投稿元:
レビューを見る
10/12 角田光代っぽかったけどそれよか読みやすかった。しかしこういう「記述から読み取って!」的なのは基本的に苦手。だから!?て思ってしまうもの。
投稿元:
レビューを見る
通り過ぎる日常のなかに生まれる「その瞬間のひらめき」がある。いつも時間のなかに埋没させてしまうけど。そんな感覚すらもかいてある。
単行本もだが、装丁がよろしい。
投稿元:
レビューを見る
2つの短編の入った小説集。
この「泣かない女はいない」というタイトルは、作中に登場する樋川さんという、主人公が密かにそして徐々に思いを寄せていく男性が、レゲエの神様・ボブマーリーの曲、『NO WOMAN NO CRY』を訳したものだ。
歌詞の訳をネットで検索してみたら「泣くなよ、お前」みたいなのが主流(?)で、作中に出てきたCDの訳では「女、泣くな」という何のひねりもない訳がついていた。
意訳なんだろうなと思うものの、秀逸だと思った。
「泣くな」という訳なのに「女はみんな泣くものなんだよ」というような意味に置き換わることがなんとも面白い。「泣くな」と言いながらも、実は「泣いたっていいじゃないか」みたいな風に言っている様な気すらしてきた。
この作品の主人公の女性は「泣かない」というのだ。でも「泣いたっていいじゃないか」と全て読み終わった後で感じるのだった。
投稿元:
レビューを見る
淡々と日々は続く。会社が傾いても、恋人や夫との仲が壊れても。それが日常で、それが時々ちょっとだけ哀しい。
ふとした瞬間に人を好きになってしまうことがある。だからといって、それが必ず燃え上がる訳ではない(というかそれでは世界は大混乱だ)。
同じくらい突然、嫌いになって別れることもあれば、自然に戻ることもある。
きっと恋や愛の話なのに、それだけに注目できないほどに日常の出来事が心の中を閉めているんだな、と思う。
もしかすると、恋をして勉強も仕事も手につかないようなことってほんの一瞬しかなくて、幸せなことなのかもしれないと思うのでした。
投稿元:
レビューを見る
タイトル買い。悪くもないけど、良くない。淡々と物語が進んでいく感じ。読む人間の年齢や性別なんかも、少なからず関係するんだろうけど・・・。僕の年齢では少し早かったよう。もう少し年を重ねてから改めて読みたい。
投稿元:
レビューを見る
劇的なものはないゆるやかに流れる日常の中の社内での片思い。
長嶋有の凄さは人物描写のさじ加減で、出すぎることなく好感の持てる人物を描き出している。
まいったなーと連呼させずにはいられない作品。
投稿元:
レビューを見る
こ、これは・・・・!
書くことは見ることで見ていないとどうにもならないということを
とても感じた本 なんとなく自分のターニングポイント
はじめは女の子のだらっとしたことをよう書くなあとおもっていたくらいだったけど
よんでいるとみている感覚になるのが面白かった
それは目の前でその人たちを見てるってことじゃなくて
ぼやーんとした流れていくものをぼやぼやみているというだけ
投稿元:
レビューを見る
表題作、大好きです。自分も「大下物流」の一員になっているようなリアル感がいいです。
朱に混ざらないタイプの主人公が、会社の人々がなんとなく好きになっていく。居心地を良く感じるようになっていくって様がいいです。
社長に新所長に樋川さん・・そしてフォークリフト。
投稿元:
レビューを見る
五つ星。
まるでわたしが書いたかのように
自信を見せて、五つ星。
文庫判(だけだと思う)には
表題作の他『センスがない』も収録されてます。
が、
表題作『泣かない女はいない』こそ、
出会えてよかった。
こういうのに
出会えると思ったんだ、長嶋有なら。
「重なった」という気持ちが
『サイドカーに犬』『猛スピードで母は』『ジャージの二人』を
読んで感じたの。間違いじゃなかった。
もう最高ですよ、長嶋有。
投稿元:
レビューを見る
ちょっとした社会の日常を淡々と、でもさわやか?に書かれている。
世代が近いからか、親近感がわく。
「センスなし」の方は、普通にありそうで、逆にだいぶこわい。
投稿元:
レビューを見る
倉庫で事務をしてる女性の話と聖飢魔IIのファンの友達が淡々と語る二本立て。
まあ、佳作じゃないでしょうか?長嶋有の究極の名作とはいかないにしても、安定して面白いです。
小道具で使われてる聖飢魔IIが渋いです。良いチョイスだと思います。僕は音楽の事全然分りませんが、XJAPAN、聖飢魔II、筋肉少女帯を笑う奴がいたらそいつらは音楽を全然分ってないって判断していいと思います。かくゆう僕も大して聞いてもいないのにマイケルジャクソンを鼻で笑って友人になめられた記憶がありますが。
投稿元:
レビューを見る
「文庫本セット」で手にした本。
長嶋有さんはこれが2冊目。
どこか、ちょっとすっきりしなくて。
そのすっきりしない加減が魅力なのかなとも思えて。
投稿元:
レビューを見る
ここ2年くらい、長嶋有が気になります。
男が書いた恋愛小説て大嫌いなんですが、
この人の描く女って自然すぎてびびる。
実際女性作家と間違われる事が多いらしいですね。わかるな。
てか基本恋愛小説て大嫌いなんですが
この人の文体すごい気持ちいいです。
投稿元:
レビューを見る
今まで読んだ長嶋有の中で、私的には一番良かった作品。
なんか、感情の動きが凄くリアルな気がして
そして出てくる男性の魅力が、ストライクな感じで
なんていうか、結果ハッピーエンドじゃないのに
じんわりと幸福感が得られるというか、
あぁ、これも悪くないんだなぁって思える。すてきだ。
これまで読んだ作品も、もう一度読み返してみたら
印象が違うのかもしれないな。
投稿元:
レビューを見る
「泣かない女はいない」
埼玉郊外の物流下請会社に就職した睦美は、恋人の四郎と同棲している。しかし次第に職場の倉庫で働く樋川さんに惹かれていき、四郎に自分の心変わりを告げる。
「センスなし」
聖飢魔Ⅱのファンという共通点から親友になったみどりと電話の交流を通しながら、主人公保子の雪の一日を描く。夫の良一のデジカメに発見した愛人の写真、延滞しているアダルトビデオ、近所の雪だるまに豆腐屋の笛と紛らわしいG線上のアリア。
いずれの作品も淡々と進行し、最初のうちは少し退屈にも感じるが、丁寧に描かれる主人公の心情の変化にいつのまにか引き込まれてしまう。作品に2000年前後の流行物の固有名詞が頻繁に登場するのがいささか小説的に軽薄な感じがして馴染めなかったが、もっと時がたってから読むのならかえって新鮮に感じるのかもしれない。(2009.11)