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ストーリーが秀逸
SFって大概はオチが今イチってイメージがあるけど、これは最初から最後まで引き込まれる魅力がある。
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ぁぁぁぁぁ。
この重量感のあるこの本の重みが癖になります。
これだけいろんな展開を盛り込んでも、
稚拙ではなく、むしろそれが癖になってくる。
本として楽しめるし、なによりも、このブットンダ感じがすごい。
だが世の作家たちよ。
これは決して真似はできないぞ。
真似をすれば、ただの稚拙なものになるだろう。名作とはそういうものだ。と思う。
兎に角。よくぞ翻訳版を出してくれたと思う。
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夜な夜な究極のスラム街「ガフ」をうろついては残虐な死体を残して消える「ゴーレム」を追うグレッチェンとシマは、自らも気付かぬ内に壮大な混沌に取り込まれて行く…登場人物がプロメチウムを飲んで精神世界「ファズマ」にダイブした途端、ページに踊り出る無数の幾何学的な、或いは影絵的な、装飾文字的なグラフィックの数々に 読者唖然。ジャンクな、あまりにジャンクな読書体験でした。たのちかった。次は「虎よ!虎よ!」と、ジーン・ウルフの「デス博士の島その他の物語」ですよ!
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各自にはわれわれ同様に秘密の名前があり、それが彼女たちの真の姿だった。T・S・エリオットによれば、命あるものの秘めたる名、「深遠にして謎めいたたったひとつの“名”」は、だれにも知られえず、知られてはならないというわけだが蜜蜂レディたちはお互いの秘密の名前を知っていてそれで呼び合っていたので、ここに記そう――
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何でもありのガラクタを集めて、それでいてラストはそのすべてのガラクタを引き連れて突き抜けてみせるという大技を見せてくれる小説。
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22世紀ニューヨークに出現した、形をもたない悪魔ゴーレム100をめぐる冒険活劇・・・!
相当トチ狂ってる。後半に行けば行くほどブッ飛んでる。
この小説の恐ろしいところは「ゴーレム100は本当に出現したのか」が疑わしいところではないだろうか。
これだけド派手にやらかして「夢オチでした」ってラストが待ってるんじゃないかと戦々兢々として読んでいたが、読み終わってもやっぱりその可能性が拭いきれない。
中井英夫の『虚無への供物』を読んだときと同じ不安感である。
主人公3人組は、理知的な人物として描かれる。だが、ゴーレム100を追いかける彼らの推理は、どれも何だか胡散臭い。それらしく理屈を通しているけど、腹の底まで納得はできない。少なくとも他の可能性が検証されないほどには完璧な推理ではないように思えてならない(もっとも、SFなんで知ったこっちゃあない言語がたくさん出てくるんだが、それでも直感的に疑わしいと思わせる展開ばかり)。
にも関わらず、現実は彼らの推理した線に沿って展開される。そこが恐ろしい。
そして一番恐ろしいのは、この3人ともが最終的にはヤク中になること。
後半は前半に比べてさらに勢いを増すところから、これは「ヤク中が見た幻覚、妄想」を追体験させられているだけなんじゃないだろうか、と何度思ったことか。この世界を妄想した本人たちにとっては現実だけど、実際は一切そんなこと起こっていなかったのではないか、と。
最後の最後まで本当らしく話は進んで行ったけど、エピローグを読んでも「夢オチ」の線は有力な気がしてならない。
もちろん、その危うい均衡の上での暴走ってところがこの本の最大の魅力なんだけど。
ま、とにかく楽しませてもらいました。
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狂ってしまいたいんだ。
この狂った世界に順応するために
おかしくなってしまいたいんだ。
だから召喚するよ、わたしたちのゴーレム100乗。
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22世紀のスラム都市で連続発生する陰惨な殺人事件。セレブたちがお遊びで召還した悪魔の仕業と気付いた科学者たちは、ドラッグで別世界にトリップすることによりゴーレムに挑む。
SF作家アルフレッド・ベスター、1980年の作品。噂以上の怪作で参っちゃいました。
冒頭からスプラッタな惨殺シーンが続き、そして下品な言葉が次々と繰り出されながら珍奇な物語が展開していく。
しかしながら単なるエログロに終わらず、不思議なことになぜか常にピュアな視線を意識させられます。内省的な探究心も強く。
文体を破壊してイラストで延々と表現される、グネグネしたバッド・トリップ感もまた素晴らしい。
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[ 内容 ]
22世紀のある巨大都市で、突如理解不能の残虐な連続殺人事件が発生した。
犯人は、ゴーレム100、8人の上品な蜜蜂レディたちが退屈まぎれに執り行った儀式で召喚した謎の悪魔である。
事件の鍵を握るのは才気あふれる有能な科学者ブレイズ・シマ、事件を追うのは美貌の黒人で精神工学者グレッチェン・ナン、そして敏腕警察官インドゥニ。
ゴーレム100をめぐり、3人は集合的無意識の核とそのまた向こうを抜け、目眩く激越なる現実世界とサブリミナルな世界に突入、自らの魂と人類の生存をかけて闘いを挑む。
しかしゴーレム100は進化しつづける…『虎よ、虎よ!』の巨匠ベスターの最強にして最狂の幻の長篇にして、ありとあらゆる言語とグラフィックを駆使して狂気の世界を構築する超問題作がついに登場。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「虎よ、虎よ!」と「ゴーレム100」を比べると…こちらの方が好きです。結末、というより本の最終ページに行くにつれてテンションがとんでもなく上がっていくのは「虎よ、虎よ!」と同等だけど、それよりも瞬発力があると思います(逆に言うと持久力がないかもしれないです)。という意味で、より(良い意味で)B級かもしれないです。きっと名作度が高いのは前者でしょう(だから幻とかいわれるのでしょうか?)。そういうわけで「好き」という表現です。ただ、興奮することは間違いないし、素晴らしい!と思うけれど、良くも悪くも時代は感じます。今の時代の方が、より、でも静かに狂ってるかなと。エンタテイメント、表現の仕方として大好きです。好みが凄く分かれると思いますが、他の著書も読みたくなりました。
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おもちゃ箱をひっくり返したような、という形容があるけれどこれはそんななまぬるいものじゃない。あらゆるものが放り込まれるごみ処理場をひっくり返したような小説だった。そこにあるごみをごみと見るか、宝と見るか、それはあなた次第。いやはや圧倒的でございました。
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「蜂の巣」という通り名のまるで、ソドムの街へ飛来した異形の存在、ゴーレム百乗。
彼(ゴーレム百乗)はオンナたちによって異次元から召喚された。
感情のない、欲望の実現者たる、ミスター○○。かれはゴーレム多面体のうちのひとつ。
○○博士と○○のプロメテチウムトリップで暴かれて追い詰められてく、ゴーレム。
そして。
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SF界で熱狂的な人気を誇るアルフレッド・ベスターの小説が満を持して和訳された のだ。いや SF音痴の私には全く分かりませんが。そうSF的素養の全く無い私が無謀にも手を出してしまったこの大作。苦戦しました。なんといいましょうか。星一徹の卓袱台ひっくり返しのごとく力任せに私のSF感を転覆させられました。一言で言うと 「なんじゃこりゃ」です。崩壊した言語、溢れるお下劣場面、そしてフロイト論から心理学的思考、もうひっちゃかめっちゃか どうしてくれる混乱緞子。ニューヨークで起きた猟奇殺人事件の謎を解く というのがスジなのだけど、なんだろねぇ、すんません、私の手には負えませんでした。有閑マダム8人が暇つぶしに始めた悪魔召還ゲーム。それによって呼び覚まされた悪魔ゴーレム。その謎に挑んだのが科学者と女性精神工学者と警察官。その3人がくんずほぐれつあれやこれやそれやどれや って感じで一体どこに行き着くのさって感じですわ。う〜む これを「面白い」と言えるほどの力が欲しいぞ。ただこの溢れる言葉遊びを原文で読みたいという衝動には駆られたな。
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@Sacred_Maggot 嵐を呼ぶ本ですか。完全に僕の趣味になりますが、平山夢明『他人事』、アルフレッド・ベスター『ゴーレム^100』『虎よ、虎よ!』、ボストン・テラン『神は銃弾』、ディヴィッド・ムーディ『憎鬼』、牧野修+田中啓文『郭公の盤』、夢枕獏『上弦の月を喰べる獅子』などですかね。
一冊だけなら?
@Sacred_Maggot そうですねぇ。この中で、”嵐を呼ぶ”ということになるとアルフレッド・ベスターの『ゴーレム^100』ですかね。
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蟻走感のごとき文字の羅列と螺旋。狂いだした絵柄は人間の神経を通り脳へ直接伝わる――これぞ意識の流れ、そして無意識の奔流。ゴーレムが象徴しているものといえばもちろん文字そのものであろう。ある文字が消えればただの土くれに戻るという逸話こそがこのデフォルマシオンなる小説を表していて、そこからのベスターの思想も創造も物理化するのだ。ニクロム線のような小説であった。