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南方熊楠を登場させて那智の森の異界を描くミステリーノベル。金剛界・胎蔵界のせめぎ会う熊野地域はまさに異界であるけれど、この著者の表現した異界はそのひとつに過ぎない。話の進展がまどろっこしい。人物表現、地の文章にも赴きがない。荒唐無稽ならばロマンがないと汚くなるだけ。ドロドロした関係の説明に終わってしまい読後感は不快。
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南方熊楠に惹かれて買ったけれどもよかったのはカキノメヨコバイのくだりのみ。あまりに不快で適当な終わり方に読後は壁に叩きつけたくなる。古本屋に売るために傷はつけませんがね!(怒)なんのためにこの話を書いたのかまったく!わからない。
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狐憑き。オオカミ...。そして閉鎖された
田舎の村で起こる殺人事件。
非日常の舞台設定は幻想小説と怪奇ものを
融合したような味わい。なかなか惹き込まれます。
田舎の人間が持つ(当然の)閉鎖感や差別など、
的を得ていながら現在も続く切ない人間の感情の
描写には、考えることが多い気がします。
幻想的な結末に対して、いわゆる現実的な殺人事件のその
真相にはややガッカリ。この部分だけが勿体ないなーと。何も
ミステリ的な真相を挿入せんでも、充分成り立ったような
気がするだけに惜しい!
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最後が打ち切り漫画みたいな詰め込み急展開。終盤まで普通に進んでいたのに(そこそこ面白かったのに)なぜ!?読書後においてけぼりくらった感が漂った。
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大博物学者・南方熊楠が秘境・熊野で発生した猟奇事件に挑む!
街で狐憑きといわれる少年の目撃談が噂されているため、調査しようと乗り出した熊楠。
その直後に産院から乳児が攫われるという事件が発生。しかし現場の医師は何かを隠している様子。
こちらの事件の調査も開始する熊楠だが、やがてその医師も姿を消し・・・。
面白かったです~!こういう鳥飼作品が読みたかった!
医師が○○だったというのは安直ですし、狐憑きの真相もすぐに想像できる範囲で、事件自体もそんなでもないのですが、小技が効いていました。
使い捨てのあのトリックや、神父の正体などなど、サービス精神にあふれた一冊。
謎解きもかなりロジカルでしたし、熊楠が主人公だけあって薀蓄もたっぷり、そしてなにより圧倒的な自然にたいする畏怖の念がひしひしと伝わりました。
熊野、行ってみたいなぁ。
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南方先生の縦横無尽な活躍が楽しめました。哀しいお話ですが南方先生と太一の師弟関係が和ませてくれます。ミステリーとしては面白かったですが怪奇ものでは…ないですね。
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横溝正史的ではあるが、全てにおいて中途半端で、盛り上がりに欠ける。
ミステリーの部類なのだろうが、すべってしまい、怖くもなく、唸らされるほどの謎解きもない。
途中、飽きてきてしまった。
登場人物に魅力がないのも原因のひつとだろう。
久しぶりに、はずれを引いてしまった気分だ。
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悪くはないんです。ただ、ミステリーというジャンルに
それほど興味が持てないものでどうしても評価が辛くなってしまいます。
キャラクター造詣はなかなか感じがいいかと。ただ
話の展開がちょっとなあ。生き死にが安すぎるんですよね、このジャンルは。
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意外と面白く読んだ。
南方熊楠の本読みたくなるな〜
漫画的だけど文章に軽さがなくて
久々に甘噛みしながら楽しめた( ´ ▽ ` )ノ
気楽に読むにはこの程度の重みが必須だな〜
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なかなか楽しめたけれど物足りないところも目立った。実在する博物学者、南方熊楠が、神秘的な熊野の土地で起こる怪事件に挑む。病院で起こった新生児誘拐、狐憑きの子、山の民、神社の由来といろいろな要素が興味深く、南方熊楠の破天荒なキャラもいいアクセントになり引き込まれる。しかし、終盤は真相の説明は丁寧でしたが、どうにも盛り上がりに欠けた。情報を上手く収束させていたと思うのですが、いくつかの重要人物や事件の書き込み、謎解きの必要性演出、登場人物らの危機感演出のようなものが足りなかったのかなと思います。もっと怪奇感を出して、重要人物たちも書き込んで重厚にしてもよかったかも。『異界』のタイトルは看板倒れかな。
とはいえ楽しめたし好みだったので、別の作品も読んでみたいです。
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ファンタジーといか、そのものずばり、異界の話だと思って読んだらまさかまさかでした。
ああでも、結果的には異界の出来事のような現実だった…。
狼出てきたけど、神聖な感じもなく、凄く野蛮な感じでもなく、それもちょっと残念。
どっちでもいいけど、どっちかに寄せてほしかったような。
面白くなかった訳じゃないけど、
のめり込むことはなかった…な。
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図書館で見つけた初読みの著者。
南方熊楠とその弟子の太一が探偵役。
熊楠の登場から、菌類などが鍵を握る熊野信仰のミステリーかと思いきや、血縁関係がドロドロ(後半にわかる)の話だった。
ミステリーとしては広げた風呂敷をしっかり畳むし、ちゃんと説得力のある解決もするのだけど、なんとも釈然としないまま結末。
ゾクゾク系を期待したが、ホラー要素も弱めなので残念。
タイトルの「異界」もちょっとしっくりこない。どちらかと言うと「人狼」?
熊楠の毒舌が軽妙で、太一の頼りない感じがあいまって、楽しいやりとりがおもしろかった。