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沈底魚は、事があるまで何十年でも潜伏しているスパイのこと。 忍者物では草というのが相当るるか。これは江戸川乱歩賞受賞、対中国の公安物。二重スパイ,三重スパイ?、組織内の権力闘争、信頼と裏切り、何回もひっくり返って結局結末も本当かは?堕ちるとこまで堕ちたい、という著者のコメントが巻頭にあり、正に堕ちていく小説だった。
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警視庁外事二課で中国と北朝鮮を担当している私は
現職の国会議員の中に「マクベス」と呼ばれる
中国のスパイがいるという案件を調査することとなった。
異動してきた女理事官の凸井や五味一家、無口な若林ら
食えない面々ばかりの捜査本部で不可解なことが次々起こる。
五味のSだった「肉まん」が姿を消し
若林が中国大使館員と通じていると知らされ
同級生で人気議員の秘書を勤める真理もまた姿を消した。
一度はマクベス捜査班から外されるが
代わりに取調べを担当した亡命希望者の劉が真理の失踪に
関連があると知った私はマクベスの存在を疑い始める。
そのことを凸井に告げると彼女はそれに気づいた上で
北京から情報を引き出そうとしているのだと話した。
そのため劉を匿っていることも伏せていたのだが
劉が行方不明となり一緒にいた五味が刺されて重態に。
私は中国のスパイだと疑われて自宅待機を命じられてしまう。
不服に思っていると若林が失踪したという連絡が入った。
監視の目をかいくぐって若林を探しにいく帰りに何者かに襲われる。
装丁:多田和博 カバー写真:getty images+Field work
第53回江戸川乱歩賞受賞作。
現職国会議員の中国スパイを見つけ出そうと公安が奮闘する
かなり手の込んだサスペンスです。
誰がスパイで誰が信じられるのか。
警察上層部はいったい何を考えているのか。
二転三転していくストーリーに頭の中はごちゃごちゃでした。
特に中国人の名前やコードネームが覚えられない・・・
「いまわれわれがやっていることは、いったいなんだ。子供のスパイごっことなんら変わらないことを、国家と国家が大真面目にやっている。これが茶番でなくて、なんだ。」
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スパイもの。ページ数の割には読みやすかった。ただし、ストーリー自体は二転三転。53回乱歩賞受賞作ではあるが、巻末の選考経過を読むと、全審査員一致での受賞ではなかった様子。単行本で読んだが、表紙に「ホトトギス」「モグラ」等のキーワードに混じって「肉まん」との立体透明文字が印刷してあって笑った。いや、ちゃんとストーリーに関係あるんですけどね。
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日本、中国、(またはアメリカ)のスパイが交錯に交錯を重ねる。マンボウのシーンやICUのシーンなど、割と少なめの人情的シーンにぐっときた。文章は簡潔で刑事達の性格にピッタリだと思いました。ただもっとハラハラさせて欲しかった
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日本、中国、アメリカがそれぞれでスパイ工作する話。
二重スパイ?、三重スパイ?と話はややこしくなるが、それほど大きな事件にはならなかった。
公安がメインになる話はあまり読んでないので割と面白かった。
江戸川乱歩賞第53回受賞作
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わかりやすく、それでも全体像を読者に容易に組立させず、そんな話で、最初から最後まで一気に読んでしまいました。面白いインテリジェンス小説は少ないですよね。
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第53回江戸川乱歩賞受賞作。公安ミステリー。2転3転していくどんでん返し的なストーリーが嫌いなわけではないが、あまりにわざとらしく複雑化するのもどうかと思う。驚きというよりも興醒めしてしまった。まぁ、文章は短いのでサラッとは読める。
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私には難しすぎた。
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現職国会議員に中国のスパイがいるという情報によって、極秘に警視庁外事課に捜査本部が設置された。指揮官として警視庁から女性キャリア理事官が送り込まれるが、百戦錬磨の捜査員たちは独自に捜査を進める。その線上に浮かんだのは、次期総理の呼び声高い芥川健太郎だった。第53回江戸川乱歩賞受賞作。
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僕にとっては少しストーリーが難解。
登場人物も多くて、「こんなにいるの?!」と言う感じ。
でも最後まで飽きずに読めた。
中だるみもしなかったし、おもしろかった。
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江戸川乱歩賞受賞ということで。久しぶりに読んだ警察モノ。お決まりの 40代妻に逃げられた一匹狼の刑事 が主人公。係わってくるのが“中国”というのが新鮮だったな(チャイナノアールというのか)。時期総理と評される男を巡るスパイ工作があれやこれやと…二重三重のスパイ活動にどこに真実があるのか、と一気読み。主人公の相棒だった若林のその後が気になる…
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第53回江戸川乱歩賞受賞作。国家機密を漏洩している「沈底魚」は実在するのか。公安警察官たちの暗闘が始まった。巻末の乱歩賞受賞リストを眺めていたら、「滅びのモノクローム」以来の読書ということが分かりました。公安ものというと、まず頭に浮かぶのは逢坂剛の「百舌」がらみの作品群です。あとはあまり読んだことがありません。この作品に関しては、登場人物が全体的にパサパサした描写で、あまり好感がもてませんでした。残念。
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江戸川乱歩賞受賞の長編ミステリー。作者は同時期に『鼻』で日本ホラー小説大賞の正賞を受賞しており、同時期にこの二つの賞を受賞したのは史上初だ。
その本書と『鼻』、180度趣向の違う作品なので読み比べてみると面白い。
数十年にわたり潜伏し、指令とともに活動を開始するというスパイ「沈底魚(=スリーパー)」。沈底魚の情報をキャッチした公安の刑事たちは捜査を開始するが、そこには何重にも仕掛けられた罠と裏切りとどんでん返しが待ち受けていた…。
公安を舞台にした本格的なスパイスリラー。
重厚なミステリーだが、「凸井(とつい)」という風変わりな名前の人物が登場したり、いかにもただのストレートな刑事ものではない。どこか妙な雰囲気が散見される。
巻頭に収録されている、江戸川乱歩賞「受賞の言葉」には洗練されたユーモアセンスの一端も垣間見せてくれた。我々はこの作者の手の内で転がされているのかも知れない。
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乱歩賞受賞作。
公安スパイ小説で、そういうのによくある、伏線なしに隠されていた事実が明らかになっていく展開で、謎解きの面白さは味わえなかった。
巻末の選評で、綾辻行人が同じことを言っていたので安心した。
文章はうまい。
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23.12.20 津島市立図書館で借用
12.27 完読
24. 1. 5 返却
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展開が目まぐるしく変わっていく。
日中、さらには米の思惑も絡み、事件の複雑さは増す一方。
が、文章が巧く書いてあるのか、さくさく読み進める事ができた。
この手の小説にありがちな、誰が敵だとか、味方だとか言うものは捨て去った方がいいかもしれない。そんなものは、この小説ではあまり意味が無いと思う。