格推理怪奇幻想小説、ってことになるのかな。
ちなみに横溝作品は読んだことありません。
本格的なミステリなだけじゃないし、単純なホラーでもない。
しっかり謎を解いてくれた上で、まだ理解できない恐ろしい部分を残してくれたのがすごく良かった。
全体的に地の文が甘くて、中盤だれてきたのかそれが目立って辛かったけど、
ラストの謎解き部分で報われた感じ。
二転三転で毎回驚かされた僕は単純なのか。
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七転八倒?二転三転するラストにやられました。
トリックや人物の設定は読めますが横溝的な古き隠微な雰囲気が好き。
でもやっぱり、民俗学はあまり生かせてない。そこが残念。
長寿郎が真珠郎に思えて仕方なかった。
欲を言えばどろどろしそうな人物設定が多いのにあっさりしてるのでもっとどろどろすればいいのになー。
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横溝正史を「最後の探偵小説作家」と呼ぶらしいが、
一度絶滅してしまった探偵小説がまるでトキやコウノトリのように復活した...
初めて読んだ三津田信三を、わたしはそんな風に感じた。
設定、時代背景、猟奇的な犯罪、なまめかしさ、
どれをとっても推理小説というより探偵小説と呼ぶに
ふさわしいテイストだった。すばらしい。
読者は、この禍々しい物語の犯人が誰で、どう犯罪が行われて、
その動機は何かを、神経を研ぎ澄ませて、
作家が綴るコトバ一つ一つをかみ締めながら読む。
それでも、あのラストの大どんでん返しには驚かされるし、
確かにフェアだよなぁ...と思いながらも、
そこに気を止めず読み進めてしまったことを悔しく思った。
再読の必要性に迫られる一作だ。
1回目は単純に楽しむため、2回目は確認をするため......。
ヤラレター! このどんでん返しは、想像つかなかった。
トリックの複雑さはクロフツの「樽」を少し思わせ、
覆い尽くす黒く不気味なムードは、やはり横溝正史の遺伝子だと思った。
夢野久作っぽくはない。
ただ、大ラスの不気味さは、
「ドグラ・マグラ」の『ブゥーーーーーーーン』に匹敵すると感じた。
このラストが描きたいがために、作者はこの形式を取ったのだろうか。
作家の筆を借りる形で、物語が進む方式はこれまでもあったが、これは......。
ひとつ気になったのは、主要人物のひとり・使用人の斧高の言動が
とても6歳に感じなかったこと。
これはもう読んでて気になって気になって仕方がなかった。
それから、見取り図は入れてほしかった。
建物の配置が複雑だったし、せっかくここまで探偵小説魂を
引き継いでいるのだから、見取り図はほしかったなぁー。
戦後ミステリの好きな方なら、クスリと笑ってしまうようなトリヴィアが
いっぱい詰め込まれている点も見逃せない。
だって、主要登場人物の一人に江川蘭子ですよ!
これを知ったら、もう読むしかないでしょう。
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奥多摩媛神村の旧家・秘神一族。伝統見合い儀式「婚舎の集いの最中、長男の花嫁候補の一人が首なし死体で発見され、儀式をとり行っていた長男・長寿郎が姿をくらましてしまう。そして第二・第三の首なし殺人事件が発生し・・
面白かったー。「本格とミステリーと土俗的ホラーの融合」ということですがどっちも好きな私には十分楽しめました。
密室殺人でたくさんの(21)謎がパズルのように解けていくさまは読んでいて気持ちよかったです。ある事実の反転がきっかけで連鎖的に解けてゆくのです。お見事・・。
それで、あの終わり方は十分ホラーでゾクッとできました。
首無し女性が風呂に入っているシーンはすごい迫力。夜トイレに行くのがこわくなります。
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昭和初期の鄙びた寒村で起こる儀式と殺人、かけられた呪い。複雑なプロットを見事に纏め上げている。「このミス」でも上位にランクイン。
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やられたー!! おもしろかったです。たった一つの事実で解けてしまうのがすごい!!ほんと読んでて「あっ」て言っちゃいました。★4.5くらい。
初めて読んだ作家さんなので他のも読んでみたい。
2008.12.2
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怖い・・・・・。
想像以上にホラー色が強くて、つまり怖い思いをしたわけです。
序盤はなんか中々読み進まなかったけど終盤はイッキに読みきった。
最後は右ストレートのみの力押しで押しきった。
トイレ行けね〜・・・
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う〜ん、おもしろい。
これ以外出てこない。
って、それしか書いてないんですけどねwww
このシリーズでどんどん三津田信三の評価が上がってきてるが
本気で納得できる。