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岩手出身の作者ならではの東北土俗にまつわるうすら怖〜いホラー短編集。
完成度を求めると正直満点にはならないのだけど、妖艶で幻想的な雰囲気に引き込まれます。
多少の性描写はありますが、解説いわく、著者自身も性描写にテレがあるというくらいなので本当にちょっとだけ。民話的な要素が強くとても魅力的です。
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短編集。ホラーってこういうものだと思う。幽霊が出てドロドロになっていくのがホラーじゃない。「おそれ」や「奇縁」が好き。
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「私の骨」、「ゆきどまり」、「醜骨宿」、「髪の森」、「ささやき」、「おそれ」、「奇縁」の七編収録の短編ホラー。
ホラーとはいっても一概に
「どんなことをどんなものを怖いか?」
それは異なるであろうが、
この作品は
杞憂、存在しない、憎しみ、隣人恐怖
から成り立っていると感じた。
「見えないものが見えてしまう」
これは霊感を一般は表すだろうか。
しかし「見えないもの」とは一体どういうことだろう?
生活の中の一角に
「あれ?変だな?」
そう感じても違和感程度を深く追及する事は珍しいだろう。
日常の会釈の中で
自分を否定される目や言葉、態度を
見たことはないだろうか?
あるいは咄嗟的な殺意でもいい。
ブラウン管に映る事件等は
それをあくまでシニカルに情報として発信している。
それを情報とし暮らしを見直すのもあるだろう。
案外、「気づいているかどうか」ということなのだ。
怪奇現象はともかくとし
「見えないものを見ようとする」
あるいは
「見えてしまう」
心理の底にあるものが
必ずしも見えることがいいことかは図れはしないが。
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表題作をはじめ、どの短編も違う世界があって面白い。同じ作者の作品ってどうしても似た香りがするけれど、この方はそれもいい味になるので、おススメ。歴史、幽霊、どんでん返しと、一冊でのエンターテインメント性は随一。
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怪奇伝承、ミステリ、東北。旅や入院生活での読書にはうってつけ。「怪奇」の中には、はっきり超常現象に起因するものもあれば、人間の心理的に起因するものもある。ミステリのトリックを楽しむなら断然後者ってことになるのだが、そういうのは本来の怪奇好きにはいらない要素なのかも知れない。両者が混じっている短編集であるところが、好みを分散させてしまうかも。
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第6話『おそれ』。死に纏わる百物語。それでは私も一席。学生時代、友人の住むアパートに向かう道すがら異様な一軒家に遭遇する。全ての雨戸を閉め切り外から板を十文字に打ち付けていた。何かが這い出て来るのを防ぐかの様に。その夜そのネタで怪談をでっちあげ酒の肴にした。後日、別の友人とその界隈をぶらついていた時、怖がらせようと思って、その家を探したが見つからない。すると、ふと線香の匂いが。匂いを追って進むと取り壊された家の跡地が現れ、玄関のあったと思われる場所に卍を刻んだ石塔が立っていた。線香の匂いは ((゚m゚;)
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短編集。色んなタイプの怖い話が7つ。妖怪とか幽霊も怖いけど人間のが一番怖かった。 「座敷牢」って実際に見た事は無いけど何か怖い。その中に和服の女性が居たら怖さ倍増。この本には出てないけど「土蔵の蔵」も何か怖い。でも「土蔵の」が無かったら意外に平気。
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面白かった。
怖かった。
何を間違ったんだか寝る前の一冊にしてたんだけど…ほんと、夢見悪かった。
でも、高橋克彦好き。
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7つのホラー短編集。
最後の話だけ、どこかで呼んだ事があります。
人間の情を使ってる、と思うと、それはそれで
ぞっとするものがあります。
最初の話は、最後を知ってしまえばやるせないものが。
親として、子供に出来る事はすべてしたいものですが
他から…と考えると躊躇してしまいます。
けれど、それを超えてもしてしまうのも、親の愛。
厩、の屋号の意味が気になります。
ぞっとしたのは6つ目の話。
ひとりひとり、百物語のように語って行くのですが
それだけでも怖い。
こう話が進んでいくと、人よりも見えないものの方が
怖いもの、として認定してしまいます。
なのに、落ちで人の心情の方が怖くなってきました。
知らない方がよかったのか、知った方がよかったのか。
究極の選択、を突きつけられた気もします。
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初めて読む高橋克彦氏の短編集。
図書館で初版本を借りて読む。
表題にもなっている『私の骨』が一番印象に残った。
何百年も前、何か凶事が起こると、それは物の怪や
怨念など言葉や知識では語れない物のせいになり
鎮めるために人柱など人間を供物にしていた。
そんな謂れをベースにしたミステリー要素もある話で
人の業の深さ、恨みは図りしれない。
話の最後、数行が、本当に上手いと感心。
引き込まれた。
『おそれ』という話は百物語のように
いろいろな怪談話をした後のオチが人間の心理を巧みに
描いていて、常套手段かもしれないが面白い。
人間の悲哀や欲深さ、狡猾さを上手く書かれていて
この本も素晴らしい良いものを読ませていただき
ありがとうございます。という気持ちです。
小松左京氏も高橋克彦氏も
書かれた年代によるものなのか
男性の主人公がウイスキーやブランデーを
嗜む様子がよく出てくるが、それも良い。
缶ビールや缶チューハイでは、上っ面の恐怖感
に捕らわれているようで、話に厚みが無くなる。
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勝手に歴史作家のイメージだったけど、ホラーも書くんですね。しかも、解説を見る限り、むしろそっちが本業的なのかも。で、本ホラー短編集だけど、個人的にはあまり楽しめませんでした。なんか回りくどいというか、そんな展開もあまり好きじゃなかったし、最後を除き、スーパーナチュラルが跋扈してるのも好きじゃなかった要因かも。もう作者のこの系統作品はいいかな、と。
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短編集。私の骨、ゆきどまり、醜骨宿、髪の森、ささやき、おそれ、奇縁。
どんなのか知らずに読んだら、割とホラーだったので驚いた。元は角川ホラー文庫で出版されていたみたい。
文章の書かれ方に古さを感じた。作者が生まれたのが1947年だからかな。そのせいか「私の骨」の主人公の年齢、その語り口から60代くらいをイメージしていたら、34歳だった。びっくりした!
最初は文体の古くささが気になって、読み切れるかなと少し不安になったけど、どのお話も怖くて面白かった。最後は少し意外な展開になるのも楽しめた。
「ゆきどまり」が一番、読みながらゾワゾワしたかな。ラストが好きだったのは「ゆきどまり」と「ささやき」。
「奇縁」には驚かされた。ほかとは違った怖さ。イヤ〜な感じが残るけれど面白かった。
読後感だけで言うなら、「ゆきどまり」か「ささやき」を最後に読みたかったなあ。
表記では、「探して見ます」「行って見ないか』が気になった。