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多体問題専用計算機 GRAPE の開発ドキュメンタリー。開発グループ(というか4人の研究者)の1人である著者が、その開発過程だけでなく、そこで繰り広げられた様々な人間ドラマまで書き綴った一冊。一気読み本。
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多体問題専用計算機 GRAPE(GRavity PiPEの略称) の開発のドキュメンタリー。筆者は初代 GRAPE-1, GRAPE-2の開発者であり、大学時代に漫画"栄光なき天才たち"の原作者でもある伊藤智義教授。
漫画の原作者でもあることもあり、非常に読みやすく専用計算機という条件はつくもののスーパーコンピュータに匹敵する計算スピードをもつ計算機が開発されるまでの流れを知ることができる。
たとえ自分の未知の分野でも「シンプルに考える」「(いい意味で)難しく考えない」ことで問題解決の糸口となることを知ることができる。
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何とか読み終わった。
のってくると結構スラスラ読めちゃう。(飛ばしたとこもありますが……)
東大生の時にヤンジャンの漫画の原作者をしていたという著者の伊藤さんは当事者の一人で、ぶっちゃけこの人の一人称視点の物語だと思います。(一応、三人称視点で書かれては居ますが……)
だから、戎崎さんがどうも可哀想な書かれ方をされているのが気になってしょうがない。
で、この本を読んだ後に、この本で"天才"と謳われていた牧野さんのwebページをを見に行ったところ、GRAPE開発と「京」のことについて書かれた講義資料を発見し、本よりも面白くてびっくりした。
http://www.artcompsci.org/~makino/talks/mitaka20110422.pdf
本人の人となりが伺える。
冷静に「京」にダメだししながら、対抗心をあらわにしているところが特に好感が持てた。
ただ、まぁご説ごもっともなんですが、あれはあれで暫くはLINPACKベンチマーク一位を飾ってるのだから、あながち失敗とは言い難いと思います。てか、寧ろ成功なんでしょうね。
サイエンスを推し進めたかといわれればそれは未だこれからって事でしょうがでも京はどちらかと言うとアカデミックユースよりもマルチパーパス産業活用に偏っているのでGRAPEとは方向性が違うのかも。
ただこの本を読んで専用論理回路を使った摂動計算とか自分でやってみたい、やれそうな気がした。
っと言う訳でワイヤラッパーでも買おうかと思う。(笑
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文字通りスーパーコンピュータを20万円で作っちゃった話.スパコンとか知らなくても大丈夫.世界一の研究をするには,世界一頭がいいか,だれもやってないことをやらなくちゃいけないのです.ふぇぇ耳が痛い
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タイトルより技術的、経済的な話に見えるが、内実はあとがきの通り「プロジェクトX」。コンピュータが一般家庭に普及していない黎明期、天文学の一命題を解くために、コンピュータ素人の学生や教授がスーパーコンピューター作成を試みる。筆者は元漫画原作者だけあって、文章はこなれているし、筆者自身も登場することに違和感を感じさせない。研究に燃える男の物語だった。なるほど集大成だ。
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GRAPEは有名な専用計算機である。開発者による著作だけに,開発メンバーの人柄なども分かって面白い。
2012/12/01図書館から借用; 12/07朝の通勤電車から読み始め;12/09夕方読了
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タイトルから、節約してスーパーコンピュータを作る貧乏くさいはなしなのかと思ったら、そんなこと全然なくて、東大の最前線のスーパーコンピュータの開発の話だった。恒星とか銀河とか星団とか月の誕生とかタンパク質の秘密を解明するためのスーパーコンピュータを作る話は夢があって面白かった。漫画の原作者も高校教師も経験した著者の伊藤先生がまず面白く、プロジェクトのリーダーの杉本先生は名言が多くて素晴らしいパンチラインがいっぱい出てきて、伊藤先生と対立する戎崎先生というのもクセ者で、登場人物がみんな普通でなく頭がよくて個性的なのも面白かった。この後の話もぜひ読みたい。
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【総合点】 9.0/10点
インパクトがあった。なんていうか発想が凄い。「スーパーコンピューターを作ろう」とそもそも考えること自体が普通はありえない。内容を見てみると、一人の発想ではなく流れがあるわけだけど。
結果として実際に作り上げてしまっている。それも素人が、5か月程度で!これはもう驚愕としか言えない。伊藤君、マジ天才!という他ない。
そしてGRAPEプロジェクトは現在においてもまだ進行中で、ゴールデン・ベル賞も何度も受賞しているという素晴らしい実績の歴史がある。伊藤さんはもうGRAPEに関わっていないにも続きが作られるというのは、「スーパーコンピューターって作ろうと思えば誰でも作れちゃう(ちょっと言い過ぎかもだけど)」ということ。
伊藤さんは素人だったからこそファーストペンギンになれたのではないかと思った。思考過程も素人ならではという感じだし、そしてだからこそ20万円で出来たのだろうなとも。
ちなみに当時のスーパーコンピュータは1か月のレンタル料が1億円らしい。製作費ではなく、レンタル料である。それを20万円で作る、というのはよほど馬鹿げた話である。この馬鹿げた試みを案外あっさり成し遂げてしまったのは伊藤さんが(あとチームメンバーも)常識を持たなかったからこそかもしれない。
序盤は人物紹介的な流れで割と読むのが疲れる。スパコン出てこんやん、と突っ込みたくなる。でも当時の情勢を知ることも勉強にはなる。
中盤過ぎからの伊藤さんの情熱が凄まじい。帰宅後でも思いついたら研究所へ戻っている。没頭するというのはこういうことなのだろう。幸せな時だったと思う。
ちなみに伊藤さんはヤンマガでも「栄光なき天才たち」を連載し、当時で年収1000万を超えていたというから多才だったのは間違いない。クリエイティブ系なんだろう。
ハードの伊藤、ソフトの牧野。このコンビで作り上げたGRAPEが世界最速を叩き出す。奇跡的だよね。
元々この本を読み始めたのは「エクサスケールの衝撃」で紹介されていたからだったけど、思った以上に面白かったし、刺激になった。で、僕もちょっと作ろうかなと思い始めているところ。
伊藤さんははっきり言って天才だったのだろうと思う。だから同じ環境、同じシチュエーションで作ったとしてもその何倍もかかるとは思うけど、でも後進達が作れているのを見ると、素人に出来ないものでもないということは証明されている。
そしてスパコンは今後、世界で必要とされるものだ。日本は特にだと思う。
惜しいのは伊藤さんが、というかイニシャルメンバーがもうGRAPEに関わっていないということ。このメンバーが牽引していけば、スパコン業界がもっと加速しそうな気がするんだけどなー。
【得たもの】
圧倒的な刺激。これに尽きる。
とりあえず自作パソコンについて色々調べてみることにした。
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世の中になかったものを作り上げるという息吹を感じる本。プロジェクトX的ではあるが、開発者の人には共感できるところが多いと思う。おすすめ。
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自作で24メガフロップスのパソコンを作る。当時の最速のスーパーコンピュータに比べて10分の1程度遅いだけである。しかもコストは20万円という破格。研究員のそれぞれの想いが重なり合ってプロジェクトは成功する。その作成まで経過を描く。
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開発の経緯を本人が綴ったものです。著者は多才な方で文章はとても読みやすく、実話にもかかわらず登場人物が魅力的で一気に読めました。当時東京大学に在籍した現神戸大学教授 牧野淳一郎さんの地球温暖化問題に言及したところに現在プリンストン大学上席研究員 眞鍋淑郞さんの成果があり、「おお、何か凄い」と思いました