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す……すごい……
こんな動機思い付かないよ^^;
毎回毎回、連城先生のマジックにはビックリさせられる。
どうやったらこんな発想が……
冒頭の花が降ってくる美しさはどうですか。
それが一人の男が、たった一人の女に向けて降らせた執念とは……
暗号。全然ワカランー!
解説にもありましたが、確かに読者が解こうなんて無理。
でも楽譜や詩に暗号を仕込むなんて、色っぽい世界観に相変わらずノックアウトされました☆
ピアノの旋律を部下に託すシーン……
美し過ぎでしょう!!!
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昔、みうらじゅんが「黒澤明の映画を観たら、自分が映画監督になろうだなんて思わない」と言っていたが、巻末の解説で米澤穂信も似たようなことを書いている。
「若き日に、まだ連城に出会っていなかったことは幸せだった」
出会っていたら、あまりの凄まじさに小説家、ミステリ作家なる意思を捨てていたという意である。
昭和二十三年十二月二十四日の降誕祭前夜、中華街の安宿でヤクザ者風の男が殺された。銃殺。被害者には右腕がない。捜査線上に浮かぶ中国人の娼婦。
開幕数ページで明らかになるから書くが、これは暗号ミステリでもある。しかもかなりハイレベル。だが解けないのがいい。
伏線、意外な展開、どんでん返し。
戦中、戦後を貫く『男』の執念と『殺人事件』
この壮大な物語を描ききる豪腕と、それに魂を吹き込む繊細で美しい文章。本当に凄い。
著者のことばで、連城三紀彦はこの作品を『嘘八百のミステリーですが』と謙遜している。だが、戦争というノンフィクションと高純度のミステリが見事に融合した『敗北への凱旋』 一読に値する。
僅か1ページの終章『凱旋の日』 あの凱旋には心が震えた。
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歴史の陰に埋もれた人物を取り上げ続ける小説家・柚木桂作は、優れた才能を有しながら軍に身を投じて死んだピアニスト・寺田武史を題材にしようと調査を開始するが…。
暗号の解読はほぼ不可能。音楽に関する知識が皆無なので、しばしば挿入される楽譜や音階に関する説明が全く分からず匙を投げてしまいました。
一連の事件も複雑で咀嚼するのにかなり時間がかかってしまいましたが、断片的な事実をパズルのように繋ぎ合わせて、根底にある愛憎劇が浮かび上がるプロセスは非常に秀逸でした。
一番大きな仕掛けは海外では前例があるようですが、予備知識がなかったのでかなり衝撃的でした。
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始めの方で戦争に対する怨みはあまりないみたいなことが何回か書いてあって違和感があった。納得はできたけれど、やはりこの作家は肌に合わない。
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ひとことでいうと、文章がうまい。表現が絶妙。詩的すぎず、形式的すぎず、強いこだわりも感じないけど、場面場面がするすると頭の中で蘇る。
モールス信号、楽譜、ピアノの指遣い、日本的な音の読み方。暗号は絶妙……
動機としてはちょいとんでもな気はするけれど、それはなんというか…… 私がその世代ではない、平和然としてるからなのよ。
エピローグ。黄砂に乗って、彼は…… ほろ苦さを感じながら、戦は終わったんだね。