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未訳作品を集めた日本オリジナルのアンソロジーとのこと。統一感のある選択で、よい短編集になっていると思います。
あとがきにあるように、未訳の作品でまた別の本がでたらいいなあ…。
この中で特に気になったのは「別離」、「彼女は三(死の女神)」、「蜃気楼と女呪者(マジア)」。様式美のあるのがいいみたいです。
表紙はこの奇想コレクションのシリーズじゃないほうが良かったかも。
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耽美華麗にして陰惨沈鬱、退廃的で不道徳で官能的な幻想怪奇の饗宴――
<現代のシェへラザード姫>の異名を誇るファンタジー界の女王・リーが語る、
怪しく美しい9つの物語。世界幻想文学賞受賞作を含む、収録作全篇初訳!
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陰鬱にして甘美。全編を通して、夜の闇のような物憂い雰囲気が流れています。登場する美女がことごとく謎めいていて、何をやらかすんだ、とドキドキしながら引き込まれました。美男美女の恋愛・・・一筋縄じゃいかないというか、この短編集の場合、ハッピーエンドじゃなくてもいいんです(笑)。私的には『彼女は三(死の女神)』の少女が部屋にやってくるシーンが印象的でした。ゾク。他、「魔女の〜」「黄金〜」「青い壺〜」「美女〜」等、余韻が素敵。
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怖くて妖しく美しい〜とっぷりと濃いタニス・リーの世界です。
巻頭は83年の作品「別離」吸血鬼譚。
「彼女は三(死の女神)」は84年世界幻想文学短編賞受賞作。
優雅な貴族社会での恋の行き違いをうっとりと哀しげに描いた「魔女のふたりの恋人」
ルーマニア風であったりアラビア風であったりと趣向を変えつつ展開する〜日本で編まれた中短編集。
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文体がほんとにすごい。
甘美で怪しい世界を描く絢爛豪華な言葉たち。
ただそれに酔えばよい!というような作品。
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これよ、これ!
こーいうタニス・リーが読みたかったのよぅ!!
ひとつ前に読んだ同じ作者のジュブナイル物と比較してしまうから、ますますもって面白く感じたのかも。
今回は
吸血鬼主従もの「別離」
東欧が舞台の、女の敵な最低男のおはなし「悪魔の薔薇」
芸術家と死の女神との邂逅「彼女は三(死の女神)」
きれいはきたない・きたないはきれい「美女は野獣」
絶対王制時代のパリが舞台「魔女のふたりの恋人」
ローマ帝国末期の辺境都市に訪れた、黄金を成す娘は何者なのか?「黄金変成」
アラビアンナイトめいた幻想譚。さすが現代のシェヘラザードといったところか「愚者、悪者、やさしい賢者」
中国が舞台のファンタジー。よい男はみなどこかナルシスティックなところがあるわねぇ「蜃気楼と女呪者(マジア)」
全能の魔道師が手に入れた不思議な壺。愛する娼婦をその中に閉じ込めようとしたが・・・「青い壺の幽霊」
の9編。
安野玲さんと市田泉さんの訳がすんばらしい。
『血のごとく赤く』の時のような興奮がよみがえりました。
タニス・リーの短編は外れがないなぁ!
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『悪魔の薔薇』筆者自身の評価が全てを物語っている。あらゆる形で繰り返される悲劇だと。ホラーっていうのはこういうことをいうのだと思った。感じた。
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華麗な文体。訳が物語をさらにぐっと引き立てていると思う。
「別離」がいちばん好き。
表題作、「悪魔の薔薇」の正体が・・・
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短編集。全部が全部面白いわけじゃあないが、全体としてマル。特に表題作が◎。こういうデモーニッシュな感じはとても好きだ。これまで読んだ奇想コレクションの中で一番良かったかも。
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耽美華麗にして幻想怪奇、頽廃的で官能を刺激する妖美な作品が9編収録された作品集。『闇の公子』に代表される妖美で幻想的なリー作品が好きなファンには、たまりません!9編すべてが初訳なのも嬉しいし。 近年ではジュブナイルにも作風を広げているタニス・リーだけど、やっぱりどんな作品でも読めればいいんじゃなく、「こういう作品が読みたかったのよっ!」狂喜乱舞しつつ、うっとり耽溺してしまいそう。はぁ。やっぱりリーは<現代のシェヘラザード>だし、ダーク・ファンタジーの女王さまだわ! 良かったのは、、、全部!(おい) ファンにはたまらない作品集だし、この作品からタニス・リー入門するのものもありなんじゃないかしら。 ちょっぴり恐ろしい、だけど芳醇な物語に、酔いしれてください。
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短編集。目次の題名を見て、面白そうだったので読んでみました。本のタイトルである「悪魔の薔薇」は、正直、オチが幻想小説でもなんでもありませんでした。インパクトのあるタイトルではありますが。タイトル作より、吸血鬼とその執事の話や、3人の芸術家の話などの方が印象に残りますし、雰囲気が良いです。
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可もなく不可もなく、というところ。「ゴルゴン」「タマスターラー」などで佳作の短編はもう訳しつくしたか、とすら思った。かろうじて「悪魔の薔薇」が良かったと思える程度で、確かにあざやかな色彩といい耽美ワールドではあるが、うっすらと背筋が寒くなるようなところは皆無。奇想コレクションで出すほどのものか。
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河出書房新社『奇想コレクション』の1冊で、ホラー寄りの短編を集めた、日本オリジナル編集の短編集。
どちらかというとオリエンタルな雰囲気の作品が多かったが、表題作『悪魔の薔薇』だけは現実味のあるホラー。オチはとある有名な都市伝説を彷彿とさせる。
吸血鬼ものが『別離』1作だけだったのは少し残念。もう1作ぐらい加えても良かったのでは……?
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読了。
タニス・リーのホラー・ファンタジー短編集。
表題作は現在世界でも実現できそうな恐ろしい行為ですな。
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これまでなかなか手が伸びなかった著者の一人。幻想文学、ダークファンタジー、これらの分野にあまり興味がそそられなかったのが理由。今回読んでみて感じたのは、総じて「童話的」な物語が多かったという点。「大人の」と付ければ尚更しっくりくる。文章は洗練されており、多少華美な感じはするが、嫌味はない。『愚者、悪者、そして賢者』『黄金変成』そして最後の『青い壺の幽霊』あたりが好み。全体的に読了後の余韻を楽しめる作品が多い。