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もし彼が零れ落ちそうになったら、私が受け止めてあげようーー珠玉の作品集。;風変わりな曲芸師と野球少年の友情、放浪の涙売りの恋、エレベーターで生まれたE.Bの生涯.、老嬢が語る作家だった祖父の形見の話……どこか奇妙ですこし哀しい人々を、手のひらですくうように描いた、珠玉の作品集。
切なさあり、結構なグロさありの短編集。この著者は「博士の愛した数式」しか知らなかったので、こういう話も書くのかとびっくり。特別いいと思ったのはなかったですが、あえて言うなら「パラソルチョコレート」かな。
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短編集ですが、どれか1作を表題にしたわけではなく、すべてに共通するものとして付けられたらしいタイトルが秀逸でした。『ラ・ヴェール嬢』の静謐な淫靡さが好みです。後、『パラソルチョコレート』で、ふと自分の裏側にはどんな人がいるのだろう? と色々想像してしまいました(苦笑)
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どこまでも繊細で残酷で、淫靡。たゆたう時間にとじこめられたひとたち。想いが強すぎると、ああなってしまうのか。
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小川洋子さんの短編集。
最近は、とても暖かい話が多かったように思いますが、今回は不可思議で宵の口のような話集でした。
これぞ小川さん!!的な少しグロテスクでいて奇妙に甘い感じがする作品ばかりです。
教授宅の留守番とイービーのかなわぬ望みが特に好き。
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奇妙な短編集です。奇妙でちょっと残酷でちょっと気味悪い。私、この作家は新刊が出たら必ず買ってしまうくらい好きなのですが・・・渉くんはどうでしょうか。変な話ばっかりですが。同著者の「博士の愛した数式」とはぜんぜんちがった感じですが、これぞ小川、という作品です(千綿)
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帯に書いてあった<もし彼が零れ落ちそうになったら、私が受け止めてあげよう>というのと、小川洋子に惹かれて購入。しかし、内容は想像したものと違い、不思議な世界を描いた短編集。僕の中で小川洋子の作品は「博士の愛した数式」以後なので、心温まるほのぼのとした世界観を想像していただけに戸惑う。
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小川洋子さん本来のブラックユーモア満載の一冊。短篇集で、ひとつひとつの作品がミステリアスである。「涙売り」には泣けたし「ラ・ヴェール嬢」はものすごく淫靡だ。闇の部分をばっさりと切り取り出す筆致が冴え渡っている。『・・・だって丸い部屋で眠るときの自分は、円の直径になるのよ。円は丸く閉じて、どこにも継ぎ目はないし、始まりも終わりもない。完全な形をしている。なのにその円周がいくらになるか測ろうとしても、答えは絶対に出てこない。・・・』わたしはあんなに売れた「博士の愛した数式」は異色作だと思っている。
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2009.08.23. こりずに再読。やっぱり好き。1番好きなのは、やっぱり「涙売り」。これって、映像化とかしてしまったら非常にグロテスクで気持ち悪い話かもしれないんだけど、好きなんだ。係ったら危なそうな女の子なんだけど、どうしようもなく惹かれてしまう。「パラソルチョコレート」ほのぼのしてて、いいですね。
2008.06.20. 再読。★5つ。
2007.11.25. 好き。私の中にある小川さんのイメージを静かにぎゅっと集めた短編集。どれもほんとにいいんだけど、特に「涙売り」は秀逸。涙が楽器にとても良い効果がある、その涙を売って放浪していた女性が主人公なんだけど、ひとりの男性に出会って、もうどうしようもなくなるのね(こう書くとすごく陳腐だけどもっと雰囲気とかすごいの)。体の関節を楽器にしている彼に、彼女は涙をすり込んでいく。エロティックな空気が漂う中、ラストは切ないを通り越して退廃的な感じがする。夜明けの縁、それは死の影が1番色濃い場所なんじゃないだろうか。★5つ
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河原で草野球をする少年たちの片隅で毎日4段に椅子を重ねて練習をする曲芸士。彼女はしょっちゅう怪我をしては少年の父(整形外科の医者)のもとを訪れる。『曲芸と野球』
全9編の短編からなる本です。でも表題『夜明けの縁を〜』という題名の短編はない。あれ?と思っていたら・・これは全ての短編に共通するテーマなのでした・・。どのお話も不気味で、え?これは『ミーナの行進』を書いた小川さん?と思わせる摩訶不思議な世界。その短い物語の中にさまざまな「教え」のようなものがちりばめられている。ちょっと怖くて孤独な人間の物語。私は『パラソルチョコレート』が好きでした。
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小川洋子の短編集には、ラストでたいてい突き落とされる。これもその一つ。それはある種の快感を伴う。たいていの場合、想定外の結末を迎えるからであろう。なんてことない言葉も、小川洋子が盛り付けると大層色気付いたものになる。行間から漂ってくるのだ。背骨を指先で撫でられたような感覚と、たまらなく官能的な言葉を味わえる1冊です。個人的には、イービーのかなわぬ望み、涙売り、パラソルチョコレートが特にそそられました。ごちそうさまでした。
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短編9話。「曲芸と野球」3塁側のファールグラウンドに居る君。・「教授宅の留守番」留守宅に届き、溢れる物々に隠されたものは。・「イービーのかなわぬ望み」エレベーターボーイのお話。・「お探しの物件」家が借り手を選びます。・「涙売り」私の涙で、美しい音楽を奏でてください。・「パラソルチョコレート」自分の裏側にいる人。・「ラ・ヴェール嬢」老女の足の裏をマッサージするときに聞く話。・「銀山の狩猟小屋」サンバカツギは赤ちゃんの泣き声。・「再試合」甲子園、レフトスタンドで応援しています。・五感をフルに活かした物語。ザ・小川洋子という感じです。でも長編の方が好きかな?
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風変わりな曲芸師と野球少年の友情、放浪の涙売りの恋、エレベーターで生まれたE.B.の生涯、作家だった祖父の形見をめぐる老嬢の話…。世界の片隅に息づく人々に灯りをともす9つの物語
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「曲芸と野球」「教授宅の留守番」「イービーのかなわぬ望み」「お探しの物件」「パラソルチョコレート」「ラ・ヴェール嬢」「銀山の狩猟小屋」「再試合」収録。
すぐそこにあるかもしれない、ちょっと不思議でちょっと不気味な物語。
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9つの短編を集めたもので、各短編の最初に描かれたイラストが内容にとてもマッチしていて印象的でした。現実と非現実の境が薄れていくような物語の中で、「エレベーターボーイ」が好きです。
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こういうのを読むと、恩田陸と似てるなぁ、と思います。ちょいブラック(笑)。それでも日本語はキレイです。本当に。2008.9.15読了