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訳者に長谷川眞理子さんを得て、読みやすく仕上がってる。話もわかりやすい。米国では進化論はホットな話題であり続けているのでこういう本が必要、てのはあるが、スペンサーの社会進化論的なところに進んだ「適者生存」とかを、当時のさまざまな進化論から考え直すというのは、ネオリベやグローバリゼーションでゆがみが出ている社会ではどこでも、必要だと思う。ダーウィンは、残っていく種が「優れているから残る」なんて言ってない。でも、そうじゃないとも言ってないんだよな。
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ダーウインの人となり、その方法。美化されているんだろうがそれには感銘を受けるが、ヴィクトリア時代に進歩的科学者として生きた苦渋、教会vs科学、その後に社会進化論(資本主義イデオロギーだが)に曲解されて利用された歴史。これは人類のエポックな悲劇の起源かもしれない。
それに比べるともう過激すぎて手がつけられなくなったドーキンスの「利己的遺伝子説」。この方が痛快ではある。
自然、あるいは唯物の世界。そこに戻りたくてももう戻れない。
成長の神話世界。
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[ 内容 ]
「進化論」を高度な理論にまで高めた画期的な書『種の起源』誕生の経緯から、出版当時どのような賞賛と批判を受け、さらに今日に至るまで名著として輝きを放ち続けているのかを、わかりやすく解き明かす。
[ 目次 ]
序章 起源
第1章 始まり
第2章 使える理論
第3章 発表
第4章 論争
第5章 遺産
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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ダーウィンの伝記的なストーリーと『種の起源』の出版に至るまでの細かい出来事が正しい科学的知識とともに書かれている。ダーウィンは遺伝子の存在については知らないながらも、自身が確信していた進化についての説明を数々の証拠とともに提示しようとしたという話がおもしろい。また、足りない部分はアナロジーによって補完したとダーウィンが言っていることもちょっとおどろき。
『種の起源』出版によって起こった大きな反響や、その後の優生主義やキリスト教原理主義、またそれらと論争を重ねることで確立された生物学と進化学の総合説の登場など、ダーウィンの時代から現代に至るまでの道筋も読みごたえあり。
これも文庫にして出してもいいじゃないですか。