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10/30 おもしろかった。その人の住む世界の道理と世の中の倫理みたいのの対立がこの人の作品の軸になっている気がする。ミステリとしても結構最後まで予想できずに読んでたので楽しめた。
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終わり方が突然だなと感じた。本気でただ読み進めるつもりで次のページを開いたらもう解説ページでした。もう一回読んだら、もうちょっとくるくる変わる場面転換とかを面白く読めるのかなぁと考えてます。
単純に時代小説とか好きなので、こういう風にいろいろ描写が細かいのは読んでて楽しかったかな。
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同じ行儀見習いをするのでも、部屋子なら長局にいて部屋の主に行儀作法を教わり、茶の湯や音曲や聞香といった習い事をするだけですむ。身のまわりの世話もすべて部屋方の召使いがやってくれる。部屋子とは、つまりわが子のいない御殿女中の娘分のようなもの(p32)つまりはお滝のいう二通りの道で、殿様のご寵愛を得て若君をもうけることが念願とされるいっぽうで、浦尾や真幸のように何かと忙しく立ち働く女中たちがここには大勢いた。むしろ殿様の寵愛が得られるのはごくわずかで、殿様といえど役付の女中にはお手をつけられない建前だから、たとえば表使の真幸はあれほどの美人であっても断じて殿様に肌を許すようなことはないのだという。(p76)
大奥のみならず、大名屋敷にもあった不思議な女だけの世界、奥御殿。「女社長になるか、社長夫人になるか」の命題がここにもあった。ちょうど歌舞伎で「岩藤」を見たので、両方楽しめた。
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外様大名家に奉公に出た同心の娘が主人公。いやおう無くイジメや勢力争いに巻き込まれていく。おりしもその大名家に勤める女が役者と心中事件を起こし・・
前半、冗長でだれましたが、後半は面白かったです。「子を産むための道具」としての女の哀しさをよく描いています。それに反抗していく主人公のかっこよさも・・。
「むやみに贅沢する女はたいがい心にぽっかり穴が開いていて、そこにどんどんものをつめようとするのだ」という言葉が印象的。
大きなテーマ「家とは何か」ということについて考えさせられる作品でした。
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家、家にあらず。継ぐをもて家とす。人、人にあらず。知るをもて人とす 「風姿花伝」
この前書きだけで「この本あたり!」と思ったけど、まさかそういう展開とは。
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もっとおもしろくなるところをちいさくまとめてしまった感あり。モッタイナイ。着物の描写がすばらしく見えるよう。
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時代物。
母を亡くした17歳の娘・瑞江は、遠縁の伯母が勤めている大名の砥部家に奉公に出ることになる。
父の笹岡伊織は江戸北町奉行同心。つまり八丁堀勤め。これが1年ごとの契約というか奉公とは驚きました。
おば様と呼んでいた浦尾は、表の老中に匹敵する御年寄職という大奥のトップ。威厳があり、何度か会ってはいたが親しみまではなかった。
大奥にいったん入ると出られないのが原則だが、江戸城ではないので、行儀見習いの腰掛けも多くいたという。
もちろん殿様のお手つきともなれば、出られないが。
瑞江は三の間というところに配属され、御年寄の姪にしては下といぶかられる。
下働きのお末よりは上だが、かなり下の方の勤めになる。
半端な立場から無視されたり、嫉妬されたり。
それ以上に不可解な出来事に、勝ち気な瑞江は巻き込まれていく‥
一方、町では花形歌舞伎役者の心中事件が起きていた。相手が砥部家の女中と知って心穏やかではいられぬ父。
しかも心中は偽装?
若い頃に親しかったという歌舞伎の女形・沢之丞に聞き込みをすると‥
大奥の中でも怪死事件が!大名家の奥には容易に手を出せない。
御年寄の浦尾はお家騒動の核心に関わっている可能性があり、真相に近づけば瑞江の身が危ない。
父に手紙を書く瑞江、娘の身を案ずる父は?
ぐいぐい読めてしまいました。
著者は1953年、京都府生まれ。実家は祇園の老舗料理屋で、祖母は初世中村雁治郎の娘。早稲田の演劇科を出て、松竹に入社。歌舞伎の脚色・演出を手がける。97年に「東洲しゃらくさし」でデビュー。
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最近お気に入りの松井今朝子さん。時代小説が好きなのもあるけど、読みやすい!出てくる言葉とか舞台は現在の生活からは離れているから少し難しいけど、ストーリーがうまいと思う。
現代では『家』って感覚は昔よりずっと穏やかなものになったけど、その時代は一大関心事であったことは確か。いずれは生家を嫁いで出ていく運命の女性。様々な『家』のありようを見ていくなかでこれまた『家』を背景にした事件が勃発し…。
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江戸時代の二十余万石大名の江戸屋敷大奥での出来事を書いている
おもしろかった
松井さんの作品、まだ3作目だけど1番好き
内容は、少しこの時代の男と女の悲しさが感じられ
松井さんの小説って、その時代その場所の悲しさ、おかしさが
すんなりと無知な私にもわかるようになっているんだけど
悲しいけれど、最終的には前向きで強い人たちなんだなと思い、元気になる
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集英社文庫のナツイチ、2008夏の一冊に選ばれていました。
集英社のWEBには、BOOKNAVI 書籍試し読みのサイトがあり、
見出しの1ページ程度の本文が掲載されています。
神田川を17歳の瑞江が通っていく。
弟の平左衛門は家に残っている。
そんな出だしが分かる。
家ではないものはなんだろう。
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舞台は江戸、砥部和泉守の奥御殿(将軍家でいうところの大奥)。女中たちの頂点に君臨する御年寄である“おば様”こと浦尾にすすめられて奉公することになった同心の娘瑞江は、奥御殿で次々に起こる怪事件の謎に迫るうちに…。
同心である父親ゆずり(実は母親ゆずり?!)の正義感と豪胆さで、下っ端女中にあるまじき活躍をみせる瑞江のフットワークの良さが痛快である。ラストで明かされる真実を知った後、すぐに再読すると随所に用意された伏線に気付いてまた面白い。
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時代小説。
どういう立ち位置なのかなーと思いつつ、読み進めていたのだけど、
結果、ミステリだった。
いくつかの殺人事件を一つに繋げるのは意外な事実。
あーそうきたか!と読み応えあり。
一気読みでした。
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松井さん、今回も面白かったな。
大奥でのお話のなかに、「仲蔵狂乱」の中の登場人物がちょこっと出てきたりしたのも良かった。
終盤では涙がちょっと出てしまった。
家、家族、親、子。
何だろう、サラッとしている中に濃厚なモノを感じた。
今井さんって凄いなぁ~と感じた作品でした。
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大名奥御殿が主な舞台の犯人捜しミステリー
「非道、行ずべからず」(1809年)から遡ること35年、萩野沢之丞はまだ若く、笹岡平左衛門は未だ14歳、父親の笹岡伊織が同心として働いている頃の話
「非道、行ずべからず」の中で、沢之丞が、以前同心の手伝いをしたことがある、と言っていた事件が描かれている。
家とは?親子とは? が主題となっている。
大名などの家をつづけていかなければならない者たちの後継者づくり、歌舞伎役者の名跡の引き継ぎ、同心など下級武士の家の相続、様々な形の家と親子の関係が描かれていて、考えさせられる。
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内容(「BOOK」データベースより)
江戸北町奉行同心・笹岡伊織の娘瑞江は、おば様と呼んでいる御年寄職・浦尾の勧めで、大名砥部家奥御殿に奉公へ。否応なく、陰湿ないじめや、長局内の勢力争いに巻き込まれていく。折しも、砥部家に勤める女が役者と起こした心中事件を、伊織が探索することになり…。閉ざされた“女の城”で瑞江が遭遇する不可解な事件の数々。家と血の絆を巡る長編時代ミステリー。